劇場公開日 2015年11月6日

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「畏怖の山嶺」エベレスト 3D 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5畏怖の山嶺

2016年5月2日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

1996年に起きたエベレスト最悪の遭難事故(記憶に新しい2014年の遭難事故が起きるまで)を映画化した山岳サバイバル・ドラマ。
奇遇な事に競作となった日米エベレスト映画。
残念な事に日本の山岳隊はハリウッドの山岳に勝てなかった。

まず、登頂前に準備。
実力派たちのアンサンブルは名前を聞いただけで食指をそそる。
専門的な用語や登頂法は山の知識ゼロの人にはちと小難しいかもしれないが、珍獣ハンターの山岳プロジェクトを見ていたので難なく理解出来た。ありがとう、珍獣ハンター。
山岳映画の醍醐味の一つ、絶景を堪能しつつ、いよいよアタック開始。

史実なのでネタバレってほどじゃないが、中盤で登頂に成功する。
が、最も事故が起きやすいのは下山の時と聞く。
そもそもこのアタックはトラブル続きだった。
道具の不備、メンバーの体調不良、登頂スケジュールの遅れ…。
本来ならここで登頂を断念すべきだった。
だが、どうしてもやめられない理由があった。登山家としての性とは別に、“ビジネス”としての理由が…。
山に登った事の無い自分が言うのも何だが、プロとしてあるまじき行為。
それらが絡み合って、誤算となる。
そこにさらに襲いかかる、エベレストという猛獣…。

スケール、迫力、緊迫感、極寒の痛さ…。
さすがに全てが実景って訳じゃないのは致し方ないが、劇場3Dで観ていたら本当に肌に伝わるような感覚に陥っていただろう。
ジョシュ・ブローリンがクレパスに梯子を掛けて渡るシーンなんて、怖ッ!
山岳アタックとサバイバルに主軸を合わせたのも見易い。
惜しむらくは、劇場3Dで見れなかった事。
確かに少々盛り上がりに欠け、遭難シーンは似たようなシーンが続く。
豪華キャストもフードを深々被って誰が誰やら。
でもこれは実際にあった悲劇を描いているので、この描き方は間違ってない。
映画として楽しめるかどうか。

酷評でもないが絶賛でもない微妙なレビューが多いが、それほど悪くなかったと思う。
スケールも映像の迫力も極限状況下の過酷さもドラマ性も平坦だった日本のエベレスト映画の方を先に見てしまったせいかもしれない。
予算も規模も設定も何もかも違うんだから比べるのはよくないのは重々承知なんだけど…、ゴメン。
こういうのを見せられたら、“神々の山嶺”なんて大層な副題は付けられない。
“畏怖の山嶺”
エンドクレジットのメンバーの実際の写真が見ていて悲痛。
あの日本人女性登山家には誇りを感じるも…。

近大