屍者の帝国のレビュー・感想・評価
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魂はどこに宿るのか
原作は未読、色々と小難しいそうな雰囲気はあるが、主人公の行動原理は親友のフライデーを生き返らせるという明快なものになっている。
だが、その肝心の主人公とフライデーとの関係性というか距離感がシーンの度に違うというか、最初は愛情なのかと思ったら、次のシーンでは友情?と思ったら愛情とぶれぶれで主人公はなぜこんなにフライデーに執着していたのか分かりにくかった。ここらへんの関係性は原作から改変されているようなので、どうせならもっと振り切った方が分かりやすかったのかもしれない。
全体としては中世的でスチームパンクな世界観、屍者が労働力として生活の一部となっている様子がしっかりと描かれいて引き込まれるし、屍者の動きは観てるだけで作画が大変だったのが伝わってくる程に拘りを感じた。
その一方で、人造人間等のオーバーテクノロジーすぎる技術もあり、ちぐはぐさを感じてしまった。正直、人を生き返らせるより人造人間に脳を移植させた方が早いのではないかと思ってしまう。
エンドロール後のストーリーについては、原作未読なためかすっかり置き去りにされてしまった。でも2人とも幸せそうだし、まあいっかと。
原作未読
どうも原作と大分設定が違うようですが、映画の尺ならしょうがないかな?死者の復活が技術として確立されたIF世界線が19世紀舞台の冒険活劇としては雰囲気もよく楽しめました。日本パートも不気味で素敵でした!いや〜屍者の動き、不気味ですね!後半展開は魂で感じろ!って勢いでしたがとりあえずクソデカ感情VSクソデカ感情なのは理解。原作未読の方が楽しめるかも知れない…
フランケンシュタイン+メトロポリス
・イギリス→日本→アメリカ
・死者の21gの魂の行方を巡る話
・巨大パイプオルガンのようなコンピュータ
・音波で死者のゾンビを操るエジソンの娘の機械仕掛けの美女
・ザ・ワンと呼ばれるフランケンシュタイン博士の作った化物が魂をひとつに集め花嫁の復活を目論む
・ワトソンが機械にした友人フライデーと共に
原作者の魂が乗り移ったかのよう
原作小説は未読。ただし『虐殺器官』と『ハーモニー』は既読。予備知識なくこの作品を鑑賞したが,いかにも伊藤計劃という印象だ。自身の命が間もなく尽きることを強烈に意識してプロットを作成したことは明白。原作が持つそんなある種の重たさを見事にアニメ化したと思う。テーマは思いが難解すぎず,とっつきにくさもない。中盤以降で加速していく展開が爽快だ。実在する歴史上の人物が登場するのも楽しい。
九州男児フェチの心を鷲掴み!佳作。
こっれはもっと評価されるべき!
伊藤計劃の全身全霊を賭した絶筆!
この鬼才が断末魔に垣間見たこも幻視を我々はどう解釈すべきなのか?
「時のオカリナ」を彷彿とさせるシーンにニヤリとしてしまった。
WIT STUDIOだけに!
虐殺器官を劇場で観て、遡ってノイタミナ・伊藤計劃三部作を観ています。
伊藤計劃だけに、話が重たいw
でも、フライデーや各国の世界感など楽しめます。
特に、WIT STUDIO好きなら、楽しめると思います。
背景や設定などは、カバネリに類似するところも!
