プリデスティネーションのレビュー・感想・評価
全183件中、161~180件目を表示
登場人物に魅力が感じられませんでした。
レビュー評価が高く楽しみにしていたのでずが…
前半の長すぎる基本ストーリー自体に魅力が感じられず。
核となるループを描きたいがために、人物の心理状況がおざなりでバランスが悪い。まず、自分が自分に恋をするって… 生理的にダメで感情移入出来ません。
そうなると結局グルグルしたいだけじゃん!て感じ以外なかった。
運命
Predestination とは、キリスト教でいう「予定説」(最後の審判で救済される人間ははじめから決まっている、という説)、もしくは運命、宿命の意味。
まさにこのテーマの映画で、予告の文章にあるようなかっちょいい爽快SFアクションとは全然違う、重く厭世観ただよう内容。
荒唐無稽な設定ながら、演技や映像が非常にリアリティがあって、ありえない話なのにありえるように見えて面白かった。
原因が結果に、結果が原因に、という逆転現象があちこちで起こってわけがわからない状態になっているが、結局主人公の運命は変わらない、変えられない、ということなのか。
この世界観において、歴史が変えられるのかどうか、というのは大きな謎だ。そもそも時空警察のようなものは、犯罪者によって変わってしまった歴史を修正するための組織のはずだし、作中にも歴史の分岐点を作ることは犯罪になるというセリフがある。
ということは歴史は変えられる、はずだが、なぜか主人公にまつわる歴史はまるではじめからその道筋が決まっていたと解釈しなければならないように思う。
少し深読みして解釈すれば、主人公のような歴史から切り離されたループ的自己完結的な存在そのものがありえないのだから、おそらく歴史が変わる前の本来の歴史がもともとは存在していたはずで、何度も複雑な歴史操作が繰り返された結果、ループ的因果関係がどこかの時点で発生し、そこから主人公の歴史変化が止まった(運命が設定された)ということなのかもしれない。
この映画は、運命についてなにか重要なことを示唆しているようにも思えるし、そうでないようにも思う。ただ、人の一生ということについて考えさせる。
親、子、憎む人、愛する人、上司、部下、みんな実は違う時間軸の自分だ、というのは、なぜか現実の人生にもあてはまるような気がする。
そして、時を経ると不可逆的に賢くなるわけでもない。未来の自分を否定することや、過去の自分を尊重することもまた大事なはずだ。
伏線は回収しきった気持ちのいい終わり方
貼っては回収、貼っては回収する面白い話でした。
最初のバーの話が冗長かなと感じたのですが、それを過ぎれば面白い。
中性的な若者の理由も納得しましたし、赤子の件もなるほどと思いました。
ラスト。結局殺した後にタイムトラベルしたらああなっちゃうのかなぁと思うと何とも言えませんが、伏線は回収しきったと感じたので、この流れになってしまうのは仕方ないんですね…。
繰返し…
再帰表現って、わかりますか?
タイムマシン系のネタは散々観てきたけど、開始1時間は「時空を超える的な話がいっこうに始まらないんですけど…( ̄O ̄;) って感じ。後半戦になってようやく前半の断片的ね前振りがつながり始めるのだが、それでもヤッパリ、物事がグルグル廻る系のストーリーに「ついて行けるんだろうか?」という不安がつきまとう。コンピュータープログラミング経験者ならわかってくれるかなぁ〜、この映画、再帰関数的な話なんです。
で、私的には最後のシーンは予想外! その一歩手前まではわかってましたがネ〜。
好き・嫌いがハッキリわかれる映画です。
※ヒロインってCG使って若作りさせたジョディ・フォスターだとずーっと思ってたのは私だけ?♪( ´▽`)
決して誰かとは観ないで下さい…
揺れる。
面白い
伏線回収の間隔と頻度が巧みな作品。
意外な展開と巧みな伏線回収が良かった。
序盤から漂う不穏感、覚える違和感。
提示された数少ない情報を基に話の展開を想定するものの。
想定する方向に話は進まず、関係ない話の枝葉が伸びていく。
繋がらない情報が提示され続ける中。
或る一場面で一気に伏線回収がなされる。
そして意外な展開に驚いている間に次の助走が始まっている。
溜めて回収、溜めて回収の間隔と頻度が丁度良く。
最後まで楽しめる作りになっていました。
また特殊な世界観を体現する役者陣も良かった。
特殊組織の一員を演じるイーサン・ホークも良かったのですが。
大事な役所を担うサラ・スヌークが秀逸。
場面場面で見せる様々な側面は意図した不穏感/違和感をきちんと付与していました。
伏線回収の間隔と頻度が巧みな本作。
予告編、粗筋、ポスターアートで前情報は十分。
全く前情報が無い状態で展開の意外性を楽しむのも良し。
限られた前情報で予め展開を想像した上で観るのも楽しいと思います。
オススメです。
SF映画が好きな人は速やかに
なかなか面白いぞ!
