アメリカン・スナイパーのレビュー・感想・評価
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戦争って、心も壊しちゃうんだね・・・
ハッピーエンドの向こう側のエンディングが悲しい。それにもまして、戦争の恐ろしさがひしひしと伝わってきた。ベトナム戦争の頃は、戦争で心を病んでしまう人間は弱い人的なイメージが強かったように思う。「ディア・ハンター」のクリストファー・ウォーケンとか「バーディ」のマシュー・モディンとか・・・ でも最近の映画は変わってきている気がする。まぁ戦争自体も変わってきているから、そうなったのかもしれないが、でも誰だってあんな緊張感が続く極限状態の中で、時を過ごしたらおかしくなると思う。おかしくならない方が、却って怖い。ちょっとしたことで爆発してしまうんではないかと思って・・・ クリスは一生懸命自分で努力して、元に戻ろうとしたと思うし、「伝説」と呼ばれること自体重荷だっただろうと思う。同じ境遇の人を助けようとしていたのに、あぁ、それなのに、それなのに悲しすぎる。やるせなさすぎる。声高に戦争反対を訴える映画ではないが、戦争の怖さが胸に突き刺さった。戦争はいやだ。
映画「アメリカン・スナイパー」の感想
日本公開2015年2月21日、監督はクリントイーストウッド。脚本はジェイソンホールで、原作はこの映画の主人公のクリスカイルです。自伝的な戦争映画です。
はじめに、戦争を支持する映画だとかで、保守とリベラルが論争していたらしいが、全くナンセンスで、この映画のテーマはイラク戦争従軍兵士の(イラクでの、アメリカでの)苦悩であり、支持する支持しないかの話でないと思います。
子どもを持つ親が子どもを殺すことのショック、仲間が次々と死んでいく怒りと悲しみ、いつ狙われるかという恐怖。家族のもとに戻ってからも、戦争経験がトラウマとなり付き纏う。これらは一般的な従軍兵士たち苦悩を描いているのであって、クリスカイル対する評価を映画で行っているわけではないと思います。その点からクリスカイルを美化しているとの意図も感じられません。
ただし、この映画には戦争映画のエンターテイメントな点はあります。建物を囲む敵への応戦するシーンはそういう意味で若干軽いような気がします。軽さで言うと、最後の銃弾アップは「他無いの?」という演出でしたが、それでも狙撃者同士の戦いはカッコいいですね。
この作品全体を通して、勿論イラクも行ったこと無いですし、戦争経験もありませんが、このイラクの雰囲気、銃弾飛び交う戦争の様子は、現実味が感じられ、緊張感、重厚感があって素晴らしいと思います。アメリカ兵たちのマッチョもいいです。
一見、愛国心が志願の動機としては描かれていますが、根底には父からの教えであり彼の「狼から羊を守る番犬であれ」という信念によることがわかります。正にアメリカ的発想。狼である敵もまた違う羊の番犬でであること、そのことを敵スナイパーにメッセージとして持たせています。その点は好印象です。
主演男優の壊れていく姿はゾッとしますし、これを演じる技量は流石と言ったところ。率直な戦争映画はいつでも恐ろしいです。
最後に、この映画が他の戦争映画と一線を画すのはラストです。現実の出来事で、このようなラストにせざる得なかった、その事件がこの映画のテーマと皮肉にもピッタリと合ってしまう。恐ろしい映画です。
イラク戦争の正当性を考えなければそれなりにいい映画
戦争の痛々しさが感じられる
クリス・カイル氏の自叙伝”アメリカン・スナイパー”を原作とした作品...