魂の在りか
親友の魂を戻すためフランケンシュタインの著書をめぐり旅をする話
「虐殺器官」を見てから興味が湧き伊藤 計劃原作のアニメーションを見ることに。
原作は約30ページの未完の原稿を円城塔が引き継いだとのこと。
そう考えると作風と言うかトーンが違うようにも思える。
スチームパンクと死者と近代の組み合わせは聞いただけでも「好きです!!」と言いたくなる。作画も安定していて作品自体の完成度も高かったと思う。
友人の理論を証明するため、言葉が聞きたいから、主人公が旅をする動機も理解できるし魅力的なキャラクター達もいい味をだしていた。
物語の展開や行動が難解だったので表層しか理解できなかった。一応自分なりには納得できる点があったのでよかった。
物語のテーマは「虐殺器官」「ハーモニー」と同じで、魂の本質を探る旅、言葉と魂の繋がり、新世界の創造。
連続して作品を見ると、一貫性が見えてくる。
伊藤計劃さんは病に伏せりながら命と死後の世界そして新世界に思いを巡らせていたのではないだろうか。
死を目前にして、平和な世界、死の無い世界を想像し自分なりの答えを出したのかも知れない。
本作は死者を肉体的蘇らせることのできた世界、しかし、魂までは蘇らせられない。魂の重さ21gの在りかを探る物語。
言葉により意思が生まれるとした理論は難しくて完全には理解できなかった。
だだその理論からすると伊藤氏は作品を媒介に肉体は無いものの魂は現世に有り続ける、留まっているのではないかと思った。
ある意味「屍者の帝国」は彼を蘇らせるのに一役かっているのかも知れない。
事実、伊藤計劃を全く知らなかった自分の中に彼の作品、意思が入って来て記憶されたのは確かだ。
劇中セリフより
「君に僕は見えるかい」
瞳の輝きの中には魂が宿っている
見ようと思っても見えないモノ、見たくないのに見えるモノ。
それは魂の意思により判断されるのかも知れない。
まずは今見えてるモノをどうするか、だと思った。
原作未読
私には少し難しかった…
しかし、映像は綺麗だと思う。
フライデーよかった。
原作とは少し違うらしいのですが
最後の方とかは制作会社なりの伊藤計劃氏への気持ちとかが現れてたのかなぁ?
原作読んでみたくなりました。
普段SFあんま縁がないけど、挑戦してみよう。
文字通り死体のつぎはぎ!!
「フランケンシュタイン」の二次創作として掃いて捨てるほど無数にあるような内容だと思いますし、ベタな内容は既視感があり文字通り死体のつぎはぎとも言えます。ワトソン=円城塔、フライデー=伊藤計劃という要素も洒落ていますね!とでも書けばいいのだろうか。ゲームのシナリオみたいなので五十嵐孝司の「悪魔城ドラキュラ」が好きな人は気に入るかもしれません。近年のアニメらしく画面が綺麗すぎて逆にあまり親しみを持てませんでした。エピローグも無理があり過ぎると思います。序盤で屍者が爆発し始めたところだけワクワクしました。
魂を求める旅
あの難解な原作をうまくまとめたなというのが正直な感想。登場人物を絞り、それぞれの心情も映像でわかりやすくなっており、感情移入し易くなっている。
エピソードの絞り込みも適切でちょうど観やすいテンポ。
原作では画が想像できなかったクライマックスは良くできていた。
伊藤計劃好きとしては、生きていたらどのような作品を書いていたか、それが読めないことが残念。
薄気味悪い
が、よく考えられた話しだった。
だか、俺には合わない。
プロットを元にって事は、ご本人の作品とは違うって事なのだろう。
だから、この作品を通して伊藤さんのカリスマ性とか垣間見る事は出来ないんだろうけど…まあ、色々と萌える要素満載だった。
屍
蒸気機関
絶世の美女
機械生命体
霧のロンドン
フランケンシュタイン
後、ノーチラスとかエジソンとか…。
なんとまあ、ふんだんに。
でも、話しというか展開がよく分からない。
よく分からない黒い結晶は吹き出すし、
パイプオルガンで解析しだすし…ここらへんも萌えるのか?
黄緑色のモヤモヤしたもんが溢れ出して生き返ったりするし…あれが魂とか、そんな短絡的なもんじゃないと思うけど、屍になった人が自我を取り戻すんだよなあ。
魂を吸い取って個別に戻せるとか都合良すぎなんじゃないのか?
なんかアサシンのオッさんが死んだような描写になってたけど、屍なんだから幾らでも再利用できんじゃないのか?
