「戦争に殺されたカウボーイ」アメリカン・スナイパー ko_itiさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争に殺されたカウボーイ
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前作がトリッキーな作りなのに、そうは感じさせなかったのが逆に「凄い!」と思ったが、今作はいつものイーストウッド。
いつもの、というのはストーリーをシンプルにして人物のみを描いてゆくところで、必要でないものはいっさい入れない。過剰な音楽も派手なカメラワークも、そして、“こうだ!”というメッセージとかも。これみよがしなところは絶対にしない。いつものイーストウッド。『アメリカン・スナイパー』はそんな映画だ。
カウボーイという日本でいう侍と同じ強さの理想を心情とする主人公が現実の“戦争”によってどう変化してゆくのかをだけを描いているだけだ。
だけだ。だけど「それで充分じゃないか」がはっきりと伝わってくる。そして、それはまだ「終わっていない」のだ。
伝説の男は戦場での体験と今の生活に折り合いを付け始めた頃、戦争の影に殺される。
エンドロールの無音は「終わっていない」ことへの問いかけなのだろう。
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