幕が上がるのレビュー・感想・評価
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意外と演技上手なももクロ陣
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高校の新3年で演劇部の夏菜子はキャプテンに抜擢される。
でも正直そんなに興味なく、辞めようかどうか悩んでいた。
そんな折、新任の美術教師から演劇内容について意見される。
最初は人の気も知らないでと思って反発するが、
調べたらその人は学生演劇の女王と呼ばれた人だった。
夏菜子は顧問になるよう直訴するが、断られる。
でもアドバイスするだけなら、となって実質的な顧問となる。
そしてやるからには全国を目指すってことになり、合宿も行う。
全国まで行けば受験に支障が出るが、構わないと思った。
こうして地区大会を勝ち抜く。
しかしそんな折、この先生が急きょ手紙を残していなくなる。
東京合宿で古い知り合いに会い、プロ女優への熱が再燃したのだった。
そしてオーディションに合格し、教師も辞めることになった。
夏菜子は裏切られた気持ちになりつつも、
先生の選んだ道は正しいと思うのだった。
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まず驚いたのが、ももクロの演技の上手さだった。
昔よくあった棒演技のアイドルドラマなんかとは時代が違うのか。
演劇には知識も興味も全くないんだけど、
若い人達が何かに熱中して試行錯誤するのは、見ていて感動する。
しかも救世主のような天才が出現・・・好きなパターン。
またその力で頑張って優勝ってなベタな終わり方より、
先生もまさかの現役復帰で姿を消すってのも良かったと思う。
黒木さんもとても格好良かった。
しかし生徒らはともかくとして、黒木さんまで露骨に、
駄目なおっさん教師を相手にしてないのはどうかと思ったけど(場)
青い春
すっげえ良かった。
演劇を通して語られる青春。
儚く尊いものをフイルムに焼き付けた感がしてならない。
ももクロの5人がとにかく良くて、百田さんの感受性なのかセンスなのか…ずば抜けてる。
脚本も凄く好きだし、キャスティングもハマってた。
黒木さんの立ち位置が絶妙で恐れ入る。
だだ漏れになりそうな青春譚の外枠をガチッと止めてるようで、アレが彼女でなかったら俺はこんなにも泣きはしなかったろうと考える。
コントラストも距離感も見事だった。
そして、なぜだか本作の台詞は優しい。
時にか弱く、時に強く、時によろめき、時に立ち止まる。なんなのか良くは分からないのだけれど、とても優しくて愛に溢れてた。
公開当時、良いとの評判だった本作。
なかなかご縁がなかったのだけど、見れて良かった。
宇宙の果てには辿り着く事なんでできやしないけど、どこまでも行ける切符を僕たちは持ってる。
そしてここから、宇宙の果てを目指すんだ。
なんか色んなものにリンクする幕引きだった。百田さんのキャラにガッツリ感情移入してしまい、恥ずかしながら画面の前で涙が止まらなかった。
小説、映画、舞台、MVを通して
今までにないアイドル映画になったんじゃないかと思いました。
最初はちょっと下手かな?大目に見るかーって感じだったんですけど、見てるうちにどんどん女優のももクロの演技にひきこまれて、気づいたらエンディングで、アイドルのももクロに引き戻される、この感じが凄くイイ。
原作にないオリジナル部分は賛否両論あるかなと思いましたね。正直無くてもいいし、でも本広演出だからあれはあれでいいし、人それぞれかなと(^_^;)
不満なのは、原作であった吉岡先生がいなくなった後のさおりがラストシーンをどうするか悩んで、くるみシーンだったり、ラストシーン思いついていくという、読んでて感動したシーンが無くなってて、あっさりとラストシーンが演じられているところがどうにも不満(ー ー;)
映画としてはあれで完結していて良かったんですけどね…
と思ってたら、舞台版を拝見すると、そのカットされてたさおりのラストシーンへの葛藤が演じられているではありませんか。(小説とは少し違うけど)
