さよなら、人類のレビュー・感想・評価
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突き放して観る映画なのか?
基本はコメディーなので笑えば良いと思うのだけど、
計算された画面造りが売りの監督さんの様なので
確かに画面はもの凄く美しくしっかり作り込まれ過ぎて
逆に教訓的なものを得ようと構えてしまった。
オフィシャルサイトでモンティーパイソンとかが
引用されていたので
構えずにもっと突き放して、
バカだな〜〜と笑えば良いのかも。
苦笑いの部分もあったけど
途中、何話か寝ちゃいました。
テレビのコント番組等では笑い声が足してあって
ここで笑うんですよ!とサインが出ていますが
あれって、観るものの判断力を
いかに奪っているかがよく解ります。
自力で笑い処が見つけられない。
と言うか、大人しい日本人は人が笑ってないと
自分だけ笑う事が出来ないんですよね。
きっとこの映画も同じ様に笑い声を入れてあれば
笑い処が解るのかも〜〜
好きな監督になりそう
『ホモ・サピエンスの涙』も好きだったし、こんなシュールな作品は俺に向いてるんじゃないかと思うほど。
引きの定点カメラで淡々と描くショートコメディを次から次へと流すのだが、笑いたくても笑えないシュールな部分・・特に王国がロシア進軍して敗残兵としてかえってくるシーンなんかが不思議と考えさせられる。
【”元気で何より・・”愚かしくも愛おしい、市井の人々の姿を、シュールな笑いの要素を絡ませて描いた掌編集。】
ー ロイ・アンダーソン監督作品は、2020年に公開された「ホモ・サピエンス」の涙を、劇場で鑑賞して以来、今作で2作目である。
劇場で見た際には、内心クスクス笑いながら鑑賞したのだが、途中退席する人もいて、この監督の独特のシュールだが、人間愛に溢れた作品を受け入れるかどうかは、人に寄るのかなあとも思ったりした。-
◆感想<Caution ! 内容に少し触れています。>
・面白グッズ(で、全然面白くない。吸血鬼の歯や、歯抜け親父の覆面、笑い袋etc.)を売る、二人の男をストーリーの軸にしながら、様々な人々の愚かしくも、愛しき姿を描いている。
・印象的なフレーズが、劇中良く出てくる。
全然幸せそうでない人達(あるシーンでは、拳銃を片手に持った初老の男性が電話で言っている。)が、相手に言う言葉。
”幸せそうで何より・・”
・臨終が近いお婆ちゃんが、大切なお宝が入ったバッグを手放さないシーン。クスクス笑い・・。
・フラメンコを教える太った女性の先生が、若き男性に”指導”をしながら、身体中をいじるシーン。
そして、別のシーンで、その先生が若き男性に別れを告げられ、泣くシーンの前で講演を聞けなかった男性が電話するシーンが繰り広げられる。
・1943年、バーで軽やかに”一杯、一シリングで飲めるわよ!”“お金の無い人は、代わりにキスで払って!”と言うシーンを見ていた男性が、40年後によぼよぼになりながらも、その店で、酒を飲んでいる姿。
・一番好きなのは、現代のバーの前を、スェーデンの国王と思われる一団が進軍し、若き国王がバーに入って来て、水を所望するシーンからの、ロシアにこっ酷くヤラレタ国王一団が戻って来るシーンである。何だか、凄くオカシイ。
<ロイ・アンダーソン監督の、人間愛溢れるクスクス笑えるシュールな笑いに包まれた作品。
―それは、愚かしくも、日々真面目に生きる人々の悲喜劇を様々な視点で、描いている事から分かる。-
登場人物が、誰も笑顔を見せず、青白い顔の人物が多いのも、今作があって「ホモ・サピエンス」に繋がったのだなあ・・、と分かった作品である。>
ただのコントじゃないぞ
シュールなコントなのだが笑える。日本の芸人のやるコントよりも面白いし、ブラックだ。コーラスと踊りがうますぎる。しもネタとしゃべくりしか出来ない日本の芸人のコントとは違うと思った。
さよなら、この映画
スウェーデンの鬼才、ロイ・アンダーソンによる『散歩する惑星』『愛おしき隣人』に続く“リビング・トリロジー”3部作の最終章。
珍妙なグッズを売り歩く冴えないセールスマン・コンビが、様々な人生を目撃する様を描いたブラック・コメディ。
計算し尽くされた絵画のような39シーンのワンカット撮影、4年の歳月をかけて完成させ、2014年のヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した労作。
トリロジーどころか、この監督の作品を見るのも初。
本作一本で印象を決め付けるのも何だが…
とにかくシュール。
ほとんどの登場人物が白塗りメイク、同居人が死んでも気付かない、突然中世時代の人物が現れたり…。
?????
