「全編通してスピンオフ作品みたい」トイ・ストーリー4 so_raさんの映画レビュー(感想・評価)
全編通してスピンオフ作品みたい
まず前作から9年も経っているなんて。びっくり。トイ・ストーリー3が公開されたときに開催されていた展示でボニーのモデルは実在のピクサースタッフの娘さんということで、たしか写真を見た気がしていて、その娘ももうすっかりティーンエイジャーなんだろうな、と思いながら鑑賞開始。ウッディ!バズ!みんな!変わらないね!と胸熱。もうこの世界観だけでかなり満足してしまった冒頭の部分。
ストーリーが展開していくと部分部分は小ネタ満載でひとつひとつは笑えて楽しめました。
特にダッキーとバニーの妄想シーンは爆笑。
なぜかホラーに寄せるのね。
ただおもちゃがおもちゃとしての人生を全うしていて、あの夢中で遊ぶかんじを思い出しながら、一緒にハラハラし、大人が童心に帰ってたのしめた123と違って、思い切り現実に戻されるというか大人の映画になってしまった今作。レビューが荒れていた意味が分かりました。
ボニーはフォーキー以外のおもちゃたちのことそこまでお気に入りではなさそうで、あんまり向き合っていないようなかんじ。絆もないし、距離が遠いような描かれ方。特にウッディは蚊帳の外。
子どもに遊んでもらってこそのおもちゃ、ってことで、123で貫かれていたはずの概念が、おもちゃはすぐあきられるし無くされるし捨てられる、子どもに遊んでもらえなくなっても別の人生もあるって置き換わってしまっていたのは悲しいというか違和感。みんなまずそこにがっかりしちゃったんだと思います。
それならいっそのこと大人になったアンディにパートナーと子どもができて、おもちゃを買ってあげる→次の新しいトイストーリーが始まる。とかの展開の方が前作までのあたたかい世界観を壊さず見られたかも。