トラッシュ! この街が輝く日までのレビュー・感想・評価
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ミニレビュー
少年たちが疾走する
ゴミ
3人の少年の行動力に勇気付けられる
正しいこと
うきうきわくわくなわんぱく冒険かと思ったら、かなり激しめ。
なんてったって相手は警察。
思わず目をつぶりたくなるシーンもちらほら。
ラファエル、ガルボ、ラットの3人が子供らしく喧嘩しながらも、悪を裁こうと奮闘するストーリー。
子供だから、どうにもツメが甘くて、そこがリアルで、ハラハラドキドキ。
彼らは「正しいこと」をした。
ゴミ山を、希望の山にした。
彼らは、まさに革命を起こした!
終盤は胸が熱くなった。
ガルボも言っていたけど、
なんでラファエルはこんなものにこだわるんだろう?って思ったけど、それがどうでもよくなるくらい密度の濃い2時間。
久々に良作でした。
三人の子供たちの知恵と正義感あふれる行動とチームワークはエンディング前からもう拍手喝采だ。
リオデジャネイロのゴミの山で生きる3人の少年たちのサスペンス活劇。ゴミとスラム街を舞台に走り回るハラハラドキドキの120分。しかし、彼らの知恵と正義感あふれる行動とチームワークはエンディング前からもう拍手喝采だ。
話は社会の不正を暴こうとする弁護士が警官たちに追われ殺されるところから始まる。しかし、その不正の証拠が隠された弁護士の財布は幸い、ゴミの山からラファエロが拾い出す。たちまち警官にその財布の拾主として追われた彼を助けるのがガルボとラット。彼ら3人は財布の中身のお金はともかく、中に隠された秘密の重大さを悟り、追いかける警官たちから逃げ回りつつ、知恵を働かしその秘密を暴いていく。
エンディング近く、子供達の父親役でもあるスラムの教会のアメリカ人神父はエクソダス!と語る。三人の悪童は不正な為政者からスラムはおろか多くの人々を救う、モーゼとなった子供たちのことだろう。
心臓ばくばく、ラストは爽やか
スティーブンダルトリーが監督で、リチャードカーティスが脚本とくれば、みるっきゃない!でも時間があわない!そうこうしているうちに明日で終了?やばいやばい!滑り込みでレディースデイで見られました。
冒頭の構成が時系列を崩しているので、最初から集中したほうがいいです。
ラファエルが警察に拷問されるところが、かなり私は辛かったです。サスペンス色も強め。警察が怖い怖い。
こんなにビビる系とは思ってなくて、けっこう辛かったです。
南米情勢や文化に大変疎く、現代にあんなゴミ山で暮らす人たちがいるのか、とびっくりしました。ブラジルはわりと豊かなイメージだったんですが、貧富の差がどえらいのですね。
社会は腐敗していて、貧しい人に人権なんてないのかと思ってしまう、横暴さ。
辛いです。
ゴミ山に住むラファエルがひろった財布が、政治家の汚職の秘密を伝えるもので、なぜだかその謎を解かなくては!と思いたった少年3人が、警察に追われながら奮闘する物語です。
頼れる大人として外国人の神父とボランティア女性が出てきます。誰が頼れるかよくわかってます。とはいえ子供らしさもあって、せっかく立てた計画はほどんどテンパって台無し!命からがら逃げてはケンカ!あの辺はちょっと笑えました。子供らしさとたくましさのハイブリット感が良かったです。
ラファエルは優しい子だし、グルドは頭がいい、ラットもしっかりしています。いい子達だったです。何が正しいかを本能でかぎつけられるのです。
命がけの謎解きの結果、彼らはついに答えにたどり着きます。暗号解読をして、ボスキャラの警官と対決し、女の子も助けます。
ハラハラして見守っていましたが、生き延びてくれて嬉しかったです。
ラストのお金の使い方、かっこよかったです。
ゴミ山を離れ、海辺でうれしそうに魚を掲げ、四人で水遊びをする姿にもホッとしました。どうか彼らが掴んだ幸せをずっと掴んでいられますように。
YouTubeの使われ方あたりに、現代を感じました。
トラッシュ 〜この街が輝く日まで
不完全燃焼?
