ヴィンセントが教えてくれたことのレビュー・感想・評価
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破天荒なオッチャンと真面目な子供の物語。ユーモアある台詞に笑い、最...
破天荒なオッチャンと真面目な子供の物語。ユーモアある台詞に笑い、最後は感動する作品でした。最後のスピーチ、あの子は天才子役か!?
ヴィンセントが教えてくれたこと
前半は、ぶっきらぼうで、一見優しさや気遣いには程遠い老人ヴィンセントだった。
しかし、後半から今に至っているまでの背景や、実は内に秘めた優しさを垣間見ることになる。
痴呆症で夫を認識できない最愛の妻のケアを8年間欠かさず続けていたり、面倒くさがっても娼婦やオリバーの世話は投げ出さずにきちんと取り組むところ等、人情味に溢れ出た部分に触れる。
人は、一概に外見や表面上の態度だけではその人を語ることはできない。
娼婦のナオミワッツだって、口は悪いけどヴィンセントの世話や看病等、後半は尽くしている。
愛を持って人に接するとそれはきちんと相手に伝わるものだというシンプルだけどとても大事なメッセージを感じることができた。
全体的に、本当に悪い人が一人もいなかったことが観ていてとても晴れやかな気持ちになる映画だった。
誰かに紹介したくなる作品。
この映画こんな泣かせ方すんの!?の術中にはまって大粒の涙
あらすじを読んで涙・涙のお涙頂戴的な全面ハートフルムービーとは思う事なかれ。ちょいワルオヤジどころか超悪ジジィのロクデナシ、全編その展開が逆にユーモラス。こんな老後は迎えたくないと。でもどこかキュートな裏表は無いキャラに魅了され、ラストシーンは・・え!この映画こんな泣かせ方すんの!?の術中にはまって大粒の涙。アメリカで口コミで拡大したのがわかる、人生って!?を考えたい人にお薦めです。
St. VINCENTという タイトルに繋がる 秀悦なオチ。
昨年、全米でわずか4館の限定公開から、
口コミで2500スクリーンに拡大。
そして興収4400万ドルの
スマッシュヒットを記録して、
ゴールデン・グローブ賞に
作品賞と男優賞のWノミネート!
こんな材料がそろったら、
もう観に行くしかないよ。
ビル・マーレイは
「ロスト・イン・トランスレーション」以来
パッとしなかったけど、
キャリアは確かに重ねていたね。
少年とダメ老人がふれあう、
ヒューマン・コメディ。
よくある題材だし、
アメリカ人はこういうの好きなんだなぁ
なんてくらいにしか思ってなかったけど、
いやいやこれがかなりの名作だった。
久々に見るビルは、
すっかりじじいで
お腹も出てハゲちまってたよ。
朝から娼婦と遊び、
呑んだくれで、金もなく、
ギャンブラーで、
セコくて自分勝手なヴ老人ィンセント。
観客には
ちっとも共感できない
頑固でイヤミオヤジな主人公を、
等身大のように演じていく。
シングルマザーの
少年オリバーと絡んでも、
なりふり構わない。
けどじわじわと感じてくる
ヴィンセントの魅力が、
中盤から観客を引き込んでいく。
ここで描かれている人物は、
アメリカでよくいる人たちだ。
軍で活躍したのに、
今じゃ仕事もなく理解者もいない。
孤独に押しつぶされそうな
毎日を送っている老人。
旦那から逃げてきて、
働きづめなシングルマザーと、
何もかも悟っている少年。
そんな設定で
米国スライスオブライフの
切ないリアリティがせまってくる。
脇役の名演も、
映画の奥深さを作り出している。
ナオミワッツの、
妊娠した娼婦がうまい。
さすが演技派女優だ。
こんな汚れ役をきっちりこなすプロの仕事に、
ため息だよ。
少年役はなんとデビュー作なようだ。
難しい立ち位置の役柄を、
丁寧に演じていた。
大好きなテレンス・ハワードが、
チンピラ役で出てたのも嬉しかった。
50年代から80年代の、
ヒットチューンも素敵。
少年がいじめっ子を倒した時に流れた
ザ・クラッシュのI Fought the Lawはスカッとしたし、
ラストカットでの気ままな時間で、
ボブ・ディランの
Shelter From The Stormも良かった。
一貫してヴィンセントの
好きな曲という設定なんだろう。
演出のカメラ割りや構図も、
いろんなところで工夫されているし、
俯瞰カットが多いのも、
いいアクセントになっている。
最後の秀悦なオチで
「St. VINCENT」の
タイトルの意味が分かる。
やられたーという良い裏切りの後で
感動が押し寄せてくる。
この映画のビルも、
バードマンのマイケルキートンも、
同世代だけど、
自分をさらけ出した
素晴らしい演技をしてるなぁ。
ふたりの次回作が楽しみだよ。
オリバーが助けてくれたこと。
クソ親父というより飄々としたダメ親父が似合うB・マーレイ。
どこか掴みどころのない態度が絶妙でこれは昔から変わらない。
今作では彼の持ち味を生かしつつ、少年との心温まる?物語に
仕上げようとしているが…まぁそんな一筋縄で治めるもんか、
と云わんばかりに成長しない人間(悲しいヒト)を巧みに演じる。
観終えて誰もが思うことだけど、え?ヴィンセントってなにか
教えてくれたっけ?^^;なのである。オリバー少年が、もちろん
学内発表の中で彼の人となりがなぜ聖人に相応しいのかを説明
してはくれるけど…そう云われても大して変わってないしな^^;
おそらく少年の目から見て、本当に人間らしい人間なのである。
