「観応えは△聴き応えは〇」イントゥ・ザ・ウッズ clematisさんの映画レビュー(感想・評価)
観応えは△聴き応えは〇
前半は、面白いと評して良いと思う。
子供向けにされた童話ではなく、元の寓話のほうに近く描かれている印象。この点は個人的に高評価に値する。
登場人物は、物語の主人公だからといって徹底的に善人であるわけではなく、利己的な部分を持ち、人間味があって良かった。
後半は、正直、気持ち悪い。
物語の収束に向けて無理矢理に話を纏めている感じが否めない。
恐らく、この後半部分における登場人物たちの行動・決断がこの作品のメッセージなのだろうけれど、描き方が雑過ぎて上手く伝わってこない。
結局ラプンツェルの髪じゃなくて、とうもろこしのひげで済ませられるのはダメでしょう。
ベーカーの奥さんが死んでしまったのは(ディズニー映画で死人が出るという点で)ショック。
皆に責められ、逆ギレ的に魔女が消える展開はちょっとついていけない。
巨人の奥さんの救われなさと、彼女を殺すことに異議を唱えた赤ずきんちゃんを丸め込む理屈に違和感。
ベーカーとラプンツェルの兄妹設定は放置?
等々、物語が進むにつれて納得できない部分がどんどん出てきて、いよいよ興醒めであった。
シンデレラのエピソードは一番丁寧に描かれている分、一番面白かった。
ちなみに、概ね不評である王子の浮気も、英雄色を好むではないが「魅力」に最も価値を見出す人間のエゴとして、完全無欠のプリンスよりリアリティがあって個人的には好きだ。
もう少し丁寧に描いていたなら良作になったのではと思うが、大作ではあるがそうなり得なかった結果は残念。
歌と前半部分の評価で星は3.5。
補足(蛇足?)
他の人の感想を批判するつもりはないが、レビューを見ていて、低評価のなかで不当だなーと感じるものが何点か。
歌が冗長だ→ミュージカルと知らなかった?ミュージカルを見慣れてない?せいでは、と。
なぜこうなるか理解不能→そこは寓話通りなのだからこの映画に対する評とするのはどうかとor元ネタを近年のディズニーアニメだと思わないで欲しい。
例)ラプンツェルの涙で王子様の失明が治る
パロディ作品において、元ネタを知らない人でも楽しめるようにするのが制作者の技量だとは思うが、元ネタを知らない故の批評は観客の至らなさだとも思う。
とっても共感です。
ラプンツェルの髪じゃなくてとうもろこしのヒゲでいいのであれば、結局何でもいいんじゃんってなってしまいますよね
特にラプンツェルなんか最後いないし、存在意義が...