なんでもかんでも深読みするわたしの悪い癖か、なんでもはっきりさせないとすまない性格のせいか。
ただの一般人の少年三人組が、命をはってまで財布に隠された謎を追うところ、叔父は何故刑務所にぶち込まれたか。
その辺りが曖昧に表現されている感じが否めない。
観客に想像を委ねるためなのかもしれないが…
少年たちにとっては正義のためであるかもしれないが、家を焼かれた人たちにとっては、いい迷惑だったのではないか?
財布に隠された真実を暴くことが本当に正義のようにされているが、そのための犠牲はやむ終えないことなのか?
なんとも言えない結末であった。
リアルな少年たち。
物語は絵空事かもしれないが、描かれる事態は現実に近い。
昨今やたら猟奇的な事件が取り沙汰される日本でも子供達の
於かれたこんな状況を観ると絶句する。ゴミ拾い人の現実は
以前「ヴィックムニーズ~」で知らされたが、今度は子供達が
その現実から悪夢のような逃亡へ命懸けの冒険を繰り広げる。
まぁ恐ろしいのは悪徳警官の少年達への襲撃。冒頭から銃口を
突き付ける映像に度肝を抜かれるが、その後も少年達に実弾を
浴びせ、車で重傷を負わせたりと目を背けたくなる場面が続く。
始まって半分も経たない間に隣りの女性は嗚咽を漏らし始めた。
泥だらけ血だらけ傷だらけの中で子供達はタフな笑顔を見せる。
たまたま拾い上げた財布に残った秘密の謎を解き、正しい事を
するべく奔走する少年たち。彼らを助けるのが国家や警察でなく
他国の神父やボランティアだというのも現実的。いかに腐敗が
広がり病んでいるかが伺える。ゴミを拾いゴミ溜めで水浴びを
する少年、地下に潜って生活する少年、地下鉄に乗り合わせた
人々が彼らを見る目が貧富差を物語り、容赦ない拷問リンチの
恐ろしさと遭わせてどこまでも胸が痛むが怯んでいる暇がない。
ビデオの映像と財布に隠された真実が解き明かされる後半で
やっと光明が差してくるものの、最後まで気が抜けない展開。
演技未経験の少年たちから発揮されるエネルギーの放出が凄い。
(「シティ・オブ・ゴッド」組の健在。平和な日本に風穴を開けて)
正しいこと。
リチャード・カーティス脚本、スティーブン・ダルドリー監督という組み合わせの本作。きっちりとしたドラマを見せてもらった。
ブラジルのリオデジャネイロ、ゴミ捨て場でゴミ拾いをして生活している子どもたちがいる。どこの国も貧富の差は激しそうだ。
そのゴミ捨て場で、ラファエロが財布を見つける。いくらかの現金と身分証、コインロッカーの鍵(と、観ている我々はわかるが、ラファエロにはわからない)。
警察が出張ってきて、どうやらその財布を探しているようだ。
警察が信用できないラファエロたちは、自分たちで財布の中身について検討しはじめる。
「正しいことを行うために」
スティーブン・ダルドリーは舞台の人だけあって、ストーリーテリングが抜群にうまい。何を物語るのか、よくわかって演出している。観ていて安心である。
で、ラファエロをはじめとする子どもたちは、きっとうまく成し遂げるのだろうと思いながら観ることができた。その分ドキドキハラハラ感は薄れるが、それよりも安心のほうがよい。
ブラジルの現状を写し取った部分もあるだろうが、おそらくは少しマイルドになっていると思われる。これは一種の寓話なのだから。
良く出来てる
より救いの無い状況が使い古された冒険活劇に新鮮味を与えていた作品。
良かった。
粗筋を読む限り、使い古された冒険活劇。
正義感溢れる少年達と欲に塗れた大人達の対決。
少年達は知恵と勇気を振り絞って悪と対峙し勝利する。
条件反射的な爽快感はあるものの新鮮味は無い。
作品への期待感は正直低めでしたが。
…良い意味で裏切られました。
話に新鮮味を与えていたのが、リオデジャネイロのリアル感。
そして、それに応じた登場人物達の言動。満ち溢れた生命力。
作中で描かれるリオデジャネイロの貧富の差。
主人公である少年達が住むゴミ集積所は焼却施設も無く単なるゴミ山。
