オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分のレビュー・感想・評価
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大人の男性にオススメ
不倫の話なのでカップル、夫婦にはオススメできませんが笑
時間に追われて仕事をさばく感じは大人の男性には共感できるのではないでしょうか。やらなきゃいけないこといっぱいあって、それでもテンパらずに(たまに声は荒げてましたが)しっかりと解決しようとする姿はカッコよかったですね。
描写は車しかないので、他の登場人物に関する部分は全てみなさんの妄想になります。なので人によって見え方全然違うんじゃないですかね。
不倫相手の女性には結局会わずに帰ったの…?
ライク ア ホース
アイヴァンは建設現場の基礎コンクリートにおける現場監督を任されており、約10年に渡って築き上げた実績は彼の信頼を揺るぎ難いものにしていた。
ヨーロッパ史上最大級の高層ビルを支える基礎工事の現場監督もそういった実績が実ってのものだ。
一方家庭では愛しい妻と二人の息子に囲まれ、その夜もサッカーの試合を家族一緒に見る約束となっていた。
しかし、何かが起きた。
アイヴァンはある決意を持って現場を後にし、BMWに乗り込む。
彼の向かう先は、事務所でもなく、コンクリートの製造会社でもなく、家族の居る家庭でもない。
彼は全てを捨てるつもりでロンドンのある病院へと向かっていったのだった。
アイヴァンは何を求めていたのか。
今現在の生活を全て捨ててまで乗り越えなければ、向かい合わなければ、正さなければならなかったものとは何だったのか。
彼はロンドンへの道すがら3つの事態に向き合うことになる。
出産間近の浮気相手。
明朝開始される基礎工事の準備。
浮気をしていた事を知らされた妻と、その雰囲気を察した息子。
相手の顔も見る事ができない状態で、アイヴァンは携帯電話一つを頼りに彼らと一つ一つ丁寧に、完璧に向かい合っていった。
彼にはどうしても負けたくない相手、否定しなければならない相手、全てを捨てて訣別をしなければならない存在が居た。
父親だ。
彼は父親の不誠実さ、現実逃避、「Locke」という名を汚したことを許せなかった。
その存在を完全否定すべく彼は遠くロンドンまで車を走らせたのだった。
終盤、息子のエディが今夜のサッカーの話をする。
普段はどうしようもない選手が今夜ゴールを決めたそうだ。
足元にボールをトラップし、ドリブルで敵ディフェンスをくぐり抜け、味方にパスをすることもなく、前に出てきたキーパーにも動じずゴールを決めた。
まるで馬のようだったと。
それと同じような男が居た。
数々のトラブルに一人で対応し、家族や同僚の言葉も聞かず、遂にはロンドンに辿り着いた。まるで馬のように。
勝負に勝って、試合に負けるという言葉がある。
彼はその逆だ。
一つ一つの事態は収束させたが、家族、仕事、家全てを失った。
父親との試合には勝ったが、人生の勝負に負けたのだ。
集中力が保つギリギリ
複雑
トム・ハーディーが好きなので、彼の演技が素晴らしいという情報を得て鑑賞。
演技に引き込まれるというよりか、実際に起こっている出来事の瞬間を垣間見たような感覚になれた。
内容としては仕事私生活含め、数人との電話のやりとりがただ続くだけで大して面白くはないのだけど、なぜか夢中になれた。
トムかっこええ。
トムハーディ嫌いじゃないが…
カップルで見てはいけない。
わかって観たけど
チャニングとは違うのですよ!
これを出来る実力があるから、トム・ハーディは凄い!と改めて思う一本。
アイディア勝ちの本編はさて置いて。
筋肉ジャンルにハメられがちな主演の、チャニング・テイタムとは絶対的に違う「知性」(チャニングはまたそれ!)を感じさせるのが良かった。
と言うよりマッドなマックスの底力かな。
未見なら「ブロンソン」を是非ご一見。
役者、という仕事への温度が違うんだよな…
地味ながらも、映画的な見処が多い作品。
緊張感あり
絵は退屈かも、でも本は抜群
同じようなシーンが続き、車外の風景もあまり変わらない。主演俳優1人が出演し、あとは声だけ。
彼は仕事、家庭をなげうって車で向かう。
でも、仕事は自分の誇りにかけて成功させようとしている。それは自分の仕事に対する責任だから。お金ではない。
彼は一つの命に対して、仕事と同じ責任を持っている。そのために車を走らせている。
その命には何の責任もないが、彼の家庭はその命の存在で無茶苦茶になってしまった。
その命は、実は彼自身の命でもある。
そして彼の行動は、彼自身の命に対して彼の父親がとった行動に対するリベンジでもある。
これが彼の人生を支える骨組みなのだ。
一見、闇雲に見える彼の行動は、だんだん話が展開していく内に説得力を持ってくる。
この説得力が主人公を動かし、電話で繋がった人も動かしている。
その後の彼の人生は描かれていないが、どう考えるのかは、鑑賞者への宿題のようだ。
感情もつれまくり
たったひとりのたった一度の過ちが、同僚、上司、妻、息子、その他もろもろ沢山の人間の一晩を変える。
なかなか壮大にもつれまくるのだが、それを流れゆく街灯とテールランプの灯りそしてトム・ハーディと電話の相手の声、これだけの要素がこのドラマをつくりあげる。
電話が鳴る度、今度は何だとこっちまで戦慄。気分はすっかり同乗者。
何があったか詳しくは語られないが、父親に対して妙に反面教師的な感情を持つ彼は、あくまでも冷静に、このしっちゃかめっちゃかな状況に対処しようとする。時々爆発する感情。さすがトム・ハーディ、見事にぐちゃぐちゃな心境を巧みに演じる。
己の過ちにケジメをつけると決めた男は、妻に別れを告げられようと、長く貢献してきた仕事を辞めることになろうと、まるでこの走り続ける車と同じようにまっしぐら。
不器用で馬鹿正直な彼はこの後、生まれたばかりの赤ん坊を見て、どういう気持ちで朝を迎えたのだろう?
90分本当にトム・ハーディしか出ないけど、彼の大ファンじゃなくとも観るに値すると、個人的には思います。
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