さよなら、人類のレビュー・感想・評価
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後半が良かっただけに
3.8
独特すぎる映画。今までで一番妙な映画の1つだった。主役はサムとヨナタンだが、登場人物一人ひとりに個があり主役のような気がした。
なんか不思議な映画だったけど、ぼくは結構好きな映画だった。音楽もよかった。「39枚の絵画」という人がいたが本当にそうだと思う。すべて固定カメラで動きが少なくて、今までにない映画で斬新で新鮮でおもしろかった。特にバーで1人ずつキスしていく場面が印象的。
顔が白っぽかったり、静寂が続いたり、何だかとても抽象的で、わかりにくかったとこが多かった。いろいろ考えると何となくわかったり、深みに気づくこともあるが、なんだか不思議なところが多かった。
こういった作品を見ると、なんでもないような気もするけど深くて意味があるのかなあ、と思うけど、もしかしたら本当はもっと単純なんじゃないかなと思うことがある。
その作品をみて想像力や展開力を働かせることもいいが、陳腐なほどにそのまま意を受け入れるのも1つの見方であってとても素敵だと思う。
見た人それぞれの思ったこと、なんとなくすっきりしたとか、ぼんやりだがいい話だと思うとか、言葉にできなかったりすることもあるけど、むしろそういったことが大事で、感想として人に言う必要もないこともあると思った。
この映画をみてぼくは以上のようなことを思った。全く映画とは関係ないけど、なんか悟らせるような、哲学的なことを考えさせられた映画だった。
なんども言うが本当に不思議な映画でよくわからなかったことが多かったけど、ぼくは好き。好きというよりもう一度見たくなるような魅力があった。
修行
シュールだけどほんわか
爆笑はしないけどずっとニヤニヤしてられる。
登場人物が絶対笑わない。
「元気そうでなにより」というセリフ、
そして「また明日」という最後のメッセージと、
『さよなら、人類』というタイトルの組合せもシュール。
どうしようもないこの人類ってやつのいとおしさ。
知的アート・エンタテインメント
突き放して観る映画
基本はコメディーなので笑えば良いと思うのだけど、
計算された画面造りが売りの監督さんの様なので
確かに画面はもの凄く美しくしっかり作り込まれ過ぎて
逆に教訓的なものを得ようと構えてしまった。
オフィシャルサイトでモンティーパイソンとかが
引用されていたので
構えずにもっと突き放して、
バカだな〜〜と笑えば良いのかも。
苦笑いの部分もあったけど
途中、何話か寝ちゃいました。
テレビのコント番組等では笑い声が足してあって
ここで笑うんですよ!とサインが出ていますが
あれって、観るものの判断力を
いかに奪っているかがよく解ります。
自力で笑い処が見つけられない。
と言うか、大人しい日本人は人が笑ってないと
自分だけ笑う事が出来ないんですよね。
きっとこの映画も同じ様に笑い声を入れてあれば
笑い処が解るのかも〜〜
板尾創路が予告編のナレーターをしていたスウェーデンのシュールなコメ...
構図フェチ
特徴的な構図がオシャレと人気の監督にウェス・アンダーソンが居るが、本作のロイ・アンダーソンも構図が特徴的。ウェスを突き詰め掘り下げ余分なものを削いでいくとロイになる感じ(商業的にはその余分なものも必要不可欠なのだろうが…)。
ウェス・アンダーソンの構図は箱庭的な閉塞感が漂うが、ロイ・アンダーソンのそれは、どこかに窓がありドアがあり部屋の外にも世界があることを思い出させ、風通しがいい。
澄んで明晰な構図。
「動く絵画」とでも言ったら良いのか。
「思考するアングル」とでも言ったら良いのか。
いや、そんな堅苦しいことではなく。
構図そのものにカタルシスがあり、恍惚があり。
線路や乳母車、フラメンコのシーンなどなど…。
めくるめく遠近法や、マジカルな配置。まさに愉悦。
小賢しい解釈など付けずに、ただただ浴びていたい感じ。
語れば語るほどに、この愉しみからかけ離れてしまうもどかしさ。
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1シーン1カット、固定カメラ、全てスタジオセット撮影の本作。いわゆる書割との合成画も多用されている。外のシーンなどは、えっこれもセットなの?という驚きと、遠近が実際と違う奇妙な味わいがある。
アーティスティックと評されることが多い作風だが、昔の邦画(白黒時代)にも、ちょっと似ているのではないか。
昔の邦画は、予算とスケジュールの兼合いでスタジオ撮影のものが結構多い(成瀬監督などは時間がよめないロケが大嫌いだったという)。そこで多用されたのが書割との合成画であり、狭いセットに奥行きをもたせるアングルだった。それら明晰にコントロールされた美しい構図を、ロイ・アンダーソンは彷彿とさせる。
新鮮でありながら、かつて歩いてきた道をさかのぼっていくような懐かしい構図。
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構図に並べられたもの。
(一見シュールであるが、訳のワカランことをやって煙に巻くというよりは、明確に構成された映画のように思う)。
映画内で、ひょいと時代をワープしたりする(現代のカフェに突然18世紀の国王が現れたりする)。
今と昔が同時に並び、人の優しさと残酷さも同時に並んでいる。
オルガンのシーンなどはこの上も無く冷徹で、ああロイ・アンダーソンは根っからのペシミストだなあと思ったりもする。
いやこの「冷徹な眼」が通づる世界が何処かにある筈(映画の意図が判る判らないといった小さい次元の話ではなく)だと、人間を信じているオプティミストなのかもしれない。
何かを真剣に「思考」し、それを「言葉」ではなく「映像」で表現する…非常に本質的な映画だったように思う。
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追記:
「ジャック・タチ meets デヴィット・リンチ」
「スラップスティックなベルイマン」
「哲学するモンティ・パイソン」
画家ブリューゲルなどなど。
いろんなものに例えられているロイ・アンダーソンであるが。
私は、アンリ・ルソーと、「キスおばちゃん(by松本人志)」も付け加えておきたい。いろんなものを内包し、それでいて誰とも違う。天晴れ。
面白そうなんだけど
これはめずらしい!
フジテレビのコントのごとく
アコーディオンの音が心地よい
難解。忍耐力と睡魔との闘い
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