舞台を見ておもったのは、この作品は小説、映画、舞台、さらには青春賦MV、全て体験することで完成するんだと思いました。
なので、その1つとしてこの映画は是非多くの方に見ていただきたいと思います。
もったいない「走れ」
ももクロファン目線で語ります。
作品の主題は、ももクロがライヴで表現してきたそのものなので、
映画という異種格闘技でありながら、
ももクロ得意の戦い方が出来てました。
恋愛要素などが混ざれば、
こんなにうまくはいかなかったでしょう。
ラストにももクロの最重要楽曲の一つ「走れ」が流れます。
この曲が映画を台無しにした、という意見を耳にします。
この曲は作品の重要な部分で流れるための必然性を持ってます。
しかし、その必然性に気付くきっかけを映画は用意していない。
だから、作品世界に浸っている所に、
突然「アイドル映画」を自覚させるという冷水を浴びせられます。
私はこの映画に、「走れ」が最も相応しい楽曲だと考えます。
それは、「走れ」の歌詞こそ、この映画のストーリーを見事に表現しているからです。
この曲の歌詞は、
当たり前にみれば「片思いを歌ったアイドルソング」の一つです。
しかし、ももクロはライブで繰り返しこの曲を演じ、
歌詞にある想い人の「キミ」を
ファンや、スタッフや、ライブや、歌って踊れるその環境や、
あらゆるものに置き換えられる曲として演じてきました。
そうすることで、ももクロの歌う愛は、
LOVEではなくより広範な愛に昇華してきました。
(故に女性ファンや年配のファンが入りやすかったのです)
そして、物事に全力でぶち当たる美しさを
この曲で表現してきました。
過剰な全力感がももクロの持ち味ですが、
その過剰な全力の答えこそ、歌い出しの
「笑顔が止まらない、踊る心止まらない」
なのです。
きつかろうが、苦しかろうが、でも好きだから関係ない、
という境地の曲です。
ももクロ自身が何度も歌うことで育て上げ、
歌詞すら別な意味に置き換えてしまったこの曲、
残念ながら、その真意は、突然見せられても伝わるものではない。
「モテキ」という映画があります。
主人公はネットで、このももクロの「走れ」を見て、
片思いを伝えようと思い立ちます。
しかし同僚(真木よう子さんが演じてました)から窘められます。
ギャグでコーティングされたこのシーンは伏線となって、
ラスト、主人公が想い人を追うか仕事に戻るか躊躇した瞬間、
真木よう子の「走れ!!」という叫びに後押しされます。
主人公が、仕事に対し情熱をもってぶつかり、現実に結果を見せ、
周囲を後押しさせるだけの頑張りがそこにありました。
主人公は本当にここまで全力で走ってきたからこそ、
同僚から、「走れ」と応援されるわけです。
曲の真意を汲んで映画に盛り込むのは押し付けがましくもあり、
表現の仕方によっては不快なものかもしれません。
しかし、モテキは「走れ」の真意をちゃんと汲んで
映画とリンクさせていました。
「幕があがる」では、
歌詞で言うキミは「演劇」でしょう。
私は曲を聞きながら、
無理やり部長を押し付けられ、そこで抱負を語ったシーンと、
「走れ」で部長演じる百田さんの最初のソロパートが
見事にリンクすることに気づきました。
そこからは、曲が映画を振り返らせ、涙があふれました。
「走れ」は、キミを演劇に置き換えるだけで、
「幕が上がる」を思い返すことが出来る構造になっています。
「走れ」はももクロの最重要楽曲の一つであり、
シングルのカップリング曲でありながら紅白で歌われ、
「モテキ」での扱われ方も前述のとおり。
この曲は語り尽くせない多くの物語を背負っています。
幕が上がるでは、このことと初見の観客とのギャップを埋める、
なんらかの方法が必要だったと感じます。
例えば、さおとユッコが一緒のベッドで寝るシーンで、
二人は演劇に対する思いを分かち合うわけですから、
演劇に恋をしている、みたいな露骨な言い方はないにしても、
それに近い表現がありえたのではないか、と思います。
幕が上がるをご覧になった方には、
「走れ」の歌詞の「キミ」を
「演劇」に置き換えて聞くことをお薦めします。
映画のために書き起こしたのか、
と思うくらいに見事にハマります。
ももクロは恋愛よりも更に普遍的なテーマを、
