「「心の叫び」は誰もが持っていて、それは簡単には口に出せないよね」心が叫びたがってるんだ。(2015) p.f.nagaさんの映画レビュー(感想・評価)
「心の叫び」は誰もが持っていて、それは簡単には口に出せないよね
言いたいことを言わずに黙ってしまうことは誰にでもよくあること。口に出した結果、誰かを傷つけたり、ひどいことになったりするのもみんなが経験していること。このふたつの間の葛藤を映画のコアにして、良い脚本になっていると思う。
「心が叫ぶ」ほどの強い想いと、声が出なくなるほどの強いトラウマ。その葛藤の中にいる主人公成瀬順の苦しさをアニメの演技はうまく表現していた。その葛藤と戦う場面も、よく描けていて、共感できた。劇中劇で美しくまとめる脚本も良かった。
登場人物がみな基本的にいいひとで、それぞれ魅力があり、共感しやすい。メインキャラクターの4人はもちろん、クラスメートもいいひと達で、ミュージカル作りを積極的に取り組んでくれる。普通はこんなにスムースには行かないし、衣装や演出もあんなレベルまで仕上げないので、違和感がなくはないけど。映画のテーマは「集団活動の難しさ」じゃないので、OKだろう。
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