孤独と怒りの到達点
今さら偉そうに言うほどのことでも無いが、
SF映画は単なるエンタメ以上のものになり得る。
その世界観を利用して、社会や人間の姿を浮き彫りにすることが出来る。
本作の場合は、タイムトラベルSFの体裁を借りて
ナルシシズム(自己愛)や性的マイノリティの孤独と怒り
を描いているのだろうと、僕は勝手に解釈している。
※ナルシストと言う言葉は自惚れ屋とかの意味で一般に使われるが、
ここで言うナルシシズムはもっとずっと切迫した意味合いだ。
.
.
この物語の設定においては、時の“分流”を防ぐ為、
時空警察の人間は他人と必要以上に接触できない。
しかも主人公ジェーン/ジョンの場合は、
両親はおろか自分を理解し愛してくれる人もいない。
現代以上に性に対する理解が浅い時代なら尚更だ。
(実はタイムトラベラーという設定自体が時代に
受け入れられなかった存在のメタファーなのだろうか)
誰にも愛されない孤独な人生など生きてゆけないと絶望するなら、
あとは自分自身を愛するしか生きる方法はない。
後半のとんでもない展開も、勝手に奪われたかつての自分を
愛しいと思うが故と考えれば納得がいくし、
主人公自身が歴史に名を残す爆弾魔と化し、
己を殺しに来る己を待ち焦がれるというラストにも唸る。
優秀なエージェントだった彼があれほどの惨事を起こすに
至るまでが飛躍し過ぎて思えるのが不満点だが、
「お前が恋しい」と呟いたあのラストから何十年も歳を重ねる内、
理性に歯止めが利かなくなっていったのかもしれない。
どうして誰も自分の存在を受け入れてくれないのか?
どうして誰も自分を愛してくれないのか?
愛してくれるのが自分自身しかいないというなら、
自分を愛してくれないこんな世界なんぞ爆破してしまえ。
この映画にはそんな怒りが渦巻いている。
フィズル・ボマーという爆弾魔の通称を劇中の誰が付けたかは
忘れてしまったが、フィズル(失敗)の名を冠しているのは
主人公自身の「自分はいびつな存在だ」という自己嫌悪の表れなのだろうか。
.
.
映像的な見どころも好み。
まずもって1980年代前後の時代の夜の雰囲気がシブいし、
スペースコープ社の70年代SFチックな雰囲気も良い。
物語のカギとなるタイムマシンも、いかにも近未来風の
ぴかぴかなマシンでは無く、バイオリンケース型。
全時代で通用しそうなトレンチコートにリボルバー拳銃、
1981年から±50年しか移動できないというビミョーな利便性や、
時空を移動した瞬間に空間が収縮/膨張するような演出も、
レトロSF感満載。シブいねえ、おたく、まったくシブいぜ。
.
.
ただ、テーマもミステリとしてのスジも面白かったが、
『ブレードランナー』や『インセプション』級のスタイリッシュな
SFエンタメを期待していると、肩透かしを食らうのも確か。
『タイムコップ』みたいに主人公が華麗な回し蹴りを
喰らわすシーンも無いし。(←その路線は誰も期待してない)
この映画、アクションシーンはほぼ皆無で、
冒頭以外は回想シーンと会話シーンばかりなのである。
中盤までは物語に動きがない(ように見える)ので、
『この映画大丈夫?』と不安になったのも確かだ。
ネタバレ指定にはしたが、もしこれから観る人に紹介するなら
「アクションは無いからミステリ映画として楽しんで」と勧めるだろう。
.
.
最後に、ここのところ作品選びがバツグンのイーサン・ホーク……
も良いけど、それを差し置いても主人公を演じたサラ・スヌークが素晴らしい!
特殊メイクの力もあるがまさか同一人物が演じているとは
途中まで信じられなかったし、そうでなくても相当にタフな役回り。
肉体的にも精神的にもチャレンジングな役に挑んだ彼女に拍手をあげたい。
<2015.02.28鑑賞>
宿命の夜明け
タイムトラベルものだけどよくわからなかった。
全183件中、161~180件目を表示