それこそ歌って踊って表現してきた稀有なタレントです。
この映画に限らず、「走れ」に限らず、
恋愛要素を薄めることで別な価値観を提示してきました。
幕が上がるという作品のテーマは、
すでにももクロの得意分野でもあったわけです。
最後に、あのシーンで「走れ」が流れるのはありとして、
歌って踊るのではなく、回想など別な映像の方が、
映画としてはバランスを保てたはずです。
しかし、ももクロのあの「走れ」は、
ライブでは見れない、でも最高の演技でした。
モテキでも使われたTIFでの「走れ」に匹敵する、
早見あかり脱退以降でのベストアクトだったと思います。
ももクロファンとしては最高なのですが、
映画の価値は損なわれたのかもしれません。
本当にもったいない「走れ」でした。
いいとは思う。
ももクロには、それほど興味はないものです。
原作がよかったのでどのように仕上がっているのか気になって
見に行きました。
原作からの設定変更など、気になる点はいくつかあったのですが
2時間集中して見終わることができました。
ただ、前半のガルルがうっとうしいぐらいに絡んでくるのと
県大会での、演出変更部分の説明のなさはちょっと残念でした。
映画が初見であれば十分に楽しめるのではないでしょうか。
夢落ち部分は個人的にはなくてもよかったかなと思います。
ひさびさのアイドル映画です
原作から中西役は玉井さんをイメージしていた。映画の冒頭、すました顔の彼女でなく、寂しい顔の有安さんが現れた。驚き、物語へ入り込む。
主人公の百田さんがクローズアップされており、物語に劇的な要素がないので、どうしても単調になりやすい。だから騒がしい異質な「シーン」が加えられたのかな。
肖像画で元気に体を反らせ、ライバルの加入に嫉妬し、駅のベンチで泣き、本番でミスをし、最後には部員を鼓舞する彼女たちの演技。どれもが自然で、煌めき、素晴らしい。新人俳優賞は是非グループでとってほしい。
エンディングで彼女たちはアイドルに戻る。「走れ」がいいね。歌う姿にかっての知世さんを思い出す。でも音量はすこし小さいほうがよい。そして、劇中劇の完成版が見られなかったのは心残り。
戦犯は誰だ
一言で言わせてもらうとただただ無念と言わざるを得ない。
私は生粋のももクロファンだが今作は公開前の宣伝で散々「ただのアイドル映画ではない」と言われていたのでこちらも普通の映画を観るような心構えで劇場へと足を運んだ。ストーリーや演技は申し分ない出来であったと思う。青春時代の独特な悩みや心情の変化がよく現れていてどこか懐かしくなるような、終始そんな淡い雰囲気が漂う。映画の中で演劇をするという演技の中で演技をするというとても難しい役柄でありながらももクロも好演していたと思う。(ファンゆえに贔屓目に見ていた部分も大いにあると思うが)
問題はそこではない。何がこの評価にさせているのか。それはちょいちょい出るももクロファンにだけしかわからないような仕掛けである。職員室で一瞬見える三宅アナとももクログッズは果たして必要なのか?最後の客席にゆみ先生や佐々木氏などは必要なのか?また、せっかく「女優」として演じきったのにエンディングで走れを歌う必要はあるのか?それも演劇部の他の子たちはそっちのけでももクロ5人だけで。
エンディングは別として、このような仕掛けが劇中でちょいちょい見える度にいち映画を見に来た人ではなくももクロファンであることを実感させられてなんだか萎えた。(最初にも言いましたが生粋のももクロファンです笑)
せっかくももクロたちの映画をちゃんとした映画として見に来ているのに、ももクロファンはこういうことしておけば喜ぶんだろ、というように馬鹿にされているようにすら感じた。良作邦画になりえた映画をいらん演出でアイドル映画になり下げている。(表現上このような言い方になってしまいましたがアイドル映画が悪いと言っているわけではありません。ご気分を悪くされた方いらっしゃいましたら申し訳ありません。)
ただのアイドル映画ではないと散々言っておきながらももクロのアイドル要素が割と全開の中地半端な残念な作品であった。ファンでない方が楽しめているのか心配になった。
小ネタが無ければ...
