劇場公開日 2015年9月4日

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「何ぞ、このドラマの真骨頂みたいな映画。」ヴィンセントが教えてくれたこと 幸ぴこリンさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0何ぞ、このドラマの真骨頂みたいな映画。

2018年5月29日
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泣ける

悲しい

幸せ

amazon primeで大した期待もせず、「お、ビル・マーレイ結構好きなんだよなあ」くらいの気持ちで視聴。予想の遥か上をゆく感動作で、不意を突かれたせいかラストのオリバーの学校の発表会ではティッシュを大量に消費してしまう結果に…。主人公の子役の演技がいいんだ、また。目に涙をためながらもまっすぐと大人を見据える瞳の強さがいいんだよ、これがまた。

よくあるような展開と設定の中に、幾つもの愛の形を詰め込んでそれを終盤に一気に紐解く演出。これぞドラマ!不良オヤジのヴィンセントが日々繰り返し煩雑にとってきた行動の中にたくさんの思いやりが隠れていて、それを皆がきちんと理解していた、というのがもう。オリバーの母マギーも仕事の忙しさや離婚する旦那の親権に対する強気におびえながらも息子に良い教育を、と日々考え気丈に振る舞う姿に母の愛が溢れている。メリッサ・マッカーシーの演技で泣く機会が訪れるとは思わなかったぜ。途中からどんどんツンデレ要素を振りまく売春婦の存在も憎めない。赤ちゃんが生まれた時の「もう、幸せったらないわ」のセリフ、最高にキュートだった。こんなちょっと汚い感じのナオミ・ワッツも悪くないね。

オリバーの最後の発表スピーチをぜひ、いっぺんのネタバレもなしに観て頂きたい。何気なく過ごす日々の端々に感謝を思い返さずにはいられない、最高の感動作だと思う。

幸ぴこ