プリデスティネーションのレビュー・感想・評価
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これは発明だ
「実はあれは自分だった」というオチはタイムスリップものにたまにみられるが、この作品はなんと、、、
「自分を産んだ母親は自分だった。その種付けをした父親も自分だった。つまり両親が共に自分だった!」
という誰も考えようとさえしない荒唐無稽な「夢のオチ」を、凄いアイデアで実現している点で唯一無二な作品である。(かなりの力業ではあるが。)
その設定のアイデアは、、、
「両性具有の女性が → 出産時の手術により男性になり → その男性がタイムスリップして → 女性時代の自分と出会い → 二人は恋におちて出産する → その赤ん坊が冒頭の両性具有の女性」
と、なんとも執念を感じる設定。。^_^
ただ、陸上のセメンヤ選手やパリ五輪で話題になった男性ホルモンが多い女性ボクサーがひろく知られるようになった今、「両性具有」という設定に関してはそこまで荒唐無稽と思わなくなった。タイムスリップは今も変わらず無理目だけれど。
始まりはどこ?終点はどこ?
彼女(&彼)が産まれたのはタイムマシンのエラー?
永遠に時空を行き来する彼女(&彼)が不憫でならない。
✴︎Xで推奨してくれた人に感謝。
複雑で、シンプルな物語でした。
複雑すぎるSFの物語。でも、全ては繰り返しのシンプルな構図。正直、自分が理解し切れているかどうか不安なのですが、全ては繰り返しの物語だと理解しました。冒頭で、「鶏が先か卵が先か」という問いかけが、物語の全てを象徴していて、その繰り返しであるという構図がとても気に入りました。ただ、結末がモヤモヤとしたままなので、少し消化不良気味。自分の理解不足のためかもしれませんが。ネタバレするなら、たった一言。「全部俺」
映画ポスターとは違うが
爆弾魔の阻止が物語の中心であることを期待していると肩透かしを食うかもしれない。物語の主軸はサスペンスではなく人間ドラマであり、いわゆる『男性』がバーテンダーに打ち明けるような、『女性』が雑誌に投稿するような、不幸な身の上話を壮大にしたものであるが、それがタイムリープのからくりを絡めて実に臨場感のあるドラマに仕立てられており、ジェーンの、ジョンの、バーテンダーの、その時々の人生の悲しみを伝えている。
タイムリープのからくりはハインラインの原作を忠実になぞっているが、爆弾魔の存在は映画だけのもので、原作の骨組みを効果的に膨らませた物語になっており、冒頭シーンの見せ方の妙に始まり、エンディングに時系列に沿った回想シーンを入れる親切さもあり、映画として素晴らしい完成度である。また俳優達の静かな表情の演技も素晴らしく、これがなければ物語の深みは得られず、ただの身の上話で終わっていたであろう。
映画ポスターの『最後の任務は爆弾魔の阻止』というフレーズは違うと思うのだが、それもタイムリープのからくりの驚きを増すための演出と思えば許せなくもない。
所々にある時代を超えた邂逅のシーンがとても切ない。ジェーンとジョンの出会いのシーン。バーでの長い語らい。また映画の後半に冒頭シーンの再現として出てくる爆弾魔に迫る場面で、バーテンダーがジョンに装置を抱かせ、お互いに無言で目を合わせるのが印象的で、鎖を断ち切ることができない宿命を体現しているように感じた。
バーテンダーに扮し最後の任務を全うする主人公は、若い頃と違い、人の痛みを理解し寄り添うことのできる人物となっているのがまた印象的だ。人生を壊した男を恨み、同時に愛し、会いたいが会うことができないという孤独の寂しさまで滲ませる。素晴らしい人生賛歌であった。
撮りたい内容を上手く脚本に落とし込めなかったであろう作品
タイムマシンで過去に行って爆弾魔の犯行を阻止する、というのをメインストーリーに置いて、
・自分と別時代の自分の対決。
・物事の起点が分からないような作品。
がコンセプトの映画です。
まず登場人物が、大まかに言って全編通して、自分と時空警察の上司みたいな2人しかいません。
後は全部、別時代の自分です。
ですので、とてつもなく規模の小さい話です。
別時代の自分を自分だと視聴者に気付かれない様に、二つのミスリードがあり、一つは両性具有による性別変更で、もう一つは再建手術による顔の変更です。
過去に対して不要な改変すると死刑になるらしいのですが、冒頭から主人公(男)は意味無く過去に行きます。
そこで過去の自分(男)と話し、「爆弾魔の犯行を阻止する為」と唆して、そいつを連れて更に過去に行き、男になる前の、女だった過去の自分に過去の自分(男)を出会わせ、恋させて妊娠させます。