ももクロちゃんたち頑張りました。
夏菜子ちゃんの悩んだ顔、無理に笑顔を作る顔、良かったと思います。
演出も、序盤のクルクル動くカメラに目眩がしましたが徐々に改善されました。
ただ、ちょいちょいはさまれるももクロネタは無かった方が良かったかな、と思います。
『腹へった~』はまあ、いい。
出されたジュースを交換するところとか、いるか?最後の友達演出もいらないように思います。
一番がっかりしてしまったのは、
最後の最後、エンディングにはいる瞬間『走れ!』が流れてきたとき。
それまで頑張って演技して演出して、こちらも頑張ってついていって、感動系のいい終わりに着地した~!のが一瞬にして台無しになる、もろアイドル声の楽曲。もー、一気に冷めまてしまいました。
ええ、ももクロちゃん好きです。『走れ!』大好きです。けれども!ここにはいらないように思います。
さらに言うなら、劇中にイントロとして流れるももクロ楽曲も無くていいと思いました。
ももクロちゃんたちがガチンコで演技しているのだから(うまい下手ではなくて)そこは切り離して欲しかったです。
これであかりちゃんが出てきたら最悪だなと思っていましたが、その過剰演出はなく、ほっとしました。
(あかりちゃん好きですよ。でも、この演出にはいらないと思ったので)
黒木華ちゃん、ずば抜けて良いですね。
主演と勘違いしてしまうほど、光っていました。
夢を一緒に追いかけ、仲間と別れ、乗り越えてまた夢に立ち向かい続ける。
高校生、中学生にぜひ観てほしい作品だと思いました。
とても良い
素晴らしい映画でした。
ももクロのことはほとんどわかりませんが、楽しめました。
で、忘れそうなため、まずはマイナスポイントからですが、せっかく余韻のある映画なのに、エンディングが彼女たちの持ち歌になってアイドルに戻ってしまうのはもったいないなと思いました。彼女らは、女優として女子高生を演じ切れていたのだから、あえて現実に引き戻すこともないなと。なにより、ドラマ的に文字通り「幕が上がる」直後ですので、彼女らが舞台上で演じている想像を遮られるような感覚になりました。
また、その直前の県大会における、各有名な方々の出演ですが、それまでの関連性がないため、こちらもどら目の連続性が寸断される印象でした。
あと、有安さんと玉井さんの和解のシーンで、学校の渡り廊下の上のベランダみたいなところで語り合う場面がありましたが、その後ろで狂ったように踊る女子高生が、見きれているシーンですが、カメラ割りのたびに現れるので、辟易と言っては言い過ぎかもしれないですが不要に思いました。これが一度でしたら、「あーいう生徒もいる」という世界観の広がりに見えたのですが、複数回の登場で「ネタ」と「会話に集中できない」といった負の側面が出てしまったように思えます。
まあ、これらが瑣末に思えるほど良い映画でした。特に百田さんですが、最初は演技うんぬんより発声法自体に難があるように思われ、「大丈夫かな」と思ったのですが、物語内の彼女の成長に伴い、実にしっくりとしたものに感じられました。いわゆる、物語内リアリティは、彼女の成長に支えられているとも感じました。声の表現技法をこれほどまでに多彩に使い分けられていることに感服いたしました。
また、脚本も素晴らしく思いました。原作ではあまり感じなかった、女子高生特有の「性」に対する不安定な感じとでもいいましょうか、ひとくくりに同性愛とくくれないような、感情が表現されており、まさに劇中で語られていた何だかわからないものが美しく表現されていました。
良い映画に出会えました。
アイドル映画の金字塔