まるで世捨て人のような生き方をしていることに、中盤までは
観客も反感を覚えるが、それがどこからきている行動なのかを
知ると途端に切なくなってくる。いや、切なくなったといって
彼を好きになることはないが…ダメ親父の悲哀に通じるのだ。
寄りそう少年を撥ね退け、その母親に悪態をつき、どこまでも
嫌われる方向に走り出す親父を、なぜか知らないけど周囲は
放っておかない。ストリッパー兼家政婦のN・ワッツの怪演も
お見事で、妙にロシア人に為りきっているのがなぜか魅力的。
アチラで大人気のM・マッカーシーがお母さんなの?と思って
観ていたら、オリバーは実は養子だったということも分かる。
結局のところ離婚して引っ越して親権を守るためせっせと身を
粉にして働いている母親に、いじめられたぐらいで相談なんか
できない可哀想なオリバーなのだ。そこで親父の奥の手が炸裂。
ヒトから金銭を巻き上げてはギャンブルで一攫千金を狙う男で
あっても「決して他人からの頼みを断らないところが聖人だ」と
オリバーが言うように、妊婦のストリッパーも、面倒な子守も、
彼は投げ出していない。その人間らしい優しさに気付く少年の
心が実は親父を助けてくれていたんだよ、なんて思うのだった。
(いじめっ子を助けてやったオリバーは偉かった。本当いい子ね)
背負ってる
始まりはまるでコントのようなビンセントの日常から描かれ、それで充分に彼を知った気になるけれど、人ってそんなに簡単じゃないんだと痛感する。
彼が子守りをするオリバーの母・マギーが泣きながら自分の日々、夫、子供について語り、ヴィンセントを非難する場面もあるけれど、そうなのだ。と思う。皆、自分の傷や自分の重荷で精一杯なのだ、大切な物をどう守るかで精一杯。
原題から物語の行方は途中から充分に予測もつくし、見えるけれど涙が出るのは何故だろう・・・それは、やはりヴィンセントを演じるビル・マーレイの存在感だろうか。
スポンジのように全てを吸収する子供は怖い存在だれど、子供も子供でしっかり考えている、戦っている、そして、精一杯背負っている。
もっと笑いたかった
子供の語りと音楽が素晴らしいのでつい泣いてしまったのだけど、安い涙であった。ヴィンセントの軍歴の後の人生がどうだったのか気になった。子供がいい子すぎて、何も心配がいらない感じで、彼ならヴィンセントと触れ合っていなくても大丈夫だっただろう。ヴィンセントもそれほど聖人とも思えなかった。
もっと笑いたかった。メリッサ・マッカーシーの無駄遣いというか、ナオミ・ワッツと入れ替わっていた方がよかったのではないだろうか。
途中けっこう退屈した。
おじいちゃんが走っているのを見ると本気で心配になる。脳梗塞は軽かったのだろうか、そんなに麻痺が残っていないようであった。
子供とメリッサ・マッカーシーは本当に養子だったのだろうか、それとも方便でそういっただけだったのか、気になった。
みんないい人
子役がいいですね。ちょっと大人びていて、でも、精一杯背伸びしたがる男の子の気持ちをよく表してました。
捻くれものの主役の表情がラストにかけてすこーし、柔らかくなっていくのも良かった。ほんと、嬉しそうに演じてるなぁと気がしてました。
みんな、それぞれで精一杯生きてるんだなぁと改めて感じさせてくれた映画でした。
久しぶりの秀作。おすすめです。
温かい気持ちになれる一作
聖人とは何か。
人の良い部分を見付けることが出来る素晴らしい心を持った少年。
温かく、優しい涙が出ました。
お気に入りの一作になりました。
アメリカでの最初の公開が4箇所だったとは思えない素晴らしい作品です。
品行方正ばかりが聖人じゃない
2015/09/07、TOHOシネマズ川崎で鑑賞。
正直、ラストはさほど感動しなかった。なんでだろう、いい話だと思ったんだけど、たぶん最後に感動させようと畳み掛ける感じがしたからかな。
オリバーの教師が授業で聖人とは何かを全編通して問いかけるんだけど、ヴィンセントのクズっぷりと対象にさせている。
粗野な性格は生まれ持ってのものみたいだけど、一緒にいるうちにヴィンセントの優しさやピュアさに気づいたオリバーがこんな聖人がいてもいいんじゃないかと気づく。そして色々と悪いことが続いてしまったヴィンセントに驚きのプレゼントをオリバーからもらって生きる力を復活させたようです。
しかしそこで急に良い人にはならない、今までどおり憎たらしい意地の悪い爺さんのまま。そこがいい。でもきっと心のなかには変化があったはず。
なかなか良かった
いい話だった。だが、なぜあんなダメ男になってしまったのかが知りたかったな。奥さんが元気だったころはあんなんじゃなかっただろうに。それとも、ベトナム戦争から帰還した直後からあんなだったのだろうか。彼は奥さんのためなら必死に働きそうだけどな。
好きです
映画のストーリーを読んだ時、どこか『菊次郎の夏』を連想させましたが、「ヴィンセントだよバカヤロー」とは言ってませんでした。
ビル・マーレイ、やっぱりカッコイイ❗️
『グラン・トリノ』のクリント・イーストウッドや、『クレイジー・ハート』のジェフ・ブリッジス然り、哀愁のある枯れた大人を演じられる俳優さんには、とても惹かれるものがあります。
シンプルな映画ですが、ちゃんと人間が描かれていて良い映画でした^ ^
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