さよなら、人類のレビュー・感想・評価
全44件中、21~40件目を表示
後半が良かっただけに
前半はいったいどこへ向かってるのかと訝りながら観る羽目に。ラッパのついた巨大なドラムのシーンは本作の真骨頂とも言えるアイロニカルなシーンだった。そこにヨナタンがいたのもまた象徴的だった。あの刺激的なシーンが秀逸だっただけに、前半がかったるく、勿体なかった。
3.8
独特すぎる映画。今までで一番妙な映画の1つだった。主役はサムとヨナタンだが、登場人物一人ひとりに個があり主役のような気がした。
なんか不思議な映画だったけど、ぼくは結構好きな映画だった。音楽もよかった。「39枚の絵画」という人がいたが本当にそうだと思う。すべて固定カメラで動きが少なくて、今までにない映画で斬新で新鮮でおもしろかった。特にバーで1人ずつキスしていく場面が印象的。
顔が白っぽかったり、静寂が続いたり、何だかとても抽象的で、わかりにくかったとこが多かった。いろいろ考えると何となくわかったり、深みに気づくこともあるが、なんだか不思議なところが多かった。
こういった作品を見ると、なんでもないような気もするけど深くて意味があるのかなあ、と思うけど、もしかしたら本当はもっと単純なんじゃないかなと思うことがある。
その作品をみて想像力や展開力を働かせることもいいが、陳腐なほどにそのまま意を受け入れるのも1つの見方であってとても素敵だと思う。
見た人それぞれの思ったこと、なんとなくすっきりしたとか、ぼんやりだがいい話だと思うとか、言葉にできなかったりすることもあるけど、むしろそういったことが大事で、感想として人に言う必要もないこともあると思った。
この映画をみてぼくは以上のようなことを思った。全く映画とは関係ないけど、なんか悟らせるような、哲学的なことを考えさせられた映画だった。
なんども言うが本当に不思議な映画でよくわからなかったことが多かったけど、ぼくは好き。好きというよりもう一度見たくなるような魅力があった。
修行
この監督の作品を見るのは『散歩する惑星』から2つ目だけれど、『散歩〜』とテイストも同じ感じだったので、別に観なくてもよかったかな。という感じ。
ひとつのシーンをもうちょいしつこくやってくれたらいいのに、割とすぐにシーンが切り替わるので、笑いたいのに笑えない「笑わせてよ」状態がずっと続いて、最後まで見続けるのがかなり修行だった。
シュールだけどほんわか
爆笑はしないけどずっとニヤニヤしてられる。
登場人物が絶対笑わない。
「元気そうでなにより」というセリフ、
そして「また明日」という最後のメッセージと、
『さよなら、人類』というタイトルの組合せもシュール。
どうしようもないこの人類ってやつのいとおしさ。
知的アート・エンタテインメント
生と死、悲劇と喜劇、シリアスとコメディ、日常と非日常、今と昔、動かないカメラと長回し、シンプルさと細かいディテール。
深く考えるな!感じろ!感じろ!...そして後で、じっくり考えろ!
絶妙、絶妙、絶妙!そして、素晴らしい!
突き放して観る映画
基本はコメディーなので笑えば良いと思うのだけど、
計算された画面造りが売りの監督さんの様なので
確かに画面はもの凄く美しくしっかり作り込まれ過ぎて
逆に教訓的なものを得ようと構えてしまった。
オフィシャルサイトでモンティーパイソンとかが
引用されていたので
構えずにもっと突き放して、
バカだな〜〜と笑えば良いのかも。
苦笑いの部分もあったけど
途中、何話か寝ちゃいました。
テレビのコント番組等では笑い声が足してあって
ここで笑うんですよ!とサインが出ていますが
あれって、観るものの判断力を
いかに奪っているかがよく解ります。
自力で笑い処が見つけられない。
と言うか、大人しい日本人は人が笑ってないと
自分だけ笑う事が出来ないんですよね。
きっとこの映画も同じ様に笑い声を入れてあれば
笑い処が解るのかも〜〜
板尾創路が予告編のナレーターをしていたスウェーデンのシュールなコメ...
