「女は(若くても、げに)恐ろしい・・・けど他でも似たことはよくある」罪の余白 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
女は(若くても、げに)恐ろしい・・・けど他でも似たことはよくある
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自殺教唆とはいわないまでも、命を危うくするような行為を強要する(建前上、断ることもできるのだが、断りきれない)木場咲(吉本実憂扮演)は、みていてかなり恐ろしい。
それは、彼女に、「罪の意識が欠如している」からにほかならない。
①なになにをしなさい(したほうがいいよ)
②しないと、どうなるかわかっているよね
彼女は、どのみち採っても、選択した側はいいことがない選択肢しか提示しない。
映画では「ダブルバインド(二重拘束)」と説明されている。
けれど、これって、ビジネスの世界では、よくあること。
相手の「生殺与奪」を握っている側からすれば、①をさせないと利がないから。
なので、結果、言われた側は①をする。
これが、ビジネスの世界。
でも、この映画が怖いのは、要求する側が相手が①をしたからといって、かならずしも得をしないということだ。
いや、①②でも「得をする」のだろう。
実質的な利はなくても、①②にどちらを選んだとしても、要求した側の「要求そのものは満たされる」。
つまり、単なる「支配の確認」に他ならない。
こんな「支配の確認」にしからならない要求を突き付ける方もなんだが、突き付けられてしまうほうもどうかと思ってしまう。
でもこれが、中高生のヒエラルキーの中での「世の習わし」なのだろうか。
だったら、哀しすぎる。
いつのまに、こんな世の中になっちゃったんだろう、とおもうと寂しくなってしまう。
そんなことを映画を観ながら思ったりもしました。
特に「鬼面ひとを驚かせる」的な突飛な演出もなく、じわじわと盛り上げるサスペンスは、好感が持てました。
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