プリデスティネーションのレビュー・感想・評価
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実は意外と骨太な人間ドラマで、見応え十分❗️
『自分の尾を喰らう蛇』の話が2回くらい会話の中に出てきましたが、この古代文明の頃から伝わる象徴〝ウロボロス〟の絵を想起させる脚本がなかなかニクイ、というか親切な配慮で、途中で時間の流れが混乱しちゃう私のような頭の鈍い奴でも、最後に合点がいくように導いてくれたのだと思います。
終わってみたら、見事に納得。まるで、ラングドン教授の象徴学による謎解きのようでした。
ところで、前半の告白です。
私が少女だった頃…
何気なく語り始めた、〝彼〟のこの台詞。
「メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を…」
と同じくらい、え?なに?どういうこと?
と一気に引き込まれました。この作品はSFだけど、実はヒューマンドラマ要素が強いのだよ、とそれとなく観るものの感性を誘導する効果が、確かにありました。
そう思って振り返ってみると、生きる目的が〝自己の成長〟ではなく、〝過去の自分の修正〟にすり替えられていく過程が『自意識との格闘』というテーマにも繋がって見えてきます。
そもそもどちらが先だったのかよく分からなくなっていく描かれ方は、妄想と現実の境目がよく分からなく描かれていた『勝手にふるえてろ』と同じようにも見えるのでした。
想像を超えた結末。
こんなに何回もどんでん返された作品は他にはないですね。結局、4回ぐらいひっくり返されましたかね(笑) 大オチについては、エンドロール入った瞬間は「どういうこと?」って混乱したけど、エンドロール中に整理できて、このすっぽりハマる感覚は見事でした。ジェーン、ジョン、ジェーンを捨てた男、ジェーンの娘、バーテンダー、フィズル・ボマーが全員同一人物だったというオチはなかなか衝撃的でした。まどろっこしいタイムパラドックスなんて、クソくらえ!と言わんばかりに同じ人間が接点持ちまくりな展開は潔くて斬新です!
ただこの大オチ以外の部分は意外とシンプルな作品でした。前半のジョンの自分語りが長かったこともあって、ストーリーのボリューム的というか起伏はそこまで大きくなかったです。
まさに、このオチの一点勝負!といった印象です。まあ、この大オチだけでも見る価値はあるんですけどね。
あと、なぜR−15の設定だったんでしょうか?グロテスクだったり、エロティックな描写はなかったような気がしましたが。。
原作未読。爆弾魔部分が映画オリジナルなのかな。
類を見ないタイムループ物
驚愕のどんでん返しとか書いてる人多いけど、バーでジョンが登場した瞬...
映画館で見たかった
数奇な運命
前半の回想話にて先読みしようとする悪い癖が出た私
ある巨匠に御紹介頂きました作品をピックアップ!
時空をある程度何回か過去や未来へと飛ぶ事が出来る時空エージェントが、連続爆弾魔を追いかけるついでにある青年と出会い物語が進みます。
内容的には爆弾魔とエージェントとの鬼ゴッゴでは無く、歴史的個人伏線回収型で脚本的には見事である。
鑑賞後、余韻にも浸れる。
ですが、私気分的には、半分「ふ〜ん」もう半分「おおっ?!」
何故かって?
映画オタクって先読みしすぎる所あるんですよね〜。
前半の回想話にて後半2〜3割ぐらい先読み正解。
これが損している!バカバカバカと。
素直に観りゃいいものを!
回想話も含みありありの親切すぎる。
あと、映画comさん内のあらすじも先に見てしまったのも悪い。小説名も見てしまったものだから、楽しみ方を間違えてしまった。
ポスターだけにしとけば良かったと後悔。
星4.5〜5は付けたい気分だが、ひとつだけ不自然な所が。
それは両性具有の人間の存在。
これだけ性器構造上ピンと来ず、受け入れられなかった。
(そんな事言ったらタイムスリップだって現実性的に同じだろうが!と誰かに突っ込まれそうですが、)
あと、宿命よりかは運命を信じたい私がいるので!
