家族はつらいよのレビュー・感想・評価
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東京家族とキャスト一緒
ちょっと息抜きに観るには丁度良い佳作。
3世代家族で暮らす家族の長年の不満がまとめて飛び出すコメディ。
近年の山田監督作品に出演した俳優をかき集めて作られてるから勿体ないくらい(笑)
熟年離婚を切り出した母親を皮切りに、家族同士の言いたいことが出た末に父親が倒れそこから家族を考えるようになる。
ストーリーだけ追うと王道の喜劇。
特に目新しさはないが故に、安心して観ていられる(笑)
脇役も豪華で笹野高史の警備員、ディアドクターのニセ医者姿を思い出す医師役の鶴瓶、似合わない探偵の小林稔侍、安定の呑み屋の女将さん風吹ジュン。
ラストに見ているTVが『東京物語』で分かりやすいパロディが一杯。
抑えぎみの演出をどうみるか?その人次第とは思うが、私は意外に楽しめたです。
我慢したり喧嘩したりしても仲の良い家族だった
笑えるところは沢山有ったけど、最後は予定調和で少しモヤっとした。
いろいろ不満や問題が有っても全て飲み込んで、我慢したり喧嘩したりしながらも一緒に暮らすのが家族なのかもしれない。自分勝手なことを言いながらも、ちゃんと家族のために家族会議したり予定を取り止めたりして、仲の良い家族だった。
これぞ『喜劇』というのだろうな。 役者が生き生きしていて面白く、そ...
これぞ『喜劇』というのだろうな。
役者が生き生きしていて面白く、それぞれの個性がハッキリしているので見やすかった。
ストーリーはただの内輪もめと言ってしまえばそれまでだが、現実の枠を飛び出さないのもまた良し。
役者の魅力を味わいながら観ていると、あっと言う間に話が進んで無事エンド。
まるで舞台を観ているようにも感じた。
私にはなぜか寅さんの面白さがわからないのだが、この映画は楽しめた。
逆の感想が多いようだが、好みの問題なのだろう。
喜劇 家族はつらいよ
「男はつらいよ」以来となる本格山田喜劇。
あれ? 寅さんのすぐ後に「虹をつかむ男」って無かったっけ?…と、まあ、それは暗黙の了解という事で(^^;
本格喜劇と言ってもいつも必ずユーモアがあるのが山田作品なので特別久し振りという気はしなかったが、見て納得、確かにこれは久し振りの山田喜劇だ!
ある老夫婦の熟年離婚と振り回される家族のてんやわんや。
最初から最後まで、ちょっと惚けた、ついクスッとなるような、ベタでもあるような笑いの盛り合わせ。
自身の代表作を彷彿…と言うかそのものスバリのタイトルからも窺い知れる。
勿論、山田作品に一貫している家族を見つめたドラマも根底にしっかりとあるが、割合的に約7:3で笑いの要素が強い。
例えば、義父がオレオレ詐欺に間違えられる冒頭なんて、きっとニュースで見ててこれは笑いに使える!…と山田監督の悪戯小僧な部分が何だか見えて可笑しかった。
今の世だから抑えられているものの、寅さん時代だったらもっと過激であったろう不謹慎な笑い。つまり、寅さんでもよくあったまだ死んでないのに葬式の相談をするってやつ。私はこれをブラック山田と呼んでいる。(たった今命名)
終盤の家族会議。本来ならピリピリムードをチクチクした笑いで緩和。
ここずっとシリアス作品が続いた山田監督だが、リラックスして楽しそうに撮影している姿が浮かんだ。
可笑しさに拍車をかけているのは、キャスティング。
だって、シリアスに家族を問うた「東京家族」と全く同じキャスト&設定なんだもの。
親夫婦、橋爪功と吉行和子。
長男夫婦、西村雅彦と夏川結衣。
長女夫婦、中嶋朋子と林家正蔵。
次男に妻夫木聡、その恋人に蒼井優。
ついでに飲み屋の女将に風吹ジュン、橋爪功の学生時代の悪友に小林稔侍まで!
同家族で今度は喜劇を作ろう!…なんて、それが一番笑えるかも。(「東京家族」を見ておくとまた良し)
役の性格もちょっと変わってたり、中には180度真逆だったり。
例えば、厳格だった橋爪父はひがみたっぷりの頑固親父に。(橋爪功が名喜劇役者!)