過去に女性アイドルグループのメンバー全員出演した映画がヒットした作品はありません。アイドルが主演してヒットした作品はあると言われるかもしれませんが、ももクロみたいに5人全員はありません。一人なら薬師丸ひろ子や原田知世、山口百恵とかたくさんありますが。ももクロメンバー5人なのでハードルが5倍高いのです。一般の映画ファンは女性アイドルグループのメンバー全員出演と聞いただけで観ないのが普通で動員数が伸びずヒットしないのです。しかも忙しいアイドルですから撮影期間も短く演技も下手(演技指導うけてないから当たり前)なので映画評論家から酷評されるのです。ももクロは現在女性アイドルグループではライブ動員数1位です。昨年は国立2日間11万人日産スタジアム2日間12万5千人(ライブビューイング含まず)1年半先のスケジュールまで決まってる多忙なももクロに映画出演させるため平田オリザのワークショップを受けさせさらに1月半スケジュール空け映画撮影したのです。彼女達の演技は映画の進行とともに上手くなっていってます。まだ成長過程なのです。演技がお遊戯会レベルかどうか5月にメンバー全員舞台に立ちますから、まずそれを観て上手か下手か判断してください。舞台は映画と違って編集ややりなおしできませんから実力が観れますよ、1か月毎日公演しますから下手だと言う人は観て再度判断してください。多くの名のある評論家や役者さんがこの映画を褒めてくれてます。高校演劇協会は全面協力してくれてます、今高校演劇は部員数が減少しているのです。この映画を観て一人でも多く演劇部に入ってほしいというのが高校演劇にかかわっている人達の願いです。この映画の良いところは無理に泣かそうとしていないところです、よくある不幸を売り物にしてお涙頂戴映画ではありません、不幸な身の上という設定を使っていません(がるるは母子家庭という設定だけど明るい家族)メンバーは中流家庭、少しお金持ち少し貧乏程度というフツーにある設定でウソくさくないのです。無理やり泣かせよう、感動させようとしていないのが素晴らしい。さらにイケメンが出てきません、今はやりの壁ドンが無いのです(志賀さんの壁ドンはありましたが爆笑でした)ジャニーズかエグザエルのイケメン出演させれば動員増えたのにあえて女子だけで青春映画作っているのです。本当にハードルが高いのでこれでお客さん観にくるのか心配でした。ネタバレしますが最後ももクロが走れを唄ってアイドルのももクロに帰っていくのが最高でした。この映画はももクロファンにはたまらなく楽しい映画です、次に高校演劇に関わっている、又は過去に関わっていた人達にも心に突き刺さるでしょう。最後に中学高校でクラブ活動に思い入れがあった人達も刺さります。一番心に響かない人達はクラブ活動に思い入れが無かった人でしょうね。
「普遍性」のある青春映画
とても素晴らしい作品でした。
普通の高校生が部活に打ち込む姿を淡々と描写し、それを積み重ねていくことによって、誰もが抱いている漠然とした不安や希望を見事に浮き上がらせています。
派手な見せ場や起伏に富んだストーリーはありません。特に変わった登場人物もいない。
あくまでも淡々と描いていることに共感できます。
だって、この世の中に生きている人のほとんどは、「普通」なんですから・・・。
だからこそ、敢えて結果や勝ち負けを描かないあのラストシーンは素晴らしい。彼女たちが“幕を上げた”ことが一番重要なのです。
これこそが「普遍的な」青春です。
多くの人が自分に置き換えて共感することができて、多くの人の胸に刺さる映画。
ももクロ(あるいは本広監督の過去作?)に、多分ゆかりがあるであろう人たちが大勢カメオ出演されていましたが、映画のクオリティが高いだけに、ああいう「サービス」は不要かなと思いました。
もっと、登場人物たちの交流を描いてほしかったという意味で、マイナス0.5ポイントにしました。
映画自体も演劇レベル。
「幕が上がる」見ました。
つまらない、笑えない、くだらないの三拍子が揃った快作です。とにかく人物の心理描写が薄い。学生たちが何で演劇をやってるのかはもちろん、悩みや葛藤なども全く説明されない。終始キャッキャして、ただ演劇するだけの映画だと感じた。そう思ったのも理由があって、これから述べていく劇中の”サプライズ”の連続が物語に集中させてくれないからだと思った。
言いたいことが色々あるが、まずはちょっとやり過ぎな豪華カメオ出演について。そりゃ天龍とか三宅アナや鶴瓶やシゲルマツザキが出りゃ「おっ?」てなるけど、物語に集中できない。と言うのも、ももクロ主演で学園モノを真面目にやることによる物語の説得力の欠如、これを覆して成り立たせるだけでも難しいと思う。そこにカメオ出演という”フザケ”というか、”ハズシ”を加えることに何の意味があるのだろうか?
