「社会の底辺を這いずりまわっていた男がのし上がる、爽快必至のサクセス・ストーリー!(白目)」ナイトクローラー たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
社会の底辺を這いずりまわっていた男がのし上がる、爽快必至のサクセス・ストーリー!(白目)
失業中の男ルイスが、事件や事故の映像をTV局に売るフリー・カメラマンとしてのし上がっていく様子を描いたサスペンス・ブラックコメディ。
主人公ルイスを演じるのは『デイ・アフター・トゥモロー』『プリズナーズ』のジェイク・ギレンホール。
ギレンホールは製作も担当している。
第30回 インディペンデント・スピリット賞において、脚本賞と新人作品賞の二冠を達成❗️
人生のどん底にいた男が、自らの信念を貫くことで栄光を手に入れる、現代の『ロッキー』と呼ぶに相応しい作品!
…ただ一つ『ロッキー』と違うのは、このルイスという男、クズの中のクズなのであるっ!
自分以外の人間など、露程も価値があるとは思っていない、完全なるサイコパス。
映画の冒頭からクライマックスまで、徹底的にクズ!
そして、そんな男がなんのお咎めもなく社会的な成功を収めるという、とんでもない映画っ!
だがそこが良い!!
「マスゴミ」なんて揶揄されているマスメディアの世界。その歪さを体現するかのような男、ルイス。
恐怖とは「本物にみえる偽物の証拠」であると言い放つこの男は、現場を荒らし、不法侵入をし、被害者の手紙を勝手に持ち出し、商売敵は物理的にぶちのめし、殺人犯を見つけてもトクダネのために放置するという悪魔。
彼の作る映像は表層的には真実だが、其の実作り手の意思が反映されている全くのフェイク。
フェイクから真実を作り上げているという表現が正しいか。
視聴者は表層的なものだけで判断し、ニュースの情報を鵜呑みにする。
これって現実の世界でも全く同じことが行われているよね。
コロナだの不倫だの政治だので、ワイドショーの過剰な報道に踊らさせている人、身近にも結構いるんじゃない?
結局視聴者はニュースにすら刺激を求めているんだよね。
テレビニュースの欺瞞を揶揄する一方で、ルイスはインターネットを使いビジネスについて学んだという。
YouTubeを観ていても、「年収を増やす方法」だの「成功者の思考」だの「成功するビジネスマンのルーティン」だのと自己啓発的な動画がゴロゴロしている。
ネット社会に蔓延する「資本主義こそ正義!」的な教えを完璧に吸収した男、それがルイス。
ライバルを蹴落とし、他人から搾取し、倫理観を捨て去ることで成功を収める彼の姿は、ブラック企業そのもの。ルイスみたいな目つきをした人間って、結構居ますよね…。
完全なるクズ野郎なのに、何故か彼の活躍を見ていると胸がすく思いがする。ダークな作品なのに何故か爽快感がある。
これは自分では出来ないことを軽々とやってのけ、目的の為に手段を選ばず、貪欲なまでに食らいつく彼の姿に憧れを抱いてしまうからだろう。
『ダークナイト』のジョーカーにも似たような感情を抱いた。
誰しもが、ルイスのように人生フルスロットルで生きてみたいという欲望、あるんじゃないかな?
資本至上主義的競争社会を皮肉り、視聴率至上主義のテレビニュースを揶揄し、ネットを鵜呑みにする奴らすらも嘲笑う完璧なブラック・コメディでしょうコレは!
ルイスとディレクターのニーナがいい雰囲気になっている、その間から彼らを見つめている映像の中の部下リック…。この構図完璧すぎる…!
本作が監督デビューであるダン・ギルロイさん、いきなりこんな映画作れるなんて一体何者っ!?と思って調べて見ると、この人個人的オールタイム・ベスト級映画『落下の王国』の脚本家じゃん!
この人天才なんじゃねぇの!?
ダン・ギルロイのセンス、個人的にビチっと合うようです。
信頼できる男ジェイク・ギレンホール。
本作でも最高の演技を見せてくれる。10kgほど減量したという彼の表情は、頬が痩けているのに目だけがギラギラしている。
三白眼を通り越してもはや四白眼。あんな目をすることが出来る人間が彼以外にいるのだろうかっ…!?
ホアキン・フェニックスと並び、サイコパスをやらせたら右に出るものはいないね。
本作のギレンホールはもう殆どジョーカーだったよ。というよりジョーカーより怖かったよ😨
素晴らしい映画だった!!
映像の美しさからシナリオの流麗さ、キャストの演技、音楽、全てにおいて言うこと無し!
最後のセリフ「自分がやらないことを君たちに要求しない!」を聞いた時、思わず拍手しちゃったよ。
もちろん、本作が合わないという人もいると思います。
人によってはルイスが胸糞悪すぎてムカムカするかも。
でも、個人的にはこういう善とか悪とか超越した変人大好き💕ジョーカーとか『家族ゲーム』の吉本とか。
お気に入りの映画がまた一本増えました〜♪
※
製作費:850万ドル(約9億円)
興行収入:5,030万ドル(約53億円)
…大ヒット!
たなかなかなかさん
ホントだ 👀‼︎
が、可能なら劇場で観たいと思います 🎞️
つい『 恋人 』、も検索してしまいましたが、目元が印象的なお似合いの美しい女性でした ✨
たなかなかなかさん
スパイダーマンでは悪役を 👀
スパイダーマン2迄は観たのですが、可愛らしめの1話目と異なり、なかなかホラーチックな展開になっていたので、ハリーポッター同様途中から観るのを止めました 😅
スパイダーマンの悪役、かなり悪い奴そうですね。。
たなかなかなかさん
ひぇっ!そうなんですね。
検索してみたのですが、過去鑑賞作、「 遠い空の向こうに 」( 爽やかな青春ストーリー 🌱 )、「 ゾディアック 」( 事件モノながら、犯人役ではなかったような。。記憶が曖昧 😆 )の2作品のみ、且つ全て録画鑑賞という 📺 💦
いつか劇場でギレンホール出演の新作を観ないといけませんね。
たなかなかなかさん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
過去鑑賞作のイメージを持って観始めたので( 作品の内容を知らないままジェイク・ギレンホール出演作という事での録画 )、荒みきったギレンホールの姿に、戸惑い気味の鑑賞スタートでした 👀
役者って凄いですね。
たなかなかなかさん
『 三白眼 』、『 四白眼 』、検索しました 😅
ジェイク・ギレンホールのギラついた目( ← 鬼気迫る演技 👀 )は、怖い程でしたね 👁️