開業医で真面目だった西村長男は頼りないサラリーマンに。
定職に就いてない困り者だった妻夫木次男は親思いの真面目な息子に。
(尚、「東京家族」で父とソリが合わなかったのは次男だったが、本作では長男に)
長男の嫁は変わらずしっかり者と思いきや、両親の離婚=子供たちの受験に悪影響と本音が漏れるリアルなママに(笑)
長年連れ添った妻が切り出した離婚の理由。
うう、世の夫たちにはじわじわボディーブロー。
でも、それは本当は…。
突然の家族騒動記に巻き込まれたような次男の恋人。
その所々のフォローに、家族の在り方をほっこりさせるものがあった。
笑いのレベルが古臭いとか時代錯誤とか言われてるけど、個人的にはこういうほのぼのとした笑いの感じは好き。
この一家には飼い犬が居て、何とかを食わないとか、雨降って地固まるな最後とか。
オマージュや小ネタもちらほら。あの名作で締める“終”は憎い演出。
欲を言えばあの作品のようにもうちょっと時間を削っても良かった気もしたが、面白かったからOK!
“コメディ”じゃなく、“喜劇”って言葉がぴったりの、これぞ昔ながらの“日本の喜劇”!
先日、続編の製作が決定。
確かにこの家族の続き、見てみたい。
「続・家族はつらいよ」とか、
「家族はつらいよ 周造奮闘篇」とか、
「家族はつらいよ 庄太恋やつれ」とか(笑)
お年寄りと笑いを共有する素敵な時間でした
正直いうと山田洋次監督作品は、
あまり見たことがありません。
個人的に寅さんや釣りバカのような、
量産型なシリーズものが苦手だからです。
それでも「東京家族」は好きだったので、
同じキャストで喜劇ということで興味が湧きました。
誕生日祝いに「離婚届に判をちょうだい。」
突然奥さんに言われた家長の修造が慌てふためき、
人情劇が転がっていきます。
そんな熟年離婚に振り回されていく家族の様子で、
2時間まるまる楽しい。
家族崩壊を描いているのは「東京物語」と同じだけど、
こっちはあたたかく壊れていきます(笑)
パラレルワールドのように意図的に対比させているのが、
実験的で面白いですね。
まるで家族あるあるの連続だから、
兄弟がいる中年以上の人は共感が大きいでしょうね。
そういえば劇場予告編で
「松竹大船調のホームドラマ復活です!」と
夢之助さんが押し付けがましく言ってました(笑)
これは松竹の映画製作が蒲田から大船に映った時代に、
これからはニッポンの典型的な家族を舞台にするという流れでした。
経済や社会問題もその会話の中で描き、
誰もが楽しめる映画を作るという思想ですね。
だからこの映画の舞台もサザエさんのような、
今ドキ珍しい三世帯家族。
亭主関白で、奥さんが敬語を使うとか昭和臭がプンプン。
古き良き日本映画を再現しようという意識が働きすぎて、
今の時代の人にはピンとこないかもしれません。
そもそも大船調は共感を作るということが目的でしたから、
もう少し今の時代にあわせた
ホームドラマにすべきだとは思いました。
でも昭和な雰囲気の中でも
古臭くない佇まいなのは、
冒頭の横尾忠則氏のタイポグラフィや、
久石譲のヨーロッパシネマのような
雄大でコミカルな音楽のおかげ。
巨匠のシゴトはさすがですね。
俳優陣も、
舞台のような大げさで分かりやすい演技の中、
妻夫木聡さんの泣き虫な次男と、
蒼井優さんの芯のあるやさしい女性が今っぽくて、
際立ちましたね。
いつも違った表情をみせてくれる実力派の二人に、
この作品でも楽しませてもらいました。
想えば軽妙なコメディを劇場で共有する体験は、
なんか久々だなぁ。
こういうのって、邦画の楽しみの一つでしたね。
劇場では周りはおじいちゃんおばちゃんばかりだったから、
一緒に笑えて楽しかった。
家族みんなでTVを見て、
笑ってた子供の頃を思い出しました。
こんな切ない時代に、
映画館でちょっとだけ温かい気持ちになれたのが、
何より嬉しかったのです。
『東京家族』のキャストと同じメンバーなので、楽しみにしていた!
いや〜笑いましたね。家族会議のシーンは、漫才を見ているみたいで、面白かったぁ!よーく見てると、『男はつらいよ』のDVDケースがあったり、『東京家族』のポストが貼ってあったり、『東京物語』の作品を見ているシーンがあったり、見ごたえ満載です!うなぎ屋の人も『男はつらいよ』の歌を歌っていたりね♪
こんな家族もあるかもね…。
前作の東京家族と同じ家族構成でありながら、全く異なる家族が描かれており、その意味でも意欲的な意図を感じて面白かった。
決して平均的な家族ではないのだろけど、こういう家族もあるのかも知れない。
いずれにしろ、どちらの家族にも喜怒哀楽画像あって、それを乗り越えながら(やり過ごしながら?)生きていくということが、山田監督のメッセージなんだろうなと感じた。
安定した笑い。
すってんころりん、転んだり、蹴躓いたり、ぶつかったり、騒がしい。
でもその騒がしさが全部笑いになる。白けない、絶妙なタイミング。
キャスト陣の息がぴったり。
上映終了も近いのに、席は結構埋まっていてびっくり。
笑いに包まれる劇場も相まって微笑ましかった。
他人もつらいよ。
いかにも昭和風情の漂う一家を主役にしたホームドラマ。
よくある事件によくある決着という「またか」という展開が
実際当たり前に起こることから中高年には共感必至かも?
