「●皆さんがくれたのは、お金ではなく、友情です。」パレードへようこそ うり坊033さんの映画レビュー(感想・評価)
●皆さんがくれたのは、お金ではなく、友情です。
やられた完全に。油断した。最後の最後で号泣だ。後半、内部分裂が起こって、正直すこし間延びしかけて、どう終わるんだろって思ってたら。
これが実話ってのが、またひっくり返る。ダビデとゴリアテ。ゲイ&炭鉱労働者とサッチャー。うーん。ゲイが出てくる映画の質の良さよ。最近みる映画は、マイノリティ系がホントいい。”Victory to the minors!!”やっぱマイナーはよい。半官びいきなのだ。"Bread and Roses”を歌い出すくだりは最高。
「皆さんがくれたのは、お金ではなく、友情です」
歴史とは勝者が築き上げたもの。長らくゴリアテの成果が教科書に載ってきた。サッチャーはたしかにスゴイ。しかし民衆の時代は加速する。その裏で虐げられたゲイと炭鉱労働者。ネットや映画で弱者に光があたる。
なんて難しい話の前に、行動した人たちを単純に尊敬する。ゲイのマークが炭鉱労働者を救おうとする、その心意気。その視野の広さ。スゲエ。人として。世が世なら大革命家だ。ベクトルが違うだけで、間違いなく彼は歴史を変えた。ゲイに募金されても・・・って、ウェールズの生粋の炭鉱労働者が拒絶するのも理解できる。そこを乗り越える両者は、真の目的をしっかりもってブレない。
どの時代も、どの組織も、抵抗勢力はいる。これを乗り越える力強さ。人知れぬ彼らの想いが歴史をつくる。炭鉱労働者は、その恩を決して忘れない。偏見なんて吹き飛ばす。
役者たちもいい。個人的には、シアン・ジェイムズ役のジェシカ・ガニングが好きだ。思ったより'80songはイギリス系中心だったけど、リーゼントたちが時代背景を物語っていて、それはそれで好きだ。原題がParadeでなくPrideなのは、ゲイ・プライドを意識してるからだと思う。邦題は微妙にみえるけど、ラスト観るとこれはこれでアリかなと。