「ぶち壊していく姿勢に逆に好印象」トイ・ストーリー4 erimakiさんの映画レビュー(感想・評価)
ぶち壊していく姿勢に逆に好印象
映像は流石の世界最高水準であるピクサー、王者。
細かい演出がうまい。
例えばボーがウッディの身だしなみを正したり(バッジの角度を直したりする場面)するところなど、別に無くてもストーリーには関わりのない細かい動きが随所に散りばめられていて、それがまた感情を持ったエモーショナルな「個」であるという印象を植えつける一助になっており、感情移入するきっかけとなる。素晴らしい。
まあそんなんはさて置き、ストーリーである。
「おもちゃがおもちゃの役割を果たさなくてどうする!?君たちは子供の為にあり、子供に尽くすのがトイ・ストーリーなんだよ??」
と、従来のファンからは空気を読め!!と言わんばかりの如何にも日本人といった意見が聞こえてきそうだが、むしろそれをぶち壊してくれた結末で星1つ分献上。
これが「やっぱり僕はボニーの元に帰るんだ…。僕はもう見向きもされない裏方に過ぎないがそれでもいいんだ。だってボニーが好きだから!だってそれがトイ(おもちゃ)の宿命だから!!」なんて言ってたら星3つだった。
つまらないこと言わなくていいから自分の人生を生きてくれ。自分の欲望に従ってくれ。空気よまなきゃ、まわりにあわせなきゃ、観客の期待に答えなきゃ、なんて謙虚や思いやりが一周回って個を潰すような下らないことしなくいい。君はそれでいいんだよ。ウッディ。俺は、自分の人生を選んでくれた君を誇りに思うよ、ウッディ!
…あれ、涙が止まらない