我が家の母は、この奥さんのように文句も言わずに亭主に
仕えるというタイプではなかったので(汗)実感し辛いうえ、
長男である兄貴もサッサと家を出て地方で結婚し家を建て
年に何回か顔を見せる程度なので、この家の苦労を一手に
背負っているような(相続上は他人の)長男の嫁がいちばん
気の毒に思えた^^;次男の引っ越しの際、その彼女に手を
差し出し「あなたが羨ましい」といったのは正に本音だろう。
ただ昭和の家族事情はこうだったんだよなぁーがいっぱい。
熟年離婚も珍しくなくなった昨今、女性が思いきってモノ
を言えるようになり、食べていけるようになって、時代は
男性主導ではなくなってきたが、まだ監督の世代などには
こういう家庭が一般的なんだろう。そこは見ていて面白い。
小津の頃から親子間は複雑で自立を伴い他人が入ることで
其々の思惑もどんどん変わる。実の親だから子だからなど
もういえない時代になってきているからこそ作られる意義
のあるホームドラマ。つらいよ、っていうのもよく分かる。
(山田組が好演。他作品とも被る顔ぶれなので続編に感じる)
雨降って地固まる
東京家族と同じキャストの喜劇。
長年連れ添った夫婦に離婚問題が浮上し、子供家族が何とかしようとアタフタ奮闘する。
熟年離婚が題材でこの問題に家族が結束し真剣⁈に話し合うシーンがメイン。
そこにはこれから家族になる次男の彼女も同席している。
話し合いがエキサイトし意識を失い救急車に搬送されるシーンでは次男の彼女が看護師で、処置が早く助かったとか、引っ越しで家を去る道中の公園でのシーンで、お父さんに言った言葉など、家族以上に良い働きをしている。
東京家族でも蒼井優が良いとこ取りだったが、今回も同様だった。
小津安二郎の映画のワンシーンが流れていたが、そのシーンも然りである。
家族って…?
自分の事ばかりで相手の気持ちを理解出来ないのが家族なの?と、思ってしまう山田洋次監督の作品。
結局は、私利私欲の無い次男と彼女が良い人みたいだけど、毎日大家族の為に家事、育児をする主婦にありがとうと言う気持ちを伝えて欲しいと思う。
毎日、毎日、当たり前のように食事が出来、洗濯された洋服を着れて、掃除された部屋で過ごせる…
これって幸せなことですよね。
誰でも楽しめる映画
観客は確かに中高年の方が圧倒的に多い。
だけども、人は誰もが誰かの息子だったり娘だったり、妻や夫だ。
それぞれの立場で<あるある>と苦笑しながら振り返りつつ笑って観られるはずだ。中高年の人向けの映画にしておくのはもったいない。
今年観てよかったと思う映画の一つ。
良質なホームコメディ、橋爪功の独壇場?w
イオンシネマ港北NTで2016/04/12に鑑賞。
久しぶりに良質なホームコメディ観た気がした。
橋爪功の独壇場とも言える演技ぶりで、頑固で融通が聞かない爺さんぶりが、一挙手一投足まで徹底していて面白かった。
吉行和子の多くは語らずも強固な意思で亭主と別れようとする静かな怖さの演技も良いw
脇を固める出演者たちも計算され尽くした配役ぶりで安心して観ていられるコメディ。
家族を知らない娘を演じた蒼井優の、トラブル続きながらもこの家庭に温かさを見出して、関わっていこうとする演技も良かったです。
「家族はつらいよ」を観て・・
安心して観られる山田洋次監督のアットホームなドラマ。最近は「小さいおうち」や「母と暮らせば」など作品に反戦ムードが出ていたが、これは完全に3世代同居の笑えるホームドラマ。最後に小津安二郎監督の「東京物語」のビデオが流れていたが、山田洋次監督は小津安二郎監督を徹底的に研究しているらしい・・笑える家族問題は結果として幸せな家庭を築くが、現代の問題は貧困や格差、労働環境や老々介護などもっと根深い・・
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