「ただひとつ確かなことは、命の大切さ。」アメリカン・スナイパー 1799さんの映画レビュー(感想・評価)
ただひとつ確かなことは、命の大切さ。
ブラッドリー・クーパーの演技がすごい。
狂気さえを感じるほどの、戦争に参加することへの執着心。退陣したあとの、「普通」ではない感覚。言葉はなくとも、姿形だけで、視聴者に伝わります。
戦場の緊迫した雰囲気、銃声の鳴り響く音。まさに、リアルな戦争を目撃した気分です。
しかし、あくまでも映画。これはリアルなようで、決して「リアル」ではありません。
果たして、クリス・カイルは本当に英雄なのか?
この映画を見て様々な意見が飛び交っています。
ただひとつ、確かなのは、やはり戦争はすべきでないということではないでしょうか。
米兵に銃を向けるだけで、たとえ兵士じゃない住人であっても、その瞬間に殺されるのが戦争。
そうやって人が殺されるのを何度も見ていると、最後には慣れます。
特に、この作品では敵と味方の構図がはっきりしているので、だんだんと敵を倒すことにゲームのような感覚を覚えました。
いけいけー!みたいな。
そんな自分の感覚が鈍ることが、少し怖く感じました。
この映画は、本当にいろいろなことを考えさせられる、ひとつのきっかけになり得る作品でしょう。
先述したように、構図がはっきりしているので、展開もわかりやすく、そのさきが気になり、見入ってしまいます。
ただ、残虐なシーンもあるので、だめな人はだめかもです。レイトショーで見ると、本当に気分がズーンと沈みます。残虐な場面がフラッシュバックします。私はそうでした。
それでも、ひとりでも多くの人に見てほしいです。それだけの価値がある映画でしょう。
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