「酷評も、トイストーリーへの愛でいっぱい。」トイ・ストーリー4 まきふみさんの映画レビュー(感想・評価)
酷評も、トイストーリーへの愛でいっぱい。
考えさせられる作品を受け入れるか、否定するか。
感情が分かれる作品ではあると思う。
たしかに、いままでの仲間たちの出番が少なかったり、恋愛要素が強かったことは、前作とのギャップが大きいので戸惑う。軸がブレたと言われるのもわかる。
けど僕はブレても良いんじゃないかと思った。ウッディは人間より、だれより人間らしくて勇敢でかっこいい。でも人間だからこそ人一倍悩んだり、苦しんだりしている。
今回の作品でウッディは何度もボニーの近くにいく。けど悲しいことに抱きしめられたのは、寝てるいるボニーにフォーキーと間違えられたときだけ。ウッディがそれしかないって言った葛藤も、ポーだからこそ新しい生き方を受け入れたのも、すごく人間らしく繊細で良かったと思う。
最後のウッディの迷いに、バズが放った一言がウッディを解放した。仲間たちと言葉を交わすことなく抱き合ったのも、これまでの作品を本当に大事にしているからできることだと思う。
子どもたちが見る作品としては、いまいちかもしれないとか。話が間延びしてる部分もあるとは思う。
けど、僕らもトイストーリーと一緒に歳をとったし、今回はまたその先の想像が楽しみではないか。ポーと再会したように、仲間たちとまた出会うかもしれない。そんな風に、僕は感じた。
受け入れられないと評価する人も、トイストーリーへの愛でいっぱいだったし、映画館を出るときも、レビューを読んでいて、こんなに愛される作品に出会えて、僕は素直に幸せだと思った。
個人的には、小ネタの拾い方が好きで、笑ったし。
繊細に描いた今回の変化にも泣いたし。
すごく人生にありがたい時間だった。