「スクリーンサイズ」Mommy マミー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
スクリーンサイズ
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スクリーンサイズが1:1という、TVではちょっと鑑賞しにくい画面。アップになると表情がわかりやすいけど、どことなく絵画的であるのも面白い。
火災を起こして施設を追い出されることになったスティーヴ(ピロン)。最初から黒人のタクシー運転手とトラブルを起こし、職場についたダイアンは突然の解雇。普段は優しい子なのだが、注意欠如・多動性障害というスティーヴは時折暴力的になるのがやっかいだ。父親が死んでから一人で育ててきたが、今は子供向けの翻訳の仕事を見つけたダイアン(ドルヴァル)。
そんな中、隣人のカイラ(クレマン)と仲良くなるが、彼女もまた教師でありながら2年前から言語障害を患い、長期休職している。次第に交流が深まると、スクリーンサイズは普通のビスタサイズに戻るが、放火によって傷を負った家族から25万ドルを請求する訴状が届き、再び暗い1:1の画面に・・・そしてスティーヴがスーパーでリストカットして登場人物の心が揺れ動く。問題を抱えながらもドライブに出かけ、そこでまたビスタサイズになるという、心理描写をスクリーンサイズに投影しているのだ。
そんなスティーヴを結局は施設に入れる決断をするダイアン。母と息子の心理もよくわかるけど、実際に知的障がい者が身近にいないので隣人カイラの気持ちがより伝わってくる。
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