パレードへようこそのレビュー・感想・評価
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●皆さんがくれたのは、お金ではなく、友情です。
やられた完全に。油断した。最後の最後で号泣だ。後半、内部分裂が起こって、正直すこし間延びしかけて、どう終わるんだろって思ってたら。
これが実話ってのが、またひっくり返る。ダビデとゴリアテ。ゲイ&炭鉱労働者とサッチャー。うーん。ゲイが出てくる映画の質の良さよ。最近みる映画は、マイノリティ系がホントいい。”Victory to the minors!!”やっぱマイナーはよい。半官びいきなのだ。"Bread and Roses”を歌い出すくだりは最高。
「皆さんがくれたのは、お金ではなく、友情です」
歴史とは勝者が築き上げたもの。長らくゴリアテの成果が教科書に載ってきた。サッチャーはたしかにスゴイ。しかし民衆の時代は加速する。その裏で虐げられたゲイと炭鉱労働者。ネットや映画で弱者に光があたる。
なんて難しい話の前に、行動した人たちを単純に尊敬する。ゲイのマークが炭鉱労働者を救おうとする、その心意気。その視野の広さ。スゲエ。人として。世が世なら大革命家だ。ベクトルが違うだけで、間違いなく彼は歴史を変えた。ゲイに募金されても・・・って、ウェールズの生粋の炭鉱労働者が拒絶するのも理解できる。そこを乗り越える両者は、真の目的をしっかりもってブレない。
どの時代も、どの組織も、抵抗勢力はいる。これを乗り越える力強さ。人知れぬ彼らの想いが歴史をつくる。炭鉱労働者は、その恩を決して忘れない。偏見なんて吹き飛ばす。
役者たちもいい。個人的には、シアン・ジェイムズ役のジェシカ・ガニングが好きだ。思ったより'80songはイギリス系中心だったけど、リーゼントたちが時代背景を物語っていて、それはそれで好きだ。原題がParadeでなくPrideなのは、ゲイ・プライドを意識してるからだと思う。邦題は微妙にみえるけど、ラスト観るとこれはこれでアリかなと。
闘うゲイとレズビアン
炭鉱労働者のストライキを支援しようとするゲイとレズビアンを描いた映画。
宗教観もあるし同性愛を禁じた法律が戦後も長く残っていた国だけに、80年代であっても相当な反発や嫌悪があったのはわかる。ただ、その壁を崩したのが音楽とダンスというのがイギリスっぽくていい。
ゲイの若者がカミングアウトし自立しようとする姿と、労働者の妻であった女性が社会進出に目覚めていく姿はとても感動的。
虐げられた者同士の連帯は美しくもあり力強かった。
原題がPrideで、邦題がパレードへようこそ。原題がしっくりくるだけにもったいない。
イギリスはやはり先を行く
日本人には馴染みのない動機。どうしてテレビ見て突然炭坑夫
たちのために募金だ!なんて立ち上がれるのか。どうも共感薄だなーっ、なんて観ていたが、そう思うとこからすでに、自分は遅れているのだと気づくことになる。ああいう青年たち、中高年たちのバイタリティーを日本人ももっと持たなきゃいかんのだな、と痛感。実話というんだから、なおのこと訴えてくるものがあった。
誇りを持って生きている人は美しい
1984年サッチャー政権下での炭鉱ストライキで炭鉱夫たちを支えたのは、レズビアンとゲイの支援団体だったという話。
どちらも国から見放され、虐げられているという思いは一緒だという思いから始めた支援運動。
彼らの心の交流にすごく感動した映画だった。
たとえ、どんな人生を生きていても、誇りを持ち、自分らしく生きている人は素晴らしい
そう思い、元気になれる映画。
笑って泣いて楽しめるオススメの作品。
見知らぬ友
自分と違う生き方や考えを持つ人に対して、人は懐疑的になります。そしてそれは時として「差別」や「排他」に繋がります。でも、「私」を苦しめているのは本当に彼らなのでしょうか。苦しみを生み出す本質に気がついていないのは、「私」なのではないでしょうか。
そして、苦しみを生み出している本質と戦う時に「私」は誰に応援して貰えば良いのでしょうか。
それは、自分とは違う生き方考え方の「見知らぬ友」そのまた「見知らぬ友」かもしれません。「見知らぬ友」とお互いが抱える苦しみを共有し「私」が「私達」となる時に、応援は応援ではなくなり、変革になるのです。
私も「見知らぬ人」を増やすのではなく、「見知らぬ友」を世界中に増やしたい、そう思いました。
やっぱり炭鉱ものにハズレはない…
炭鉱ものは絶対観てしまいますが、これも良かった〜。
展開は読めるけど、読めてもじんわりきてしまいます。
強い偏見もってたって、魅力的なものには人間惹かれて
しまうもんで…ジョナサンのディスコ・リバイバルは圧巻!
