「腑に落ちない」怒り ほにゃららさんの映画レビュー(感想・評価)
腑に落ちない
原作と監督が悪人コンビの新作ということで注目していたが、映画館に行く度に、名優たちが泣き叫ぶ熱のこもった演技を予告で見せられ、感動を押し付けられそうなイヤな予感がしていた。
しかし周りの評判が余りにも良いので、思い直して鑑賞したが、結果的には予告で感じた印象とあまり変わらない映画だった。
予告から推測できる展開を、そのままじっくり描く前半は退屈で、とっとと話を進めてくれと思うし、後半は腑に落ちな展開にすっかり冷めてしまった。
「信じることの難しさ」がテーマなんだろうが、そこまで親しくなっといて、そんな大事なことを隠したり、ちゃんとコミュニケーションをとらないヤツは信じられなくても仕方ないでしょ。
「信じてあげられなくてゴメンなさい」って泣いてないで、「ちゃんと話しとけ、ふざけんな!」って怒るとこじゃないか?
それに加えて、犯人が異常な行動に出るのが唐突で、取って付けたように感じた。原作者も誰が犯人か決めずに書き進めていたと語っているが、それなら三人の中の誰も犯人じゃなかった、という結末にした方が、より意外性がありテーマが鮮明になったのでは?
あと、レイプするのが米兵というのは、問題意識としては理解できるが、物語の普遍性が損なわれてしまい、散漫になった気がする。
3つのエピソードを交差させる演出は、とんでもない離れ技で、大量の情報を短くまとめた手腕は素晴らしいが、情感たっぷりにかかる音楽や役者の熱演は、話に乗れなくなった自分には只々鬱陶しく感じられた。
>いぱねまさん
コメントありがとうございます。
まだ納得しかねていますが、改めて作品について考え、理解を深めるきっかけになりました。
「信じる」ではなく、「寄り添う」という言葉が刺さりました。
結局のところ、同じ映画を見ても個人にそれを受け取る感覚(経験などで培わられた認識)がなければ、見えてこないのだと、改めて感じております。
突然コメントを挿入して失礼します。
総てを話したところでそれが本当のことなのかは分からない。総ての人間が相手に理解出来る程の話術を持ってる訳ではない。
『如何に相手に寄り添えることができるか』というのがテーマなんじゃないかと思いますが?
とかく自分の気持ちを押しつけるだけの世知辛い世の中です、ハイ・・・