過去の自分(男)に捨てられたと思い、妊娠により仕事の展望を閉ざされた自分(女)は、難産で女性器を摘出され男になり、生んだ我が子は病院から何者かによって奪われ、しがない物書き=過去の自分(男)になります。
現在の自分(主人公)は爆弾魔の犯行を阻止できず、爆発で顔を失い、再建手術で別の顔になります。
過去に行き、自分が生まれ育った孤児院の前に、過去の自分(女)から奪った赤子の自分を捨て、未来で爆弾魔である自分を撃ち殺します。
タイムトラベルを繰り返した副作用で精神病になった主人公は爆弾魔になり、過去から来た自分に殺されます。
以上がこの映画のストーリーですが、過去の自分(男)の人生の回想録が映画の尺の大半で、大した抑揚も無い面白くも無い身の上話しが続くので、疲れます。
そもそも、主人公がタイムトラベルして過去に来ないと、自分自身が産まれないという矛盾があるのでストーリーが破綻しています。
爆弾魔の犯行を阻止するのが目的なら、そもそも主人公にタイムマシンを与え無ければ、それだけで主人公の存在が成立しなくなり、事足りる話です。
そういった脚本の不出来を「宿命」というキーワードで無理矢理成立させようとしていて厳しいです。
どうあがいても変更不可の物事の流れがあるなら、そもそもタイムマシンが意味無いですしね。
過去に行って、将来の爆弾魔を誕生させる改変をした主人公は、単に死刑で万事済む話です。
メビウスの輪
時空警察官の過去現在未来をぐるぐる回るパラドックス、劇中でも卵と鶏、どっちが先かと言っていたが主人公は雄鶏と答えていた、先ず雄が無ければ始まらないということなのだろう、ただ、鶏は交尾が無くても卵を産みますから矛盾ですね。
本作も(ネタバレ)赤子、母、父、時空警察官、爆弾魔が同一人物というややっこしさがあり、正直、当惑以外の何ものでもありませんでした。
バイオリンケースがタイムマシンというのも意味不明、話の展開が奇妙で好奇心に釣られて最後まで観てしまいましたが凡人のおじさんには作家性が強すぎて手に負えない怪作でした。
爆弾魔を捕まえるためのタイムトラベル系
爆弾魔を捕まえるためのタイムトラベル系
伏線がたくさんあって引き込まれた!
ところどころ予想できちゃうところはあったけど、
まさかの両性具有の性転換はそう来たか!ってなった
タイトルなし
ドンデン返し作品と勧められて観てしまったから、新しい要素が出てくる度に予想してしまう観方をしてしまった。予想は全部当たっていたので気持ちは良かったが、つまらない観方をしてしまったなとは思う。
細かいところまで気にしだすと面白くなくなっちゃうタイプの映画
過去を変えると未来はどう変わるのか、本作は周辺への影響はそれほど考えず、あくまで自分だけに影響が出るという設定で話が進んで行く。
世の中に数多あるタイムトラベルモノでもよく見かけるタイムパラドックスの核心をつくニワトリが先か卵が先かの典型的な矛盾はどうしても拭いきれず、手放しで面白いと感じることは難しかった。
さらに主人公は極めて特殊な身体的特徴を持っており、それこそが実は本作の大きなポイントになっているのだが、そもそもだからと言って一人の身体で妊娠することは可能なのか、仮に出産までできたとしてもその子供は健康体なのかなど医学的な問題の方も気になってしまった。
ただ主要な登場人物のほぼ全てが同一人物という面白設定は今までにない発想で強烈な新鮮さだったのは間違いなく、考えれば考えるほど頭が痛くなるこのタイムループ設定と合わせ、この手の既存の作品群からは一つ抜けているように感じた。
イーサン・ホークは低予算モノに積極的に出演する大好きな役者だが、今ひとつ上手さを感じないという不思議なタイプ。
雰囲気が良いのかな。
鶏が先か、卵が先か
大どんでん返し!と銘打ったYouTube広告を見て興味を持ち視聴。
最初は全然話が分からなくて頭の上に「?」が浮かんでいましたが、なんとなくで解釈しながら見ていくうちに話がどんどん繋がっていき「?」が「!!!」に変わっていきました笑笑
怖い描写はそんなにないのに話が怖すぎる。
時空を移動できるということを完璧に駆使した作品で、
伏線が至る所に張り巡らされていてとても面白かった。
こっちは騙されるもんか!と思って視聴しているから
ある程度想定内の結末ではあり、ボマーになることもなかったかもしれない。
でも主人公なら最後の最後に結局フィズル・ボマー(不完全な爆弾魔)になってしまうのだろう。
心理描写も上手く、文句なしの作品でした!
面白かったー!