ビル・ナイが好きなのですが、また、これが
いい味出して…。
終盤で、食パンを延々と切るシーンがお気に入りです。
歴史を知る
久々にDVDを購入。1984年に起こったロンドンのゲイたちが炭鉱労働者を支援をするためにLGSM(レズ・ゲイによる炭鉱夫支援グループ)を結成する実話。困難に立ち向かう者同士が目的は違えど手を取り合い理解しあい、水と油が混ざっていく様が素晴らしく感動し、心がほくほくして涙がとまらんかった。排除するのは簡単なこと。受け入れて理解しあっていくことが素晴らしい。
無知な自分が恥ずかしく、サッチャリズムについても学ばねばと思いました。
感動させようとするのではなく、現実の厳しさもところどころできっちり描いているところがとてもいい。
常識が正解だなんて限らない。自分の思いや生き方を貫いて生きることは素晴らしいと教えてくれる映画。
大好きなザ・スミスやカルチャークラブにヒューマンリーグ、デッド・オア・アライブにソフト・セルが劇中では流れ続けて音楽も最高!!
手を差し伸べること
同性愛者の差別をなくす活動をする一人の青年の一言から、炭鉱労働者への寄付を集める活動が始まった。
最初は同性愛者やよそ者に対する差別があった炭鉱の町の人たちも、ともに寄付を集める活動をする中で、仲良くなり、同性愛者のパレードを支えた。お互いに話をすることで、生き方を変えて、政治家になった女性もいた。
この映画は、まさに、活動の旗印になっている、手と手を取り合い、助け合うことの強さや幸福を、観る人に伝えてくれる。
手を差し伸べることは、1人から始められる。1人の親切から、大きな助け合いになるところが、素敵だと思った。
よかった
ゲイがテーマの作品に対して、オレはゲイではないので、本当ところ彼らの気持ちを理解できず、しかしそんなことでいいのかという問いをつきつけられる気持ちになる。『チョコレート・ドーナツ』は自分の抱える問題と重なる部分があってすごく感動したのだけど、この映画はあまりそういう気持ちにならなかった。ただ、差別には加担しないようにしようという気持ちになる。
イギリスはボーイ・ジョージやエルトン・ジョンが人気者だったのでそんなひどい差別はないのかなと想像していたのだが、そうでもないようだった。炭鉱町のおじいさんがゲイであったとカミングアウトするところが衝撃だった。
炭鉱の作業だって、ブルーカラーでいい思いをしているわけではないのに、それでもゲイを差別する人がたくさんいた。辛い思いをすると人の痛みが分かるようになるとは全く限らないのだった。
コンサートの最中、主人公とキスをしていた相手が誰だったのか気になった。シルエットで描かれていて、はっきり明示していなかった。
ヨーロッパとアフリカ
ウエールズ地方の炭鉱夫たちのストをロンドンのゲイが支援したという事実に基づく物語。
偏見や文化の違いを乗り越えて連帯へと向かう様子が、80年代のファッションや音楽にのせて描かれている。ゲイの一人がディスコのダンスを披露することで、炭鉱夫との気持ちが通じるところは音楽というものの力を感じさせる爽快な場面だ。
