薄氷の殺人のレビュー・感想・評価
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彼女に関わると死ぬぞ
過去に、レンタルで観ました💿
バラバラ殺人事件を追う元刑事が、事件と関わりのある美しい女性に段々と近づいていき…。
グイ・ルンメイの幸薄い感じが、にじみ出てましたよね😥
ラストはリャオ・ファンに全てを悟られてしまったということですかね。
彼女も彼女で、苦労はしてる感じでしたが…。
エンディングで屋上で踊り狂ってるのは主人公なのでしょうが、あえて映さないのは監督の意向でしょうか。
彼女は幸せになれない運命なのでしょうかね…と考えてしまう終わり方でした。
ただグイ・ルンメイは、凄く美人さんですね🙂
余白と赤
余白のとり方が非常に印象的なノワールもの。
なんで踊ったの?なんで笑ったの?と
さまざまな解釈ができるところはやっぱりカルト的な人気を呼ぶところで、
それは作品全体としてのクオリティが高いからこそなんだなあと。
ただバラバラ殺人のミステリーって意味では薄味だったと思う。
でもまぁ、一番先に感想として出てくるのはやっぱり
画面を隔てた見る側ですら、ぐっと引き付ける魅力をたたえたグイ・ルンメイ。
ずっと泣いてるようにも見える表情だとか、少年のように華奢なスタイルだとか
そんで大きな転換点を迎える場面での、はっとさせられる”赤”の使い方とか。
そういや中国は赤色を大切にする文化だったっけ。
主人公はジャンなんだけど、それ以上に主役は彼女だよと言わざるを得ない。
前述のミステリー要素の部分で正直 期待したほどではなかったけど、
見てよかったと思える作品だった。
裏美容院のシーンで持ってかれる。
ピンクの照明がうるさいタイル張の美容院。冗談でしょ?みたいな格好をしたチンピラはきっと悪いやつじゃなさそうだな、と思っていました。ひと段落して一服しながら刑事達が雑談し、弛緩しきった空間で上着からゴトンとでてくる拳銃。落ちてチンピラが拾うまで異様にゆっくりなので、いやー、これはまさか撃ったりしないよねー…と充分に嫌な感じを味わってからパンとくるのでまるで目の前で起きたように、えっ?ってなりました。最後のシーンも良かったけどこのシーンで頭いっぱいでした。
中国北部の庶民的な視点から観た映像は素晴らしいが。。。
斎藤工さんが映画工房で薦めていた『鵞鳥湖の夜』の予習がてらに観た。
中国映画にあまりなじみがなかったので、最初登場人物の名前がごっちゃになって、
何度か戻って見返してしまった。
全体としては、ポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』や『母なる証明』から極力セリフをカットしたような
映画という印象を受けた。セリフが少ない分、中国北部の地方都市の庶民的な視点で撮影した映像がとても良かった。寒さも凄く伝わってきた。
ストーリー全体としては、ジャン刑事が事件を追う緊迫感は伝わってきたもの、
最後がちょっと残念な終わり方だったかな、という感じだった。
ただ見ごたえはそこそこあったので、『鵞鳥湖の夜』も劇場で見ようと思う。
観た
シネマカリテ、全席制に。久しぶりに、隣の人がいる状態で観たわ。緊張。
さて、家族が絶賛する本作を、俺も、ようやく観た。英語題は「黒炭、薄氷」(black coal .thin ice)、中国原題は、「白日の花火」なんだね。英語も日本語もなぜ変えたんだろう?
面白く、テンポよく観られたけど、あんま、わかんなかったわ。容疑者の兄弟が射殺されるシーンは印象強かったけど。ラストのダンスも爆竹も、違和感なく観たけれど、「あれ、何?」だわ。
家族に聞いた。「にっちもさっちもいかなくてなっちゃって、踊ったんじゃないの?」
をを、そういうことか。いいじゃん、それ。俺って、まったくそういうことに気づかないなあ。教科書人間かよ、ってちょっと自己批判的に悲しくてなったりして、そこはアジア映画っぽいんじゃない、と思ったりして。
>ベルリン映画祭:通称ベルリーナ。社会派の作品が集まる傾向がある。また、近年は新人監督の発掘に力を注いでいる。金熊賞は、最高の賞で映画賞にあたる。(以上、Wikipedia より)
中国の NOW を描いたってところが高く評価されたのかな。二転三転もちゃんとしてるし、主人公の「うだつがあがらない」の、全編通して、見事な表現!
