劇場公開日 2015年4月25日

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「愛するがゆえの2人の希望」Mommy マミー eigaoh2015さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0愛するがゆえの2人の希望

2015年2月28日
iPhoneアプリから投稿

若き天才と称されるが、実はこのグザヴィエ・ドラン監督というのは25歳だからすごいのではなく、圧倒的なオリジナリティで人の心の襞を強く優しくグッと掴んでくるとんでもない監督だからすごいのだと思うのです。

ましてや俳優として芝居もして、オリジナル脚本を書き、音楽や衣装、編集まで手がけるという、ともすれば独りよがりのワガママ監督で作品もダメにしちゃうパターンが多いんですけど、ドランに限っては全部自分でやってる意味があるんですよね。

そんなドランの第5作となる『Mommy/マミー』を拝見。これ、観終わってからしばらく経つのですが、語ろうとすればするほど言葉が安っぽく思えてきちゃって、とんでもない傑作!というなんともストレートな表現しか出てこない自分を情けなく思うのです…。

息子を愛する母、父の分まで母親を愛する息子。遺伝子に刻まれた、"母と子"という究極の愛情が強いばかりに衝突を生みうまくいかない時も、愛の波長が合った時には解き放たれたような自由を2人は実感し、明るい希望の未来を夢見る。

でも、普通の幸せな暮らしを夢見た2人は、思いやるあまりに取る行動が空回り。どうしてうまくいかないのか。2人には愛しかないというのに。

愛するだけが、愛じゃない。2人が選んだ希望のラストに、ワタシは語る言葉も見つからず、感動という言葉では言い表せない鼓動をただ感じていました。

うーん、もっかい劇場で観る!!

eigaoh2015