「情けは人の為ならず、というお話。」パレードへようこそ だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
情けは人の為ならず、というお話。
タイトルがすでにネタバレです。
うまいこと言えたと自画自賛。
情けは人の為ならず、な物語です。
誤用の方ではなく、人に優しくするのは人のためになるだけでなく、巡り巡って自分の助けになるんだよ(だから情けはかけた方がいいよ)という意味の方です。
もちろん後の世の人間が物語を俯瞰して思うことであり、登場人物はそんなこと思ってなかったと思います。
と、このように書くと説教くさいのかと誤解させてしまうかもしれませんが、そんなことありません。説教くさくありません。
明るさとユーモアに溢れた物語運びで楽しませてくれます。
炭鉱の女達の大合唱にはホロリとさせられました。合わさる声の力に問答無用で心を掴まれたのです。
ゲイandレズビアン達にも色んな考えや葛藤があり、炭鉱の町の人たちも一枚岩ではない。頑なに同性愛者を敵視する者、偏見がふれあいの中でほぐれていく者、実は自分もそちら側だった者…様々です。
1割から2割は同性愛者だという話を聞いたことがあります。しかしこれまでに出会った人の1割がそうだったとは思えない日本です。我々の国は隠さざるを得ない世界なのだなぁと思いました。
名前忘れましたが俳優の人のダンス素敵でした。
ディルドーとマッチョエロ本をみて修学旅行の晩の娘っ子のように、ぎゃーぎゃー喜んでたおばちゃんたちが可愛かったです。
本屋の店主がシャーロックのモリアーティの人でした。
アイロンのかかったジーンズの彼はサンシャインにでてた長男くんですね。
ビルナイ老けたなー。
ぽっちゃり主婦がこの後大学いって、その地方初の女性議員になったってのに胸熱です。
ラストのテロップで気付いたんですが、これ実話ベースなんですね。
かたっくるしいことを考えずに楽しむのも良し、少し自分の住む世界に引き寄せて考えてみるも良し、とても良い作品です。