「イーストウッドがまたやった。」アメリカン・スナイパー mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
イーストウッドがまたやった。
ちまたでは「巨匠」と言われたりもしているクリント・イーストウッド監督。確かに年齢等を考えると、そう言われるのも仕方がないのかもしれない。
巨匠がとらえる戦争は、いつもずしっとこたえる。
リアリティあふれる戦闘シーンは、退役軍人の戦後を思うと、アドレナリンを出して興奮するばかりではいられない。
なにも映っていないTVの前に座って、さも戦争映画を観ているかのような佇まいはただ事ではない。
国を守ることが戦うことだけではない、と気づいてからのクリス(ブラッドリー・クーパー)をもっと観たかったけれど、妻子の幸せそうな姿がそれに代わる。
ラストカットは、クリント・イーストウッドが時折見せるミラクルショットである。クリスの結末を知っている我々は、そのミラクルショットに戦慄を覚えずにはいられない。妻もまた戦後なのである。
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