クリス・カイル氏の自叙伝”アメリカン・スナイパー”を原作とした作品です。
アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの狙撃手として、イラク戦争において160人もの敵を射殺し、ラマーディーの悪魔と呼ばれた伝説の人物。
しかし、その心は戦争に囚われ、幸せだったはずの家庭に馴染めず、人として何かを失っていきます。
退役後は、自身の心と家族を少しずつ取り戻し、同じ境遇の兵士達の手助けに尽力するようになります。
現役兵の任務と心情、退役後の人生をリアルに描いた作品です。
原作、脚本、監督、俳優、編集、映像、美術、音響、撮影。どれを取ってもこれといったスキの無い作りです。
全体的に高い完成度で仕上がっていて、最後まで集中して観る事が出来ます。
特に音の使い方が上手いと感じました。
冒頭の戦車の走行音が徐々に高まっていく部分などは、観客の心にも何かザワつきのようなものを感じさせる上手い使い方だと思います。
そういった工夫というか使い方や使い所の上手さは、秀逸と言えます。
単純にBGMを流して感情を煽るような陳腐な使い方をせず、的確な音響でリアリティを追求していました。
主演のブラッドリー・クーパーの演技も注目です。
主人公がカウボーイをしていた時、兵士訓練、戦場、家庭と変化する状況の中、クリス・カイルという実在の人物の心情をしっかりと伝えています。
映像は出来るだけ現実に基づいた形で作られている印象があるので、派手さはありません。
そもそも狙撃手ですし、基本的に民家を索敵、捜索しながら地味に進んで行きます。
ですが、それがリアリティとなり、観る者の現実と戦場の現実が重なっていきます。
戦場では狙撃手は絶対に相手に捕まってはいけないと聞いたことがあります。
どの戦場においても捕まった場合、捕虜になることは稀で確実に殺さるためです(理由は検索してください)。
そんな立場の人間が自ら4回も戦場に赴くというのは、兵士と言えども過酷な現実だと思います。
作中では実際に、4回目の召集の際には何人かの隊員が辞退したという話も出てきます。
日本の戦争映画などを観ていると、一度戦争に行ったら終わるまでは帰れないというイメージがありますが、
現代では一つの作戦が終わると帰国して家族と過ごせますし、戦地でも衛星電話で家族と話せます(知ったときは驚きました)。
そのため、戦地と家族との生活のギャップが色濃く描かれています。
個人的には、この往復は精神的にキツイような気がして、兵士がPTSDを患う一つの要因になっているのではないかと感じました。
実在のヒーローという表現をしていますが、それはアメリカ側の言っている事であり、単なる人殺しだという見方もあると思います。
そのためか、なかなか賞を取る事は難しかったようですが、映画作品としては充分に賞にも値する出来です。
単純な戦争映画やヒーローものといった枠では語れない、観客がその余韻の中で何かを感じる、感じずにはいられない作品だと思います。
特典映像は少し長めですが、作品が良かったと感じたら是非観た方が良いと思います。作品への理解がより深まります。
戦争って
映画史上稀に見る緊迫感溢れる戦場。 自分の鼓動すら騒音に思えるくら...
よく描けている映画であった。現実の結末がストーリーに大きな重石を置...
同じような題材の映画で【ハート・ロッカー】の方が 戦争の悲惨さ、主...
いかにもアメリカらしい映画
面白いです。が・・・
アメリカのこの手の映画にはどうしてもプロパガンダ臭がしてしまいます。史実をもとにしているからなおさらです。
「イラクのテロリストからイラク人を解放する聖戦」といった感じです。途中悪人が子供を拷○するシーンがあるのですが「このへん盛ってるんじゃねーの?」って思いました。
家族や友人もいるであろうイラク兵は野蛮人、戦闘地域に残っている市民は武器を隠し持つ卑怯者扱いです。
戦争モノとしては×です。これが中立なわけがない。
人間ドラマに関してはほんとに素晴らしいです◎。戦場から戻ってきた兵士が家庭や社会で背負う苦しみなどがヒシヒシ伝わってきました。周りから英雄扱いされて複雑な心境に陥っている主人公もいい感じでした。
いきなりテロの犯人扱いされ、銃口を向けられたイラクの人々への配慮があればなーと思いました。テロは恐らく自作自演、大量破壊兵器も結局無かったしねぇ。
この映画を批判するやつは逆に批判されるみたいな風潮ですが自分はあえてボロクソ書かせていただきました。観る人によって意見が分かれる映画だと思うのでぜひ色んな人に観てもらいたい映画だと思います。
一人の兵士の物語
ただの戦争映画では無く、それ以上に戦争に行った兵士の心情とその周りの人の心情がより一層この映画を良くしたと思う。
仲間のために引き金を引いて人を殺して、仲間を救っいるとはいえ人を殺しているということに変わりはなくて、救われた側からしてみれば英雄かもしれないが他人からしてみれば決してヒーローではないように思えるけれど、この映画の中ではけっして戦争を賛美しクリスを英雄にしているわけではなく、反戦であるというのがとても伝わってきた。
ブラッドリー・クーパーの存在感がとても凄かった。
以前観た作品ではあんなにも大きな体ではなかったから、この作品ではとても迫力かあってただただ圧倒的な存在感でとても現実味を与えていたと思う。
全編を通して常にいろいろと考えさせられたし、観ていて辛いシーンも多かったけれど、目を背けてはならない現実でとても深い作品になっていた。
どれだけ戦争で戦ってきても、その最中でも最期まで父親であることを忘れていなかったのはとても感動した。
ほんとうに身近にはない話のようだったけれどとても考えさせられる話だった。
人殺しがヒーロー?
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