劇場公開日 2015年10月10日

「カミツレの自由」図書館戦争 THE LAST MISSION 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5カミツレの自由

2015年10月12日
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鑑賞方法:映画館

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興奮

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“メディア良化法”によって本の自由が規制された近未来、本を守る“図書隊”の活躍を描いた、有村浩の同名小説の映画化第2弾。
原作は未読、アニメはちょっとかじり、映画の前作だけを見た完全なるミーハーだが、前作が思ってた以上に面白く、内容的にも続けられるので、続編は歓迎だった。

主人公・笠原の同僚である手塚の兄、文部科学省官僚の目論みによって、図書隊壊滅の危機。
良化隊との銃撃戦、任務の前に一人一人倒れていき、迫力と緊迫感は前作以上。
全く進展しない笠原と教官・堂上の恋の行方。
ええい、じれったい!…と、こっちも違った意味でハラハラ。
今回の図書隊の任務は、“自由の象徴”とされるある一冊の本の護衛。
何の為に戦うのか、戦って何が守られるのか。
本作品の魅力であるミリタリー・アクションと胸キュンラブストーリーの融合、そこに表現の自由の訴えを込めた、エンタメ性とメッセージ性は引き続き好調。
前作好きなら、今回も満足する事間違いナシ。

その一方…
全体的に前作以上に見応えは増したが、前作ほどスッキリした見易さではないのが難。
後半約一時間も割いて繰り広げられる戦いは迫力は充分だが、如何せん長過ぎ…。
図書隊壊滅を目論む手塚兄の動機もちと弱い。

馬鹿真面目だけど何よりも本が好きな真っ直ぐさと、想いを告白出来ずにいるキュートさで、魅力いっぱいの榮倉奈々。
佇まいも眼差しも熱い演技もアクションも含め、もう鬼教官そのものの岡田准一。
原作ファンも納得と言われる主役二人は安定の好演。
新参加に、松坂桃李。敵対する文部科学省官僚役をクールに演じている。
今年は「日本のいちばん長い日」「ピース オブ ケイク」「エイプリルフールズ」など、実は大活躍!

図書隊の紋章にもなっているカミツレの花。
手間隙かけてようやく育ち、花開くという。
それは、図書隊が守ろうとしている“自由”そのものだ。
楽して得られる自由など無い。
傷付き、悩み、苦しみ、ようやく守られる自由。
偽りの自由かもしれないし、一時の自由かもしれない。
血が流される争いは愚かだ。
では、何故戦うのか。
ただただ、“守る”為。
戦って何が守られるのか。
守るに値する“自由”がそこにあるから。

近大
CBさんのコメント
2022年8月29日

> カミツレの自由
なんせ、タイトルがカッコいいです。素敵なレビュー、ありがとうございました

CB