「エゴを抑えた品のよさ」博士と彼女のセオリー Rubysparksさんの映画レビュー(感想・評価)
エゴを抑えた品のよさ
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イギリスらしいというか、なんというか、登場人物ひとりひとりの振る舞いに、抑えが効いていて、品格をかんじる作品だった。エゴを抑えた品の良さというのか。
スティーブン ホーキングという人を愛し、そしてその類い稀なる才能を誰よりも理解し守り抜いたジェーンだからこそ、静かに別れを選んだのもわかる。その後も良き友人であることからも、後悔なく愛しぬいたからこその、エゴを超越した関係というのがあるのだとおもった。それはI have loved you.というセリフにもあらわれている。エレーンも素敵な女性だと思う。
そして、何よりも、ジェーンを好いていながら、ジェーンたちを友人として支え、苦しみを隠して身を引き、何年も待ち続けたジョナサンの無償の愛を心底尊敬する。…ま、その間にジョナサンがどんな暮らしをしていたかは描かれてないから、わからないけれど。最後には夫婦になって幸せに暮らしているとあって、そこでなんだかもう涙がでてしまった。
この、全体的に知的で抑えの効いたひとりひとりのふるまいの美しさが淡々と描かれていて、とても好感をもった。その後、ジェーンもPhDをとったというのもよかった。
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