「その言葉の行き先は」心が叫びたがってるんだ。(2015) セロファンさんの映画レビュー(感想・評価)
その言葉の行き先は
成瀬順は言いたい事があっても過去のトラウマから言葉を発する事が出来ない。坂上拓実は優しさから本心を隠しているうちに自分の気持ちに気付けなくなっている。この二人を中心に高校生達が気持ちを伝える事の大切さに気付き、勇気を持って行動していく感動作。
言いたい事はあるけど、呑み込んでしまっている。それは、優しさからだったり、空気を読んでの事だったり、単に面倒くさかったりするからだろう。
また、言うべき事があるのに、言えずじまいになってしまっている。タイミングを見失ってしまったり、プライドが許さなかったりする為に。
言ってしまった言葉は戻って来ない。言葉は人を傷つける。確かにその通り。でも摩擦を避ける為に自分の心に蓋をしたら、その気持ちはどこへ行くのだろう。閉じ込められた気持ちをどこまで守れるだろうか。心に蓋をし続ければ、気付かぬうちに自分自身の気持ちを見失ってしまう。言う言わないはその人の自由だけど、その言葉の行き先をきちんと見届けておきたい。
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