この時代、イギリスをはじめとする西ヨーロッパの国々は左寄りの政治経済が行き詰まり、サッチャー政権による改革が強引に進められていた。この社会経済の改造の中で犠牲を強いられた人々と、来るべき同性愛者の自由を求める人々が連帯する姿は、当時のイギリスが迎えていた大きな変革期を象徴している。
エピローグでは、登場していた炭鉱夫の妻が、この運動ののちにその地方で初の女性議員になったことが紹介される。女性の社会進出、多様性などでは先を行くイギリスにおいても、保守的な地方ではそのようなものかと知らされる。
同じ時代、アメリカのポップシーンでは「Save Africa」と叫んでいた。あのアメリカのスターたちのアフリカへの接し方や眼差しのあり方はともかくも、多くの観客が、現在も変わらぬアフリカの衣食住全てに事欠く状態を知っている。
しかし、ストライキ(これは労働者の確固たる権利である!)をしている間も、ビールや缶詰、そして家族で安心して眠れるベッドには不足しない炭鉱の村は、アフリカのような困窮とは無縁だ。これは、この後おとずれる東ヨーロッパやソ連の体制崩壊の時にも抱いた印象と共通のものだ。
このような、懐疑的な視線にも関わらず、その物語に引き込まれるのはキャストの存在感による。イギリス映画を観るたびに思うことがある。美男美女など一人も出てこないのだが、スクリーンに映し出される人々への興味が尽きないのだ。映画のお国柄と言ってもよいかもしれない。
Pride
原作タイトル、Prideがしっくりくる内容だった。
私がLondonに住んでいた90年代は、ゲイの人たちは普通に生活しているように見えたけれど、80年代にはあのLondonでさえ、ゲイに対する差別が激しくて風当たりが強かったのだと知って驚いた。
いろんな形の友情や愛情、心温まるシーンやセリフ。全体的にとても楽しめた。
Life is short! Have pride!
心に留めておきたい。
みんなそれぞれの場所、それぞれの人生で、誇りを持ってしっかり生きている。
私も人生後半戦だけれど、残された時間をしっかり生きたいと思った。
ゲイと一緒に闘えますか?
実を言うと、イメルダ・スタウントンが出演している、というだけで、観に行った作品です。この何の変哲もないおばさん(失礼)が主演した「ヴェラ・ドレイク」(監督マイク・リー)という作品を見て、僕はノックアウトされたのです。人懐っこくて世話焼き、親切を絵に描いたようなご近所のおばちゃん。その人が、こっそりと望まれない命の処分をやっていたとは……。
ちなみにこの作品、2004年のヴェネチア国際映画祭、金獅子賞に輝いております。
そのイメルダ・スタウントンが出演する本作。意外にも彼女の出番は少なかったですね。ちょっとがっくり。
物語の舞台はサッチャー政権下、1984年のイギリス。この「鉄の女」と呼ばれた首相がどのような政策を行ったのかについて、やや予習の必要ありと感じました。
ロンドンのゲイやレズが集まる団体が、炭鉱町である、ウェールズ地方の労働組合と団結し、偏見や差別、そしてサッチャー政権と闘うというストーリーです。
そもそも、なぜ、ゲイやレズの団体が炭鉱町と共闘しようと思い立ったのか?
