アメリカン・スナイパーのレビュー・感想・評価
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クリントな150分間
くさい。
クリントイーストウッドがディレクションをする映画に共通してあげられる特徴。もっと適切な表現がいくらでもあると考えられるけど、あえてこの言葉で言いたい。くさい!そして、それは小手先ではなく、彼なりの視点からぐっと抽出された、人間の奥の方に眠る言葉にできない感情をより分かりやすく、より多くの人に訴えかけられるように表現したからこそ、得られるものだ。
本作品に関してはその《くささ》に加えて、オープニングからエンディングまで緊張感が張り詰めており、休まる暇がない。上映終了後、いつの間にか自分の肩に力が入っていたことに気づいた。
わかりやすいストーリー展開のもと、わかりやすく登場人物の感情が描かれている。ただのアメリカ万歳の映画ではない。と信じたい。
個人的には、普段のイメージと違うジョナサングロフが見られてよかった。(そこかい!笑)
もう少し主役が伝説と呼ばれること=何人も射殺していることに対して、どういう風に考えているかを深堀りして欲しかったので、☆一つ減らして評価は☆4としたいと思います。
考えさせられるが…
やっぱりイーストウッド・・長く感じる!
クリス・カイル
PTSD
音楽の無いエンドクレジット…。
観賞後のなんとも言えない重たさ…。
本作はエンターテイメントを求める人には不向きな作品だろう。
そこにあるのは戦争によって心が壊されていく人間の姿だから…。
音楽の代わりに観客が聞かされるのは戦場に鳴り響く銃声に次ぐ銃声だ。
伝説の狙撃手として英雄視されている主人公の心が戦場での体験によって少しずつ破壊していく様を観客もまた疑似体験させられる。
なんとも重い重い作品だ。
イーストウッド監督らしい作品と言えるだろう。
過去作品で提議してきたことを全部乗せたような作品だと感じた。
例えば『許されざる者』では、正義ってなんだ?正義だからって人を殺しても良いのか?ということが提示されていたと思うし、『父親たちの星条旗』では“戦争に英雄なんていないのだ“と言うことを、そして同監督の集大成とも言われた『グラン・トリノ』でのPTSDの問題など、過去作それぞれに込めたテーマの全てが本作には詰まっている気がする。
年齢的にも監督としてある意味もう集大成に入っているのかも知れない。
そして迎える衝撃のラストは事実だけに考えさせられてしまう。
この間違った戦争のはずのイラク戦争で、英雄とされた主人公もまたこの戦争の犠牲者なのだ。
本当の敵、本当に悪いのは誰なんだ?
劇中蛮人呼ばわりされていたイラクの人たちが悪いとは私にはとても思えなかった…。
本作はエンターテイメントとしては楽しいと言える映画ではない。
なので☆は3つ半までにしておいたが、もし本作を《戦争を考える》と言う括りの中で考えたなら☆は5つだったろう。
私はこれこそが“戦争映画“であり“反戦映画“なのではないかと思う。
ただし、良く考え、解釈することが大切な映画でもある。
良くできたプロパガンダ
迫力満点の戦争映画だが、Based on true storyとあるのは問題。事実は映画とかけ離れている。クリス・カイルの発言:
-「ハリケーン「カトリーナ」後のニューオーリンズのスーパーの屋上から略奪者30人を射殺した」(本当だったら、それも問題だろ)
-「任務は好きだった。家族の制約が無いとか状況が違ってたら、戦場に戻っていただろう。嘘や誇張無しに、任務は楽しかった。SEALであったことは人生最高の経験だった」(狙撃には何も呵責は感じていなかった)
本作が政治宣伝映画と非難されている最大の問題点は、9・11とイラクが関係あるかのように描かれているところで、観客にイラク侵攻がアルカイダ掃討のため、正当性がある戦争のように思わせることである。この問題を指摘したSEAL出身のミネソタ州知事のベンチュラ氏とは訴訟に発展し昨年7月にベンチュラ知事の勝訴180万ドルの支払を命ずる判決が出たが、妻タヤは控訴している。
スナイパーの心情が丁寧に
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