「面白さの“波”は最後まで来なかった…クロエの魅力は除いて」フィフス・ウェイブ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
面白さの“波”は最後まで来なかった…クロエの魅力は除いて
映画ファンのアイドル、クロエ・グレース・モレッツがYA小説の映画化に主演。
彼女もまだティーン世代なので別に妥当なキャスティングではあるんだけど、何だか意外。
クロエ演じるヒロインがヴァンパイアと恋に落ちたり、管理社会と戦ったりするのではなく、突如飛来した謎の地球外生命体“アザーズ”の侵略で99%の人類が滅びた世界で、生き別れた弟を探す。
序盤のまだ平穏な日々では同級生の男子が気になる平凡だった女の子が、弟を探す旅の中で次第に逞しくなっていく。
キュートさ、タフさ、脆さ…クロエの魅力いっぱい。
特別ヒロイックにではなく、あくまで等身大なのも共感出来、実力の見せ所。
クリステン・スチュワート、ジェニファー・ローレンス、シャイリーン・ウッドリーらの例に習いYA小説の映画化に主演してさらに飛躍!…はこの作品ではちょっと無理かな。
スゲーつまんねぇってほどじゃないんだけど、味落ちのB級グルメ。
見た事ある設定・展開の寄せ集め。
第1波の飛来~攻撃、第2波のディザスター描写なんてエメリッヒ映画。
第3波はウィルス・パニック映画。
第4波の人に寄生しての疑心暗鬼は「光る眼」「遊星からの物体X」。
荒廃していく終末世界も、サバイバルも、軍の介入も、大人に利用される子供たちも、そしてやっぱりあった三角関係も、何もかも。
既存観もここまでくると逆に天晴れ。
VFXはこれと言って見せるものはナシ。世界的危機なのにスケール感にも乏しい。
最後の攻撃“第5波(フィフス・ウェイブ)”は一応捻りは入れたようだが、先読み出来てしまった。
本作の監督は「アリス・クリードの失踪」であんなにハラハラさせてくれたのに、スリルも今一つ盛り上がらない。SFは合わなかったか。
クロエの魅力で持ってる映画。
他のレビュー見ても大体同じ事書いてあるけど、本当にそうだからしょうがない。