板尾創路が予告編のナレーターをしていたスウェーデンのシュールなコメディ。三部作の三作目らしいですが、39のぶつ切りのシーンから成り立っていて、ちょっと変わってます。喜劇やけど物悲しい雰囲気。
繰り返し出てくる登場人物はいるんだけど、ストーリーというのがないので、右前の人は途中で目薬さしてたし、左前の人にいたっては終わったのに気づかないくらい寝てた。面白かったけどなぁ…。
構図フェチ
特徴的な構図がオシャレと人気の監督にウェス・アンダーソンが居るが、本作のロイ・アンダーソンも構図が特徴的。ウェスを突き詰め掘り下げ余分なものを削いでいくとロイになる感じ(商業的にはその余分なものも必要不可欠なのだろうが…)。
ウェス・アンダーソンの構図は箱庭的な閉塞感が漂うが、ロイ・アンダーソンのそれは、どこかに窓がありドアがあり部屋の外にも世界があることを思い出させ、風通しがいい。
澄んで明晰な構図。
「動く絵画」とでも言ったら良いのか。
「思考するアングル」とでも言ったら良いのか。
いや、そんな堅苦しいことではなく。
構図そのものにカタルシスがあり、恍惚があり。
線路や乳母車、フラメンコのシーンなどなど…。
めくるめく遠近法や、マジカルな配置。まさに愉悦。
小賢しい解釈など付けずに、ただただ浴びていたい感じ。
語れば語るほどに、この愉しみからかけ離れてしまうもどかしさ。
—
1シーン1カット、固定カメラ、全てスタジオセット撮影の本作。いわゆる書割との合成画も多用されている。外のシーンなどは、えっこれもセットなの?という驚きと、遠近が実際と違う奇妙な味わいがある。
アーティスティックと評されることが多い作風だが、昔の邦画(白黒時代)にも、ちょっと似ているのではないか。
昔の邦画は、予算とスケジュールの兼合いでスタジオ撮影のものが結構多い(成瀬監督などは時間がよめないロケが大嫌いだったという)。そこで多用されたのが書割との合成画であり、狭いセットに奥行きをもたせるアングルだった。それら明晰にコントロールされた美しい構図を、ロイ・アンダーソンは彷彿とさせる。
新鮮でありながら、かつて歩いてきた道をさかのぼっていくような懐かしい構図。
—
構図に並べられたもの。
(一見シュールであるが、訳のワカランことをやって煙に巻くというよりは、明確に構成された映画のように思う)。
映画内で、ひょいと時代をワープしたりする(現代のカフェに突然18世紀の国王が現れたりする)。
今と昔が同時に並び、人の優しさと残酷さも同時に並んでいる。
オルガンのシーンなどはこの上も無く冷徹で、ああロイ・アンダーソンは根っからのペシミストだなあと思ったりもする。
いやこの「冷徹な眼」が通づる世界が何処かにある筈(映画の意図が判る判らないといった小さい次元の話ではなく)だと、人間を信じているオプティミストなのかもしれない。
何かを真剣に「思考」し、それを「言葉」ではなく「映像」で表現する…非常に本質的な映画だったように思う。
———————
追記:
「ジャック・タチ meets デヴィット・リンチ」
「スラップスティックなベルイマン」
「哲学するモンティ・パイソン」
画家ブリューゲルなどなど。
いろんなものに例えられているロイ・アンダーソンであるが。
私は、アンリ・ルソーと、「キスおばちゃん(by松本人志)」も付け加えておきたい。いろんなものを内包し、それでいて誰とも違う。天晴れ。
面白そうなんだけど
一言でいえば荒唐無稽でシュールなコント集で、酒場で唄うシーンなんかはググッと惹かれたんですが、観念的な内容のコメディなのに、いかんせん自分には生活感や社会背景の文脈が共有できていないせいで、十分に楽しめなかったんだと思う。
これはめずらしい!
まーーーったく面白くなかった(笑)
どこも、一箇所も面白くなかった(^^;;
どのシーンもアップがなく定点撮影
役者の表情も伺えない…どメイクだし
なにを言いたいのか考えるに
人はあっさり死ぬ…もしくは
人はあっさり死なない
と言うことだと思う
フジテレビのコントのごとく
「笑う犬の生活」など00年付近のフジテレビのコント番組を連想した。そもそも理解してもらおうという気なんて更々ないロイ・アンダーソンの作家性がついに大爆発。
セットで映画を撮ることの素晴らしさを再認識させてくれたが、だからといってよくわからない設定を紐解く気にもならず、退屈な映画という総括で許していただきたい!
唯一、猿が電気ショックを浴びるシーンだけは例外に笑ってしまった。
アコーディオンの音が心地よい
待ちに待ったロイ・アンダーソン作品。
頭、使うんだなこれが。
頭使って観るから観終わったときの疲労感はんぱない。
でもこれがロイ・アンダーソンおじさんの醍醐味だと勝手に思ってる。
少ないセリフ。これでもかというくらいの間の取り方。サラッと描かれる人の死。
アコーディオンの音。
シンプルだから一番難しい。
とにかく感情移入しにくい。
スウェーデンの冬。それはそれは寒くて長くて、暗くて。寒くて。長くて。暗くて。そんな冬を知ってる人にしか作れない世界観。
映画館で観てほしいぜひ。
難解。忍耐力と睡魔との闘い
3部作の最後しか見ていないためなのか、それともヨーロッパの歴史に精通していないためなのか、難解な作品でした。
静的な画面の連なりに、言いようのない睡魔に度々襲われ、さらに理解困難になったと思います。
フィックスとはいえ、画面の隅々であらゆる演出が成されていて、とてもじゃないけれど、1度では全てを捉えきれないと感じました。
作品の意図するところを感じ取らなければ、ほぼ退屈な作品と見做してしまうことでしょう。そう言っている自分自身がまさにそう思ってしまったわけです。
とはいえ、金獅子賞という謳い文句にそそられる人は多いはず。見る前の予習は惜しみなくしておいた方が賢明です。
全44件中、21~40件目を表示