その辺りが案外あっさり描かれておりまして、もう少し、強烈な動機の提示が欲しかった気がします。これは事実に基づいたお話なのだけれど、意外に説得力に乏しい気がしますね。やはり、労働運動はなるべく多くの人を巻き込む方が効果的。だけど、その支援を申し出てくれたのが、まさか「同性愛者の団体」であったとは? これには労組側も頭を抱えるわけです。果たして、支援を受け入れていいものやら? こうした支援される側、炭鉱町労組の人たちの戸惑い、混乱ぶりはよく描けていたように思います。
ところで、イギリスの映画を観るときに気をつけておいた方がいいのが、みなさんご承知のとおり「お郷」の問題。これはイングランドのお話なのか? それともスコットランドなのか? はたまたウェールズ地方なのか? 僕たち日本人は「イギリス映画」と一括りにしますが、イギリスとは、それぞれのお郷が集まった「連合王国」なわけですね。本作の舞台でもあるウェールズ地方の人たちの発音をよく聞くと、おもいっきり「訛っている」ことに気付かされます。そういう違いを見つけながら鑑賞するのも、洋画の楽しみ方の一つかと思います。
さて、同性愛者への偏見を持たないで付き合えるか? 色メガネで見ない、と断言できるか?と自分に問えば、僕もやっぱり100%偏見がないわけじゃない。ちょっと、身構えちゃうわけですね。ましてや、親の立場から見れば、手塩にかけて育てた自分の息子が、”実はゲイだった”となれば、ご近所や世間に対して一家の面目丸つぶれになりかねない。本作で同性愛者団体の一番若いメンバー、ジョー(ジョージ・マッケイ)がまさにその典型。優等生ですくすく育ち、思春期にも、親に反抗らしいことをしたことがありません。その彼が、まさか”ゲイ”の団体で活動していたなんて。ジョーにしてみれば、まさにこの”ゲイ”への偏見と闘うことこそ、大人への階段をひとつ上る行動だったのでしょう。しかし、その未来には「普通の」「ストレート」の人が上るより、はるかに厳しい階段が用意されていることでしょう。本作は主にこの若いジョーの成長に寄り添うような視点が多用されております。イメルダ・スタウントンという、あまりのビッグネームに当初は目を誤魔化されてしまいそうですが、若いジョーの成長と自立という面から、本作を鑑賞すると、また違った評価ができそうです。
なるほど。考えさせられた。
映画の中でゲイ&レズの団体がストライキ中の炭坑夫を支援する理屈は、国やマスコミに叩かれ殴られるのは一緒だから助けたい という一点。本当は、ゲイ&レズの方は偏見というもっと重いものとも戦わないといけないのに。
先日日本で行われたゲイ&レズの行進を見た労働者が、チャラチャラしたことで行進なんかするな、俺らは生活が苦しいんだと言っていたと、新聞(多分朝日)に書かれていた。真面目っぽい記事だけど、映画の中の無理解なタブロイド紙と同じ。
同性愛者と炭鉱労働者、最後はどのような結末になるんだろう…と実話と...
同性愛者と炭鉱労働者、最後はどのような結末になるんだろう…と実話とは知らずに観に行き、とても感動しました。
コミカルでユーモラス、けれど心に響く言葉や行動。自分らしく生きようとする人々がこんなにも美しいとは。
ただのとても良い映画、ではなく、今後の人生や価値観、さらにそのような出来事があったんだという歴史的事実をいろいろ考えさせられました。
とても素敵な映画です。
勇気をもらえた
すごく面白かったです。
もちろんゲイやレズビアンとノーマルが徐々に手を取り合っていくことに感動して勇気をもらえました。
自分の趣味思考・考えを信じて行動する姿には自分を重ねてしまったりしちゃいます。
素直に感動出来る
イギリスの労働者映画の名作
『フル・モンティ』、『ブラス!』、『リトル・ダンサー』等に続く
観て笑えて、考えさせられて、最後に感動が押し寄せる映画。
性的マイノリティーを扱った題材でいつも思うのは
相手がゲイだからって、
「すぐに自分が狙われると勘違いするムサい男ども!」
真っ直ぐでストレートなおばちゃん達に
「あんたがそんなにモテる訳ないでしょ!」と一喝!される。
本当に痛快だわ!!
宗教的な事も相まってキリスト教社会では
日本人が思う以上に同性愛者への偏見が激しい。
この手の映画を観るといつもそう思う。
同じ人間同士、共生する道をこの映画は教えてくれる。
社会的弱者だから自分たちは助けられて当たり前!
ではなく、弱者でも自分に出来る事で
誰かのために努力する。
その心がやがては相互理解に繋がる。
こんな風に書くと説教臭く思うかもしれないけど
この映画はそんなところ、微塵も無い。
兎に角楽しい!
本年度私的ベスト5入りは確実です。
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