「オマージュだらけでアナフィラキシーショック!!」花とアリス殺人事件 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
オマージュだらけでアナフィラキシーショック!!
両親の離婚も経験し、石ノ森学園中学校に転校してきた有栖川徹子。引っ越ししている最中に隣家から覗いている少女がいた。最初は母親と娘の区別もつかなかったのですが、蒼井優の声によって徐々にアリスが蒼井優にしか見えなくなってくる。バレエをやっていたという設定や花(鈴木杏)が留年していたという事実にも驚いてしまう。そして何といっても旧姓が黒柳!笑わせてくれた(前作で気づけよ・・・俺)。
ストーリーは、空席になっている荒井花が留年していて引きこもり。そして1年前にユダの4人の妻の誰かがユダを殺したことによる呪いがかかってるという。まるで学園内新興宗教の内容かと思うほど陸奥睦美が3年2組を支配していたのだった。やがてそれもイジメが原因であるとか、花と仲良くなり殺人(かもしれない)事件を解明していくという、とんでもない展開。
台詞の中には「トトロ」も登場するが、駅名やタクシーのナンバーをチェックしていくと偉大なる漫画家の名前や登場人物などが見つかるのだ。タクシーは鉄腕タクシー(天馬ナンバー)、鉄人タクシー(金田ナンバー)、駅名は火乃鳥、我王、トキワ線、藤子方面、我孫子方面、横山方面。そして会社名はコバルト商事、コンビニ名はwonder3といい、手塚治虫、横山光輝、藤子不二雄をオマージュしまくっている。花の着ていたトレーナーには“BAKADA UNIVERSITY”とあったから、赤塚不二夫もリスペクトしていたのかもしれません。
こうした脇のキャラでも印象に残る平泉成。パパ役でもあり、コバルト商事の窓際族のおじさんも演じている。声が同じなので「あれ?」となったけど、誘拐犯にならなくてホッとしました。ちなみに最初に黒柳パパが乗ったタクシーと、のちにアリスが追跡するタクシーは同一。駐車場でトラックの下で一晩過ごしたアリスと花だったけど、最初の運送会社と同じトラックだった気がします。
ちょっとしたミステリーでもあり、花が全てのカギを握っていたとか、とんでもない展開が平和的に落ち着くのも魅力的だ。花にもバレエの基礎を教え、挨拶もバレエのお辞儀・レヴェランスという可愛さも満点。もう彼女たちが最後には蒼井優と鈴木杏にしか見えなくなってくるから不思議だ(オリジナルは観ておいたほうがいい)。
コメントありがとうございます。
2004年版が大好きな自分ですが、こういう形で前日譚を作れる手段あったか!…と目から鱗でした。
鈴木杏と蒼井優の掛け合いは変わらず、仰る『生きる』へのオマージュなど思わずニンマリさせられ、楽しんじゃいました。