youtube での宇多丸さんの語りを聞いたら、もう一度観たくなりました。
私の理解力のせいか、イマイチ楽しめず
映画マニアとしても有名なライムスターの宇多丸さんが「面白い」と絶賛されていた映画。前々から観たいと思っていましたが、ようやくの鑑賞です。内容については何も知らない状態での鑑賞でした。
結論から申し上げますと、正直あんまり楽しめなかったです。なかなか考えさせられるシーンとか美しい映像描写とか、「おぉ。」と感嘆を漏らすような場面もありつつ、しかしながらイマイチストーリーも理解できなかったし、登場人物の心理も分からないものが多かったです。しかしこれは映画の質が低いとかでは決してなく、単純に私の理解力不足のように感じます。全体的に台詞が少なく、登場人物たちの表情や仕草から心情を読み解く能力が求められます。
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1999年、中国で起こったバラバラ殺人事件。広い範囲に点在する15箇所の石炭工場で、次々に遺体の一部が発見されるという奇妙な事件だった。刑事のジャンが捜査を担当したが、容疑者が警察との銃撃戦で死んでしまい、捜査の手がかりが無くなってしまった。5年後、警察を辞めて警備員として働いていたジャンだったが、かつての同僚と久々に会った際に5年前のバラバラ殺人事件と似た事件の捜査を行っていると聞かされる。事件の容疑者である美しき未亡人のウーに接近し独自に捜査を始めるが、やがてジャンはウーに惹かれてゆき……。
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人物同士の関係性や心情や葛藤にフォーカスを置いた、ヒューマンドラマ的なサスペンス映画といった印象。
とにかく役者陣の演技が素晴らしかった。主演のリャオ・ファンはベルリン国際映画祭で最優秀男優賞を取っただけあって圧巻の体当たり演技。美しき未亡人を演じるグイ・ルンメイは、美しくて物憂げだけど瞳の奥が濁っているような、言葉では表現できない役を見事に演じきっていたように見えます。
食事描写も良かった。映画の中における食事はキャラクターの人間性を見ることができる重要な要素のように感じます。ジャンが食事をする描写が作中に3回くらいありましたが、そのどれも肉まんに似たような点心と、追加でスープやおかゆ。非常に質素なものです。
原題は『白日焰火』、英語題名「Black Coal、Thin Ice」日本語題名「薄氷の殺人」どちらもこの映画の本質を伝えてはいないぞ。見事に欧米版から中国版に換骨奪胎したフィルム・ノワールの佳作。
①最初のショットに魅せられた。「ああ、いいなぁ」と。その後もところどころにハッとしたり魅せられるショットあり。映画だ。②中国でこのような良質のフィルム・ノワール、ファム・ファタールものが作られるとは驚き。③謎はすべて解き明かされる必要はない。推理ものではないんだから。アメリカのハードボイルド小説や映画も謎解きよりも業に翻弄される人間達を雰囲気たっぷりに描くのが主眼なんだから。④考えてみれば事件を追う刑事(普通は探偵)が、事件の核心に近づくにつれ事件の中心にいる女に惹かれていくところは古典的なハードボイルドものそっくり。⑤桂纶镁は質素な佇まいでほぼ全編を通すが、遊園地の観覧車で廖凡と愛し合った翌朝出かける前に赤い口紅を塗ったところでこの映画のファム・ファタールとしての本性を表す鮮やかな演出。口紅というところは『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(1944年版)へのオマージュか。⑥そしてラストシーン、盛大にビルの屋上から打ち上げられる白昼の花火(白日焰火)、これは愛しそして自らの手で追い詰めた女への送り火、見事に『farewell, mylovely』へのオマージュシーンだ。
中国映画は久しぶり。寝坊して最初の7-8分を見逃したのは残念だった...
