「難病 ALSを患ったある天才博士と、それに寄り添った女性の人生記録」博士と彼女のセオリー しむさんの映画レビュー(感想・評価)
難病 ALSを患ったある天才博士と、それに寄り添った女性の人生記録
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綺麗事の塊ではなく醜い部分も含む物を現実・リアルというのなら、この映画は世界的成功者が成功するまでを描いたリアルな人生記録。
序盤は学生時代から類い稀な才能を発揮するホーキング博士とある女性との運命的な出会いの物語。
中盤、夢半ばで難病に罹った事を告げられる。
それを理解し未来の苦難を覚悟した上で彼女は共に生きることを覚悟する。
終盤、難病を持つ夫を支える妻の幸福と、それに並行して感じ始める苦悩と葛藤の物語。
若き頃に2人の間に確かにあった純粋な愛情。
だが長い時間を共に過ごしていくにつれ次第に募る様々な感情の数々。
2人の人生においていかなる選択も自分勝手なものがあったが、深く論理的に考えてみればその全ては愛情が故の選択なのかもしれない。
でも人間は恋愛において思考する時、理性ではなく感情に身を委ねる事が殆どであるが故に、相手の行動・発言・思考の真意を見誤ってしまうものだと言う事は避けられない。
そんなことを考えさせられる映画。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)についてはよく描かれてる。
もし自分がALSに罹った時感じるであろう不安や恐怖、疎外感などが随所に散りばめられている。
可能性としてはそこまで高くは無いが、いつ自分の身に起きてもおかしく無い。
そして現在の医療技術では治療は難しく、特効薬等も発見されてはいない恐ろしい難病をよく映し出していると思った。
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