鶏が先か卵が先か
時間を越えて犯罪を阻止するエージェントが最後の任務で仕事を引き継ぐ話
時間を超えた弊害で爆弾魔になってしまった自分を撃ち殺し歴史は繰り返すEND
未来のアイテムで戦うエージェントの話ではなく時間の順序を読み解くミステリー作品。プリデスティネーション=宿命
理解が追いつかない
ジェーンでジョンでバーテンダーでエージェントでテロリスト
ジェーンとジョンの子がジェーン
テロリストを追うバーテンダーがエージェントを引退する為、ジョンに仕事を引き継ぐ
まだまだありますが、これ全部1人でやってることとか頭おかしくなって当然
精神異常、認知症の診断
ジェーンの「身体に誰か他の人が…」的な発言
両性具有
布石はいっぱいあったけど約90分で回収するテンポに理解が追いつかないってのがホンネ
面白かったとかより、すげえ映画だった笑
!?!?!?!?
よくわからないまま物語に引き込まれていき、わかってきたぞ〜というタイミングで驚きの展開が続き、え、え、えーー!?となり終幕。
面白かった!
それにしてもサラ・スヌークの男装がカッコよすぎて辛い。なんだあれは。
性転換した未来の自分と恋に落ちる、なんて文字だけ読むと流石にないわ〜と思ってしまうけど、彼女の変貌ぶりが凄すぎて自然に受け入れてしまった。
必見!!
2回観たくなる系!面白い!
「ニワトリが先かタマゴが先か」
あらすじを読んで何となくウォッチリストに入れっぱなしだった本作品。
パラドックス系も大好きだけど、これは度肝を抜かされた展開だった!
もう何も調べず先入観無しに観て欲しい。
分かると驚愕
入りから、「何が起きたんだ?」から始まり、バーの場面になる。青年が実は女優さんが演じてることにびっくり。マスターは、青年の生い立ちを聞き、過去にタイムスリップして絶望に追い込んだ男を殺しに行こうと誘う。全てが偶然じゃなくて仕組まれたことで、最後まで見ると「ん?」と何回か戻って確認したくなった。
確かに顔が燃えて、全然別人になったって言ってたし…。自分を絶望にやったのが実は自分って所に驚いて、え~ってなってたのに、実はあの爆弾魔も?!ってなって、混乱した。いや、でも予想外すぎて面白かった。
ただ宿命ってやつをかざして 立ち向かうだけなんだ
爆弾魔フィズル・ボマーがニューヨークを震撼させていた、1970年とあるバーにて。
“女子”だったと言う青年はバーテンダーに身の上話を始める。
孤児院で育ち、周りと少し違っていた“彼女”は、18歳でとある男性との子供を妊娠する。
しかし、その彼は失踪し、自身の子供も誘拐される。
自分の人生を壊した男への復讐のために、秘密を抱えたバーテンダーと共にある行動をとるが…
前情報ゼロで観た方が面白い。
途中でこの話のタネに気づけばオチは想像できるけれど、オチが分かっても十分面白いし、このタネに気づいてからガラッと印象が変わる。
察しのいい人なら、冒頭の整形で気づいてしまうかも。
青年の身の上話から、てっきり男たちへの復讐劇的なジェンダー作品なのかと思っていたのだけれど…
時空を跨いだ壮大なストーリーに見せかけて、本当はとても狭い世界で繰り広げられる内輪モメ。
自分が自分と出会って、
自分が自分に話して、
自分が自分に同情して、
自分が自分を助けて、
自分が自分と恋に落ちて、
自分が自分とヤって、
自分が自分の子供を妊娠して、
自分が自分の子供を拐って、
自分が自分を追って、
自分が自分を殺す
自分の尾を食う蛇は食べるのをやめたのだろうか。
宿命からは逃げられない。
自分に対しての被害者も加害者も、結局自分だったりじゃなかったり。
タイムパラドックスを利用した巧妙な時間&ループモノ。
イーサン・ホークの演じ分けとサラ・スヌークの見事な男装も素晴らしかった。
ってか、あのほんの少しの描写だけでR-15って…
何でもありになっちゃった
前半は淡々と進みすぎて、「これどうなるんだ」と思ってたら急展開。
緩急のある展開が良かったです。
実は同一人物だというのが連続で続くのはいいけど、爆弾魔だけは無理矢理ですね。
記憶に不具合がありますだと何でもありになっちゃう。
全員同一人物というのを目指したいがための言い分。
エレガントな話にしようとしすぎましたね。
観てる側を騙したいなら、登場人物をもっと多くしないと。
顔を替えた人=これまでに出た人物の誰かだろうと予測できるから、他にいないですもんね。
鶏が先か卵が先か
12モンキーズのように、タイムマシーンを利用して、未来に起こる惨劇を未然に防ごうとする話。さらに、もうひとひねり加えられているかが。
タイムトラベルで常に起こりうるタイムパラドックスの問題を、敢えて逆手にとって面白さに変えた タイムトラベルものの傑作のひとつだ。
