「自分の息子の成長まで潰された気分。」トイ・ストーリー4 ゆりなさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の息子の成長まで潰された気分。
14歳の息子と観に行きました。
息子が3歳の時、トイストーリーのDVDを観て、おもちゃが動いているかもしれないと言う夢を持ち、おもちゃを大切にする様になりました。
トイストーリー2を観て、ウッディの友達を思う大切さを学び、ジェシーやブルズアイも一緒に大切に、自分の友達も大切にする様になりました。
トイストーリー3を観て、大人になった時、ウッディやバズ、その他のおもちゃを手放す気持ちを目の当たりにして、泣きながら自分はおもちゃを大切にするからと言いました。
14歳になった息子は、おもちゃでは遊ばなくなりましたが、未だに10年以上経つおもちゃ達は、傷1つ無く、大切にしまっています。
アンディの様に、ウッディを肩車しながら走り回ったり、映画の様なワンシーンを段ボールで作って遊んだり、大切に扱って来たのです。
そして、いつか、自分の家庭を持って、子供が生まれた時に、DVDを観せて、おもちゃを大切にする様になったら、自分の名前の書いてあるおもちゃ達を渡そうとしていたんです。
今回、トイストーリー4 を観た息子の感想は、「良かったと思う」と言いました。
何が良かったかと聞いたら、「ボニーは、ウッディを大切にしなかったから」と言いました。
小さな頃から、トイストーリーが大好きで、アニメの世界を、もしかしたら、自分の世界でも起きているかもしれないと言う夢を全て壊したんだなとその一言に尽きました。
誰しも、大人になる事は止められないけれど、誰しもがこのトイストーリーをみれば、幼かった自分の目線で観たと思うのです。
大人の目線で描かれ過ぎていて、夢や思い出までが壊された気分になりました。
大人目線から見たら、きっとこのストーリーは納得出来ると思います。
でも、子供の目線で観た時、今までのトイストーリーから教えてもらった夢は無くなったんだと思いました。
それでも、14歳になった息子は、子供の目線と大人の目線で物事が判断出来る年になり、結果として、声を無くしたウッディにショックを受けたけれど、子供は1人じゃないと言ったボーの言葉で、ウッディは自由になったと思うと言った息子の気持ちを考えると、傷を残した結果だったんだなと思いました。
母親の目線から言わせてもらうと、3歳の時からの思い出は、息子は忘れてしまうけれど、親としては一コマ一コマ、全て覚えているんです。
息子が幼いなりに、必死で大切にしていた姿も、トイストーリー4を観て、思い出と一緒に潰された気分でした。
大人目線は、いらないんです。
子供に夢を与えて来たトイストーリーだったのに、全てが終わった映画でした。
とても残念です。