そのゴミ山近くに勝手に家を建て住み、ゴミを拾い生活する貧しい人々。
作中では置物のような扱いでしたが公共交通機関を利用する中間層の人々。
そして美しい海に面したリゾート地の大豪邸に住む人々。
電車移動可能な範囲で、これだけ格差が生まれている状況に驚かされます。
そして極端な格差社会に蔓延する人間の腐敗。
力を持つ富裕層は自らの地位を維持するため汚職/不正の道を直走る。
取り締まるべき国家権力も金に操られ、強い者の意向で弱い者を蹂躙する。
日々の生活に困窮する貧困層の中でも差別は根強く、弱い者が更に弱い者を差別する。
そんな社会の中で主人公である少年達は自らの正義を信じて行動する。
少年達が対峙する対象はより悪く、より強大で、より実行力がある。
周りの大人達が無力であることも相まって、救いの無い状況での彼等の覚悟と行動力にグッときました。
また少年達自身も決して清廉潔白ではない点にも好感を持ちました。
惜しむらくは終盤の展開。
散々見せられた厳しい状況に反した帰結。
後味の悪い結末を望んでいた訳では無いですが。
風呂敷の畳み方があまりにご都合主義的、無邪気に感じた点は残念でした。
登場人物と舞台のリアルさが使い古された冒険活劇に新鮮味を与えている本作。
プロローグの緊迫した場面が作中どのように繋がるか。
徐々に明らかになる財布の謎解きと共に作品の構造も楽しめました。
帰結の無邪気さも含めて安心して観れる作品だと思います。
オススメです。
映画のオチが現実と繋がってしまった奇跡的な作品
リオ市内の廃棄場でゴミ拾いをして暮らす3人の少年はある日ゴミの中から財布を見つける。その財布で小遣い稼ぎをしようと考えた少年たちだったが、なぜか警察や謎の組織に追われることになってしまう。必死で逃げ延びた彼らはその財布に重大な秘密が隠されていることに気づき、その謎を解明することを決意する。
原作はブラジルで教師をしていた経験もあるという英国人アンディ・マリガン作の児童書。舞台を架空の国から現在のブラジル、しかも貧民窟(ファベーラ)に替えたことでブラジル版『スタンド・バイ・ミー』とでも呼ぶべき瑞々しいジュブナイルへと昇華しています。イギリス映画ですが製作総指揮に『シティ・オブ・ゴッド』の監督フェルナンド・メイレレス、助演陣にヴァグネル・モウラ(『エリート・スクワッド』)やセウトン・メロら第一線のブラジル映画陣が参加、実際にリオでロケを敢行しているので現代ブラジルの空気が見事に映像に封じ込まれているだけでなく、映画のオチが現実とつながるという奇跡も起こっています。
少年冒険活劇!かと思いきやラストに隠し玉
久しぶりにハラハラ、ドキドキしながら楽しめたボーイズ活劇です。
で、大団円のラストにまさかあんな政治メッセージが込められてたなんて⁈
牧師さまのセリフにご注目です。
2020年オリンピックは東京に決まりましたが、ひょっとしてこの映画のおかげかな?
これが世界の現実。それでも諦めなかった子供達の正義。
【賛否両論チェック】
賛:世界の厳しい現実が、これでもかとリアルに描かれる。そんな中でも正しいことをしようとする少年達に、心打たれる。
否:思いのほか暗くて重い世界観は、好き嫌いが分かれそう。拷問シーンなどもあり。
恐らく当初の大方の予想よりも、かなり暗くて重い世界観に、驚かれる方も多いかと思います。惨殺シーンとか拷問シーンも結構あるので、苦手な人には不向きな作品です。
このお話で描かれているのは、貧富の格差や人種差別、腐敗した権力の横暴など、思わず目を背けたくなるような現実の世界。その中にあっても希望を失わず、必死に正しいことをして生きていこうともがく少年達の姿が、痛々しくも逞しく映ります。
社会問題を正面から見つめたい真面目な時に、是非オススメです。
いい作品でした。
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