あとは、ももクロを知ってる人にとっては彼女達の頑張りや、新たな一面を見られたのかもしれない。が、ももクロを知らない人にとっては、こんなものか...と思わざるを得ない。一番気になるのは、百田さんの”アイドル口調”。これは許せないし、演技をするなら絶対に矯正すべき点だった。ただし百田さんの雰囲気は素晴らしい。彼女がももクロのリーダーらしいが、それも納得の存在感や力強さ。でも一番目を引いたのは玉井詩織さんですね。彼女の演技だけは特に自然だったし、アイドルとしての現状は知らないけど、女優としてやっていけば大きく羽ばたくのではと思った。期待したい。
映画の設定については、どーしても言いたいことがある。青春映画に欠かせないものは、舞台がどこかという事だと個人的に思う。あんまり青春映画は見ないのですが、例えば「ピンポン」の舞台は湘南で、敷地の目の前に海があった。ピンポンではその海の近くという高校ならではの場面をプラスしていたし、あれは映画の空気を作る上で大切なだったと思う。「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」も然り。しかし、この映画では舞台がどこかの説明がないんですよ。だからこの子達がどういう所で生活してるのかが分からない。それが分かれば、もう少し彼女たちを理解できたと思うと残念。
そして思い出したくもないが、序盤からちゅうばにかけて百田さんが脚本執筆に行き詰まる?ところ。あそこで変なゆるキャラが出てきたり、ももクロの歌が流れなり、みんなが肩組んで踊ったりしてる。僕は目を疑った。ここまで映画の雰囲気をぶち壊す超展開は初めて見た。中島哲也の真似をしたのか知らないが、ちょっと正気とは思えない。やっとももクロ5人が揃った終盤もそうですよ。そこまで5人が話的にも画的にも交わらなかったのに、終盤でいきなり5人で集まるんですよ。5人だけで集まることに何の理屈もないし、雑にも程がありませんか?信じられない信じたくない。その直前だったか直後だったか、いざ県大会だか何かの時に
部員が舞台を作ろうとして、でっかい箱みたいなのを運び出すと同時のスローモーションと
語り。いや、その演出使うのはその一つ先の方が良くないか?本広克行の流儀は性に合わないのだろうか、私は...。
地区大会の後にファミレスでみんなでハンバーグを食べるところは無駄にクオリティが高かった気がする笑笑。最後のハピバソングのバラバラ感とかも何だか分かる。褒めたいのはその程度。すいません、映画の批評においてこういう事を言うのは御法度かもしれない。けどこの機会に言いたい。もちろん映画の感想なんて人それぞれだし、何点付けようがいいと思う。この映画において本気で5点満点を付けている人もいるのは分かる。そういった方々、不愉快に思ってしまったら本当に申し訳ありません。だが、そうじゃない理由で満点をつけている人がいるのでは?と思う。そしてその人たちの大多数は、この映画のレビューしか書いておらず、他の映画のレビューは上げていない。
ももクロが好きすぎて堪らない人は観るべき映画。そうでなくて、ちゃんとした映画を見たい人は他の映画を見ることをお勧めします。
素晴らしかった
ももクロの顔がもうご本人以外あり得ない、型のようなものができていて、それがキャラが立つということなのかな~と思った。皆さん可愛らしいのだけど、もう変な顔と言っても言い過ぎではないような個性的な顔になっている。悪口が言いたいわけではなく、一般の人に紛れてもすぐにあの子だって分かってしまう感じがした。
しかしこの映画ではごくごく普通の高校生を演じている。そしてその個性的な顔立ちが問題になっているわけではなく、普通の高校生に見えた。
特に驚いたのは、有安杏果ちゃんが普段は一番ひょうきんなのにお嬢さんみたいな転校生役で驚いた。でもとてもうまくはまっていてよかった。
ひたむきに高校演劇に対してまっすぐ取り組んでいるのが素晴らしく、涙が出るほど感動してしまった。