中国映画は久しぶり。寝坊して最初の7-8分を見逃したのは残念だったが、中々良い映画だった。ベルリン映画祭で賞を総ナメにしたらしい。主演の男優、女優が美男美女揃いだった。冬のシーンが殆どで中国の寒さが伝わってくる。邦題は良くないと思う。
見終わってぐったり
説明ゼリフはなく映像で色々語られているので途中で振り落とされないようにと必死に考えながら鑑賞。のため他のレビューの方のように映像、演出を味わいきれなかった。こういう映画に慣れてないからかな。印象に残るシーンや演出は多々あって退屈はしなかった。が、ぐったり。またいずれ見直そう。ちょこちょこ挟み込まれる細かなギャグは面白かった。
白昼の花火
なんか観てる最中は、人物の感情がよく分からなく進んでくけど、見終わって考えてる時にだんだん分かってくる感じ。じわじわくる感じ。
ただ、あの女の人にはあまり魅力をかんじなかったな〜
魂のぶつかり合いって感じはした
白い息が良いアクセントになってた。絵になってた。
ロケーションの良さ
中国の貧困層??なんか派手だけど不衛生だったり、やたら寒々しかったり、そのロケーションにじんわり色々感じるものがありました。
演出がすごく控えめで、ストーリーがわかりずらいですが、渋い脚本で良かったです。
何度もみたくなる作品
二人の関係はいったい何だったのか?
純粋な愛がそこにあったのか、なかったのか・・・
観方によってどうにでも解釈できる不思議な映画でした。
自分の中では「その男、凶暴につき」や「CURE」のように時間が立つとなぜかふとまた観たくなるそんな映画になりそうです。
画面から伝わる中国の現在
このところ、近隣アジアの若い監督の映画に興味をひかれている。画面から滲み出てくる暗くて、沈んだ風景に惹かれる。この作品でも、ディアオ・イーナンはインタビューで、「今の中国の現実の景色を撮りました。私が撮りたかったのは、白く美しい雪景色ではなく、踏まれて汚れた雪」と発言している。すべてを覆い尽くす白い雪ではなく、薄く積もった雪から覗く地面の黒い色が、中国の現在の姿を伝えてくれるようだ。
原題の方が遥かに良いのに…
まさに「白昼の花火(原題)」と呼ぶのが相応しい一本。
真昼の花火のように、決して目立つものでは無いけれど。
それを見て、物を思う人間がいるのも確か。
そして自分はまさにそんなセンチメント人間なので、この作品にはハマったと言えよう。
雰囲気、空気感で成り立つので、観る人を選ぶが…
それでも冒頭のトンネル、終盤近くのダンスホールのシーンでは鳥肌モノ。
それ以上に何より素晴らしいのはグイ・ルンメイ!
彼女の存在感が無ければ、作品自体が空中分解していたに違いない。
うん、改めて不親切が魅力の作品だ!笑
個人的にはサスペンスの色がもう少し濃ければ…とは思うものの。
そこを含めて、「感じる」事が試される作品。
かっこいいけど眠い
中国の殺伐とした風景や生活実感の伴った登場人物が非常にブルージーでかっこよかった。演出も淡々としていてかっこいいんだけど眠くなる。4回くらい意識を失ってしまった。
主人公のおじさんが粗暴で雑で野良犬感たっぷりで魅力的だった。
連続殺人ものなのだが、とにかく演出や語り口がクールなので話を追ったり物語を理解するのに注意力が必要だった。中身がなくてまったりしている映画では全然なく、ドラマ性は非常に高い。でもそれを感じさせないように演出がクールすぎる。
殺人鬼のおじさんは死人として現実を生きていて、スケートが趣味、どんな人生だったのだろうと思いを馳せてしまう。
犯人の弟が銃を撃って刑事と撃ち合いになる初めの方の場面などとてもかっこよかった。観覧車からクラブを見下ろす場面もよかったし、クラブのママが突然笑い出してお風呂に服を着たまま入る場面もよかった。見終わった直後はそうでもなかったけど、今改めて見返したい気持ちが湧いてきた。
邦題が…
ヒロインが猟奇的殺人を繰り返すのかと思いきやそうではなく、かといって何にフィーチャーしていたのか、何をメインにしたいのかよくわからなかった。
セリフも少なく、場面がよく変わるし、映画に置いてきぼりを食らってしまった。
序盤の床屋での銃撃シーンで盛り上がって、あとは睡魔との戦い。
結局何が言いたかったのかよくわからない。
この辺がまだ消化しきれないんです。
なんか、面白い。なんか、印象的。ただまだこの感じが言葉に出来ないんです。6才とブダペストを抑えての国際映画祭戴冠ともなると難解な作品の可能性もあるなと思っていたが、ブンミおじさんとかよりは理解できた。そして面白かったとも思う。でも世間で傑作ノワール!と言われている理由が、色々な評論を見聞きして理解できるレベル。実感としては半分かそれ以下か。この辺がちょっとコンプレックスなんだよなー。武蔵野館で上映前に「あの曲」が流れてて、え!?と、思った。
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