「悪人に見えない独裁者!」独裁者と小さな孫 Mt.ブルーさんの映画レビュー(感想・評価)
悪人に見えない独裁者!
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ヨーロッパ映画らしい?淡々と話が進みます。逃走劇なのですが、悪人に見えないおじいちゃんと孫のロードムービー。
本当、悪人に見えないんですよね。甲斐甲斐しく孫の世話をやく、おじいちゃんなんですよ。変装のカツラしてると、むしろ、ロード・オブ・リングのガンダルフに見えます。意図した演出なのかな?
前半は、コメディタッチで、むしろ微笑ましい雰囲気。その雰囲気は、全て純真無垢な孫の愛らしさからくるもの。本当可愛い。
しかし、逃走中に見えてくる圧政に苦しんだ国民の生の声、クーデターによる無秩序が生んだ悲劇を目の当たりにしていくうちに独裁者の心境の変化が、孫との会話や、難民とのやりとりから伺いますが、しかし現状は、何も変わらず、逃げるしかなくて、ラストを曖昧にしてるのも、何となくわかります。助かったのか、殺されたのか?
話的には、淡々と進むせいか、後半だれます。政治犯に出会ってから、家にたどり着いての悲劇は、短くしても良かったように思います。
後、ラストの群衆の中に一人だけ独裁者の助命を訴える者が居ます。
途中で一緒になった政治犯の一人で、いきなり言い出すのでなく、そういった演出が途中にあるので、まあ良いんですが、個人の感想としては、そういう思想でそう言っているだけで、感情が伴っていないと言うか、
人は、そこまで割り切れるものかと、思想なんて激情に流されてしまうじゃないかと。
つたない文章で、分かりづらくて申し訳ないですが、しっくり来なかった部分です。
長々と書きましたが、良い作品であるのは間違いないので、観て損はしません。
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