「セオリーはわかりませんでしたが、」博士と彼女のセオリー だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
セオリーはわかりませんでしたが、
ポイント鑑賞でタダ観。
滅多に行かない金曜日のレイトショーで見ました。
エディレッドメインがオスカーを獲ったことと、ワーキングタイトルが製作している位の前知識で観て来ました。
地味で誠実な作りの映画で好感を持ちました。
物理だか宇宙だか時間だかの話は、ど文系の私にはまったく解らず、時間の話と夫婦の話はリンクしてるのだと思いますがリンクして理解はできませんでした。
自分のアホさに悲しくなります…
夫婦の話も、喧嘩したりすれ違いにフォーカスしたりが少なく、ちょっとした表情などで亀裂が表現されていました。
愛し合って結婚はしたものの、愛だけでは続かないのですね。自分の研究への欲もあるし、普通の家庭への憧れもあるし、介護するだけじゃなくて労られたいし、妻に気を使わずアホもやりたい。なんかどっちの気持ちも分かる気がしてやるせなくなりました。
2人ではどうにもできない事態に打った手が、別の大人を家庭に介入してもらうことでしたが、男が来ればジェーンと惹かれあい、女が来ればスティーブンと惹かれ合う。そこでおこる嫉妬を押し殺して、潤滑性を得る生活。なんという皮肉。
結果、スティーブンとジェーンは別れを選びました。ジェーンとジョナサンは再婚したようです。
スティーブンも看護師と結婚したんでしょう。
スティーブンとジェーンは愛し合っていたでしょう、別れるときも。でもその愛は互いを縛りはしても楽にするものではなかった。ベストを尽くしたと言って泣く2人のシーンが印象的でした。
スティーブンが見つけたかった全てを説明する方程式と夫婦の物語とのリンクが読み取れていないので、作り手の想いは理解できず消化不良ですが、夫婦の物語だけを観たとしても、なかなか良かったです、という感じです。