「人生は長回し」バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) akrさんの映画レビュー(感想・評価)
人生は長回し
クリックして本文を読む
カット!してリフレッシュしたくても出来ない地続き長回しの主人公の人生。それは誰も同じ。栄光はいつかは呪縛に変わり、現在と未来をも影のように追いかけてくる。
そして、他己の評価と自己の追求の狭間の飲み込めない葛藤が狂気を生む。
テーマ性ならば、上記で充分だし、音楽や手法、構成を用いた表現が読み込めればいい意味で嫌というほど、伝わってくる。
特に鬱屈としてしまう前半と狂気を受け入れ始めた後半からの開き直りともとれる爽快さとは言わないまでもの快活さの構成の妙、ラスト付近の顔のディテールの妙。秀逸でしょう。
よく練られた脚本と、それを最大限、効果的に見せる手法、演出。音楽の心地良さ。脚本に沿わせた上で、説得力のある芝居。
これが素晴らしくなくて、なにが素晴らしいの?
欲を言えば、謎も含めた余韻を残し過ぎのラストのせいでカタルシスがもう少し欲しかったところ。
とはいえ、見応え、余韻、ふくめて、最高峰でしょう!
『狂ってやるよ!』てくらい自分を追い込んだ事のある人なら、共感できる傑作。
さあて、ラストの意味を妄想しよーっと。
コメントする