冒頭はいかにもSF映画らしい出だしだったが、その後すぐに主人公がバーテンダーになっていて、その店にハンサムな男性客がやってくる。ジョークを言ってくれないかと言われ、バーテンダーが「鶏が先か卵が先か」の話をする。あとで、この言葉がまさか重要な伏線になっていたとは思わなかった。青年が、「私が少女だった頃・・・」から始まる独白が延々と続き(私もバーテンダー同様、青年が私が“少女”だった頃、と言いだしたのには驚いた)、タイムマシーンものの映画にしては関係のない話が長すぎないかと思ったが、あとでこれも重要な話だったことがわかる。個人的には、彼(彼女)のこの話が一番面白かった。このエピソードをもとに別の映画にしたほうがよかったと思ったくらいだ。この女性、どこかジョディ・フォスターに似ていて、最初はそれほどでもなかったが、映画が進行していくうちにだんだんとその魅力に引き込まれてしまった(好きになってしまった)。
肝心の、主題のほうは、タイムマシーンものでは常に矛盾が生じるが、この映画でも同じ疑問が生じた。しかも、こちらはさらに時空の無限ループのなかでの「鶏が先か卵が先か」という問題も生じている、というか、それがこの映画が言いたいことだったと思うが、どうしても矛盾がしっくりこない。ただ、逆説的に言い換えれば、このタイムパラドックスそのものを楽しむ映画かもしれない。
いずれにしても、前述のとおり、私が少女だった頃の話には惹きつけられた。眼鏡をかけた彼女は魅力的で、このエピソードの部分だけでも見る価値があった。あとで知ったが、ジェーンとジョンが同じ役者だったとは驚き。
衝撃の展開に開いた口が塞がらない。事前知識は無しで観た方がいい。
「タイムリープもの映画」を調べていた時に見つけ、結構評価が良かった本作。
内容に関する事前知識はほぼ無く、「タイムリープもの」という程度の認識で鑑賞いたしました。
結論、タイムリープ作品の面白さをこれでもかと詰め込んだ名作でした。
・・・・・・・・
過去と未来を行き来することができる時空捜査官(イーサン・ホーク)が、各地で発生する連続爆破犯を捕まえるために1970年に訪れる。バーテンダーとして身分を隠して働いていた彼のもとに訳アリの小説家であるジョン(サラ・スヌーク)が客としてやってきた。ジョンから、過去に出会った男によって人生が狂わされたという身の上話を聞かされたバーテンダーは、ジョンとともに過去へと渡り、男への復讐のチャンスを与えたのだった…。
・・・・・・・・
この映画、「タイムリープもの」という事前知識がある状態で観ていると少し驚かされます。映画冒頭に爆弾魔との格闘シーンがあったかと思いきや、時空捜査官である主人公はバーテンダーになっていて小説家の身の上話をしばらく聞かされます。多分上映時間の半分近く小説家の身の上話を聞くパートです。全然タイムリープしません。ひとしきり身の上話を聞いた後に、ようやくタイムリープマシンが登場し、過去に移動します。
映画観ていて何となくわかることですが、この映画のストーリーの肝は小説家の身の上話です。小説家が過去に経験したものの中に、自分が過去に行って干渉した事象もあるということですね。正直序盤の退屈な身の上話をしっかり聞いていないと後半の展開についていけないので注意が必要です。以前私がレビューした大泉洋主演の『アフタースクール』という映画と同じような「比較的動きも無くて退屈な前半パートをしっかり観ていないと後半の伏線回収が楽しめない」ってタイプの映画ですね。
原作小説の邦題が「輪廻の蛇」というそうです。多くの方が自分の尻尾に噛みつく蛇であるウロボロスを想起すると思いますが、映画の終盤でこのタイトルが回収されます。映画の劇中に何度か「卵が先か鶏が先か」という話が出てきますが、このセリフも結末を暗喩するものになっています。
この映画を観て実感したんですけど、伏線回収系やどんでん返し系の映画は「どんでん返し系ですよ!」っていう触れ込みで観てしまうと面白さ半減する気がします。少なくとも本作に関しては、映画の結末に繋がる重要なキーワードを比較的分かりやすく提示している映画ですので、伏線を探そうとして身構えてしまうと「これ台詞は伏線だな」と気付いてしまう構成になっていたため、ラストにある「衝撃の結末」「衝撃のどんでん返し」が中盤で分かってしまい、そこまで衝撃度は高くなかったように感じました。多分「どんでん返し系映画」という事前知識が無ければ気付かなかったと思うので、記憶を消してもう一度見直したい気持ちでいっぱいです。
衝撃の展開が楽しめるタイムリープ作品としては非常にレベルが高い作品だったと思います。オススメです!!
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