あんな演出にしなきゃいいのに…。
船の一室に車が放置されてるのもよく分からない…その前の隠し扉っぽいのも肩透かし感しか与えてくれなかった。
黒いウェディングドレス着てんのも意味が分からない。
発生した結晶は、生者の体に染み込むように溶けてくし…。
もうね、好きにすればって感じ。
勝手に陶酔しとけよ、と。
こんなもの映画館でやんじゃねえよ。
この話を1から書き起こした事には敬意を表するが、視聴者層を鑑みるとうすら寒い。
俺には全くもって、つまらない。
知識0でも楽しめた
話が分かりにくい分かりにくいと聞いていたので、どれだけ分かりにくいんだろう…と不安になりながら見てみましたが普通に面白かったです。
要約すると、M、カラマーゾフ、ザ・ワン、ワトソン、それぞれが願いを叶えようと奔走する話と言った感じでした。
M→争いばかり起こす生者を悲観し、手記を用いて生きる人全てを屍者にして、哀しみや怒りと言った争いに繋がる心を無くさせ、争いのない世界にしようとした。
カラマーゾフ→Mの企みを阻止するべく手記を破棄しようとした。また、手記には屍者に魂を取り戻させる方法が書かれてはいるが、それは非常に危険な行為のため、ワトソンを思いとどまらせようとニコライと自分の死を見せ付けて忠告した。もともと暗殺される身であったための自害でもある。
※話の流れ的に、魂を取り戻させる方法とは生きた人をそのまま屍者にすることではないでしょうか。(屍者というのは、病などで一度普通に死んでしまった人間を生き返らせるもの。生きている状態から屍者にすることはない。カラマーゾフがニコライを屍者化させたとき、ワトソンが殺人だ!と非難したのはそのため。)
だからニコライとカラマーゾフは生きたまま屍者になるところをワトソンに見せ付けたのでは…?
ザ・ワン→手記と自らの製造者の脳を使用して自分の愛した人を蘇生させようとした。
ザ・ワンは結局愛する人を蘇らせたかったという為だけに、ワトソンやMを利用した。
ワトソンをMの場所に呼んだのは、自分が今後使う肉体(フライデー)と愛する花嫁の器(ハダリー)が欲しかったから。
Mを利用したのは、Mの所持していたザ・ワンの製造者の脳を使うため。手記だけでは※に書いた方法で魂を呼び戻すことはできず、製造者の脳が必要だったためわざとMに捕まった。
ワトソン→手記を手に入れて友人フライデーの心を取り戻し、フライデーが生きていた頃のように過ごしたかった。
ワトソンが最後自ら屍者化したのは、もう二度とあのような大量殺戮が行われないように、自らの脳に手記を封印するため。
また、フライデーなどの屍者を、魂の持った屍者にするためでもあると思います。
屍者に魂を持たせるには、「手記」と「ザ・ワン製造者の脳」が必要だった。ワトソンはその製造者の脳の役目を自らの脳で代用し、フライデーの魂を取り戻させたのだと思います。
大量殺戮を行わずともフライデー達に魂を取り戻させることができたのは、ワトソンの脳がザ・ワンの製造者を越えていたからできたのではないでしょうか。
エンドロール後の話については、おそらくワトソンもフライデーも、ワトソンのなかに手記を取り入れることで魂(感情)を取り戻すことはできたけれど、生前の記憶は無くなってしまった、ということだと思います。
それぞれ生前の記憶は無くし、屍者として新たな人生を歩みはじめた。ワトソンはフライデーを生き返らせようと足掻く悲しい医学生ではなく、シャーロック・ホームズと共に駆け巡るような、自由奔放な人生を…という具合に。
完全に忘れてしまうのは悲しいので、二人共少しでも覚えててくれたらなあ…と思います…泣
まあワトソンの願いはもう一度フライデーと話すことだったので、その願いは叶えられているのかも知れませんが。
全体的には悲しいけれど、大切な人を生き返らせようと必死になるワトソンの姿はとても感動的でした。
強いて言うなら、登場するキャラ全員がとても魅力的でしたので、それぞれのキャラの過去などももっと見たかったです。特にザ・ワンは、なぜ大量殺戮を犯してでも花嫁を取り戻したかったのか、ザ・ワンと花嫁の関係性がすごく気になりました。
あとこの時代にこんな技術はあり得ないとか言っている方もいるようですが、この物語をやる上でそんなリアリティ必要ありますかね?
そんなこと言い出したらファンタジー全般を否定することになると思います。
そんなことより、終盤で突然ワトソンとハダリーの距離が縮まったことの方が気になりました!
ワトソンがフライデーに執着するのは再三言われてたので分かりますが、ハダリーはまだ出会って間もないじゃないですか!笑
そこだけ気になるので★-1です。笑
映像がすごい!が、説明不足。
映像はすごい!!
だがストーリーが超展開、もしくは原作既読が必要なのかついていけない。
2部作にすればよかったのではないか。
設定が面白いだけに残念。
もっと裾野を広げてほしい。
む、、、むつかしい、、、
予告編から楽しみにしていた一作。手記を求めて東周りで世界中を旅する物語でもある。想像以上にアクションシーンも多く、また19世紀の設定でファンタジー感もあり面白いが、ストーリーそのものは後半からラストにかけてやや難解。なかなか考えさせられる物語であった。
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