おそらく人の生死をこの監督独特の感性や価値観で画いているんだろうけど…。
批評家や解る人には解る。
でも、はっきり言おう。
解らんものは解らん!
これまで見た映画の中でも最高。
この映画を3作目とするリビングトリロジー、生の三部作、は大傑作である。
1作目において一般のモラル、人生観、キリスト教観を否定し、2作目において退廃的な、反モラルを描き、3作目にあたるこの映画でそれら両方の否定、すなわち意味の否定へとたどりつく。
意味というものは、決めつけを土台としたある観点をもつことによって生まれるものであり、そこに普遍的絶対性はない。しかし、我々人間は存在する限り、生きる限り、あきらめてそれを受け入れるしかないのだ。悟ることができないという悟り。最後のセリフにもそれが収束している。小津映画や、ヴァージニアウルフなんか怖くない、雨に唄えばなどの歴史的名作と並んでも引けを取らない素晴らしい作品。
動く絵画とはよくいったもの
全シーン定点カメラワンカット、画面の登場人物の空気感がアニメの「Peeping life」がよぎった。
ジョークグッズを売り歩く二人組、バーの中に突然入ってくる騎兵隊を引き連れた国王、電流を浴びるサルの横で電話する女、巨大な樽のオルガンに黒人奴隷が入ると炎に包まれ音楽を奏でる、飲み代をキスで払うため並ぶ男たち。
背景の色に合わせて俳優たちの肌もうっすら白い化粧をして絵画的な雰囲気が増していた。
シュールな世界観
描写が冒頭からとにかくシュールで全編掴みどころがない。
顔が皆白塗りで立ち姿もちょっと妙な感じで、テーマこそ同じだと思われるが場面場面切り取られていて群像劇になっている。
主人公の2人は人を楽しませようと面白グッズを売り歩いてるのだが、どっからどう見ても人を楽しませようという気概が見られない。なぜなら彼らは話の中で一度も笑わないから。
哲学的な見地も描写として描かれているが、人によっては何のこっちゃわからん可能性が高い気がした。わかりやすいからイイとかわかりにくいからダメだとかそういうことではなく、ここまで無機質に描かないで人間味を出した方が理解度も深みも増したのではないだろうか。
映画的には定点カメラのみで動きが無いため、正直眠くなる。面白いかと問われたらそうではないと答えてしまう一本。
シュールなコント集
街並みにバーなど内装のセンスが良くて楽しめるし地味に笑える箇所もあり退屈なようでのめり込めるようでヤッパり退屈で。
アメリカのバカ丸出しコメディとは違いヨーロッパはセンス良く日本人にも近いシュールな笑いがハマるがヤッパり退屈で。
監督の意図など解らないがシュールな笑いにはイラっとする登場人物や意味不明な事柄があってこそかなぁと。
後半が良かっただけに
前半はいったいどこへ向かってるのかと訝りながら観る羽目に。ラッパのついた巨大なドラムのシーンは本作の真骨頂とも言えるアイロニカルなシーンだった。そこにヨナタンがいたのもまた象徴的だった。あの刺激的なシーンが秀逸だっただけに、前半がかったるく、勿体なかった。
3.8
独特すぎる映画。今までで一番妙な映画の1つだった。主役はサムとヨナタンだが、登場人物一人ひとりに個があり主役のような気がした。
なんか不思議な映画だったけど、ぼくは結構好きな映画だった。音楽もよかった。「39枚の絵画」という人がいたが本当にそうだと思う。すべて固定カメラで動きが少なくて、今までにない映画で斬新で新鮮でおもしろかった。特にバーで1人ずつキスしていく場面が印象的。
顔が白っぽかったり、静寂が続いたり、何だかとても抽象的で、わかりにくかったとこが多かった。いろいろ考えると何となくわかったり、深みに気づくこともあるが、なんだか不思議なところが多かった。
こういった作品を見ると、なんでもないような気もするけど深くて意味があるのかなあ、と思うけど、もしかしたら本当はもっと単純なんじゃないかなと思うことがある。
その作品をみて想像力や展開力を働かせることもいいが、陳腐なほどにそのまま意を受け入れるのも1つの見方であってとても素敵だと思う。
見た人それぞれの思ったこと、なんとなくすっきりしたとか、ぼんやりだがいい話だと思うとか、言葉にできなかったりすることもあるけど、むしろそういったことが大事で、感想として人に言う必要もないこともあると思った。
この映画をみてぼくは以上のようなことを思った。全く映画とは関係ないけど、なんか悟らせるような、哲学的なことを考えさせられた映画だった。
なんども言うが本当に不思議な映画でよくわからなかったことが多かったけど、ぼくは好き。好きというよりもう一度見たくなるような魅力があった。
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