シックスセンスの幽霊ネタといい、この作品といい、よく出来てます。
だけど、私は何故か上記の神秘的ネタ等を使わずに、現実的なネタのみで伏線回収し、驚かせてくれる様な作品を待ってるんだろうな。
無理だろうけどw
輪廻した蛇は自分の尾を食い続け…
最初はちんぷんかんぷん。予めあらすじに目を通しておいてもよく分からない。
巷を脅かす爆弾魔。
政府のエージェントらしき男が追うが、顔に大火傷を負う。
あるバーで、一人の青年がバーテンダーに信じ難い身の上話を語る。
バーテンダーも青年に信じ難い秘密を打ち明ける…。
正直、話についていくのがやっと。
しかし、見ていく内に、複雑ではあるが、実に巧妙に入り組んだストーリーである事が分かる。
と言うか、驚きと衝撃の連続…!
見終わった時には頭の中で何度も何度も整理し、ストーリー展開や時系列や伏線を巡らせ、結果かなり面白かった!
まず、青年の身の上話。
告白本の物書きとして生計を立てているその青年ジョンの半生は、壮絶の一言。
今はジョンだが、産まれた時はジェーン。元は女だった。
捨て子で、何者かに孤児院の前に置かれ、そこで育てられる。
幼い頃から周りとはちょっと違う女の子だった。
年頃になり、ある青年と出会う。恋に落ちる。妊娠する。が、青年は姿を消す。
女の子を出産する。が、何者かに誘拐される。
出産時に女性としての機能に支障をきたし、男性へ性転換。今に至る…。
そんなジョンに、バーテンダーはある話を持ちかける。それは、
「お前の人生を壊した男を差し出すと言ったら? お咎めナシだとしたら?」
バーテンダーはジョンをある場所へ連れていく。
まだジョンがジェーンだった頃、恋に落ちた青年と出会った時代。つまり、過去。
実はバーテンダーは、時空を自在に行き来する事が出来る未来の政府のエージェントだった。
バーテンダーの最大の目的は、爆弾魔を捕まえる事。
しかし何故、ジョンに自分の正体を打ち明け、彼の人生を助けるかのように過去へ連れて行った…?
それには、ある理由が。
ジェーンが出会った青年、赤ん坊を誘拐した人物、爆弾魔の正体、そしてバーテンダーとジョン/ジェーンの関係…。
全て、衝撃の一本の線で繋がっていた…。
一見複数の人物が交錯しているように思えるが、実はそうではない。
つまり…、
ジェーンが出会った青年は、ジョン。未来から来た自分。女性だった過去の自分と男になった未来の自分が恋に落ちたのだ。
赤ん坊を誘拐し、孤児院の前に置いたのは、バーテンダー。
バーテンダーは遂に爆弾魔を追い詰めるが、その正体は、精神を病んだ未来の自分だった。
赤ん坊はジェーンと名付けられ、やがてジョンに性転換し、バーテンダーにより未来の時空警察にスカウト。
爆弾魔を追うが、顔に大火傷を負い、整形手術により別人の顔となり、再び過去へ。そこでバーテンダーとして…。
全て、自分だったのだ。顔に大火傷を負ったエージェントも、ジェーンが出会った青年も、赤ん坊を誘拐した人物も、爆弾魔も、ジョン/ジェーンも、バーテンダーも。
自分に自分の人生を変える任務を課す為に…。
ホラーの多いスピエリッグ兄弟監督だが、手掛けた作品の中では一番面白い。
ギターケースにも似た時空移動装置もユニーク。
タイムトラベル/タイムパラドックスSFとしても掘り出し物。
客観的に見ると、哀れな自分自身の堂々巡り。
お前の人生を壊した男を差し出すとしたら?…とは、自分自身への問い掛け。
自分の人生を壊した自分を差し出すとしたら…?
その時、自分は自分の運命を変える事が出来るか?
究極の苦悩、闘い、選択。
原作はロバート・A・ハインラインの小説『輪廻の蛇』。
まさしく、輪廻した蛇が自分の尾を食い続けるかの如く。
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