ただ、もうちょっと頑張ってほしかったのは、演じていた舞台がそれほどいいものに見えなかったところだ。どこがどうすぐれていたのか映画の中の実物として示されず、どうぞお察しくださいという表現にとどまっていたのが残念だった。ももクロの『銀河鉄道の夜』がどうだったのかぜひ見てみたかった。
先輩が東京で小劇団に入っていたのだが、岡田斗司夫さんみたいな人に配役と引き換えに体を求められていたりはしないだろうかと非常に心配になる場面があった。
日本の映画も捨てたものじゃない
奇抜な筋ではなく、王道と言える青春映画です。観ながら自らをなぞらえ、見終わった後爽やかな気持ちで映画館を出ました。
観初めは凡作かなと思いきや、夜の駅でのさおりと中西さんのシーンでグッときて引き込まれることに。
私は小説を読んでから映画を観ました。小説や漫画を映画化すると大抵不満が出るもの、それは小説の長さを2時間に収めなければいけないから結果ダイジェストみたいになりガッカリする事が多い。しかしこの作品は大変上手く映画化されてます。小説から内容を多少変えつつも本筋を外さず、テンポも絶妙で観やすかった。
ももクロの演技も段々上手くなっていき、物語の中の成長とリンクしていてリアルでした。また、実力派の役者の人達、先生役の面々演劇の女王・顧問・国語の先生が素晴らしかった。この3人がこの映画の骨子となっていたと思います。
アラ40の私には懐かしくも、まぶしく、爽やかな気持ちになれる良映画。最近観た映画の中では一番好きです!
足し算と引き算
私にとっては感動的な映画でした。
賛否が分かれるところとして、例えば以下の点が挙げられると思います。
・夢オチシーンが余分
・エンドロールで唐突なももクロ曲
・展開が地味、サクセスストーリーになっていない
・カメオ出演が余分
・黒木華登場までのももクロの演技は微妙
映画に限らず創作物は、いろいろな「足し算」と「引き算」で成り立っており、全部盛り込めばいい、とか全部そぎ落とせばいい、とも言えず、人によって評価が分かれるのは仕方ないかな、とも思います。
でも、これだけは言えるかもしれません。
アカデミー賞女優の黒木華に引っ張られた百田夏菜子は、最終盤で同世代の女優に負けない鬼気迫る心に残る演技をします。
騙されたと思って、観に行ってはいかがでしょうか。
演劇の本質&青春ぶっ飛び
面白い!そして泣いてる自分がいた!ももくろファンってことじゃないけど、ファンになりそう!5人が集まるところも自然でうまい。夏になる時の異常な演出は引き込まれた。そして、平田オリザさん原作。やはり演劇の本質をついてる。夢とか、青春。そうだよな。わかる。キャラたちが全員いきいきしてる。最後も全国大会が始まるところで、幕が上がる。素晴らしい!
青春映画
劇作家の平田オリザさんの初小説を映画化。
本広監督作品です。
ももいろクローバーZさんが主演ですが、
アイドルが主演ということで、
敬遠してしまうのはもったいない作品。
黒木華さんやムロツヨシさんの演技も見どころ。
本広作品に共通の特定の人向けのおまけが、
序盤多いですが、
それを除けば、
高校演劇という舞台での青春物語
演劇をやられていたり、
部活で青春を謳歌していた方は、
更に楽しめる作品だと思います。
キーマンである吉岡先生視点で作品が作られると、
自分の才能に限界を感じてしまった元演劇の女王が、
田舎に帰って、
教師となるが、
演劇部の学生たちとの交流により、
演劇への情熱を取り戻し
演劇の世界へ戻っていく復活の物語。
これはこれで観てみたい。
丁寧に作り込まれているが…
丁寧に丁寧に作品作りをされているのが画面を通しても伝わってきた。
ももクロちゃんたちの演技も過去のドラマなどのときよりも格段に上手くなっていました。
しかし内輪ネタが多く現実に戻される事が多々ありイマイチ作品自体に入り込む事が出来なくて残念でした。
チャイマゼロのシーンはハッキリ言っていらないと感じた。もし入れるのであれば、原曲をそのまま使うのではなく何かしらアレンジを付けてほしかった。
最後に流れる、走れ!もなぜフルで流さなかったか疑問。
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