起終点駅 ターミナルのレビュー・感想・評価
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1人の役者でもってます。
大きな盛り上がりはありません。静かな演出です。セリフは少なく、表情、仕草わから感じる映画かな。多少強引な、展開はあるけれど、嫌な気分にならず、エンドタイトル迄、いけました。1人の役者の、力量で成立している絵が多い。
料理上手なおじ様
だめだ、ぜったいにかえってくるな
味が有る~
人を人生につなぎとめる食
テアトル新宿での「ディアーディアー」最終上映が始まるまでの時間潰しに選んだのだが、この東映作品が予想外に好かった。
佐藤浩市演じる主人公の男の、人生に見切りをつけた感じは、仕事を続け、家庭を持ったことのある男性なら一度は経験するのではないか。引責、諦め、どのように表現しようともそれは人生から逃げていることにしかならない。
その男が、国選弁護人として弁護を担当した若い女性の、全てを失ってからの人生への前向きな姿勢を目の当たりにして、自分の人生と向き合うことに戻っていく。
長いプロローグを当代きっての売れっ子である尾野真知子が引っ張り、その後を受ける形となる若い本田翼の演技が良かった。初めて見た女優だが、暗いまなざしと、佐藤の作ったザンギを美味そうに食べるときの生き生きとした表情の対比が、じめじめとなりがちなスクリーンをカラッとさせている。
佐藤と本田は何度か食卓を挟む。本田が佐藤の料理を褒めたときの「作っているときは何も考えずに済むから。」という佐藤の言葉に哀感がこもる。誰かのために料理するのではなく、自分一人のための料理に没頭するとは、孤独極まりない。
だが、その孤独な食の探求こそが、本作のテーマである人生への復帰には欠かせない。人はどれだけ希望を失っても、毎日の食への興味は尽きないのだ。ささやかな食卓にも、ひと手間を惜しまずにより美味しいものを作ろうとする。
いや、希望を失ったり、悲しみや罪の意識に押しつぶされているからこそ、最後に残るのは食べることへの欲求なのだ。これを失わない限りは、いつの日かまた自分の人生と向き合える日が来る。
食こそが、人を人生につなぎとめるものであると思った。
この日の夕食はから揚げにしたことは言うまでもない。
佐藤浩市の力だけで持っている映画
男たちよ、逃げるな、戦え
何らかの罪咎の意識にあって逃げてきた男が、もういちど、やり直そうと決意する物語。
それほど、珍しい話でもない。
とすると、この映画、どのように観客の興味を引きずっていくかが見所。
若い女に絆(ほだ)されて・・・
<あっ、ほだす、って絆(きずな)って字なんですね>
というだけではつまらないし、そう簡単に絆される男には共感しない。
この映画、同年代(といっても少々歳下なんですが)の男性にとっては、かなり居心地が悪い。
かつての恋人が目の前で自殺した後、その場から逃げてしまう男に、観客としてはどう対処していいのか困惑してしまった。
そう、絵空ごとなら、この恋人の近くで嘆き悲しむとか、そんなことが考えられ、それならば却って感情移入(というか、俺もこうなりたいなぁと無意識で思う)わけだけれど、逃げて、それもホームの階段を五・六段あがったところで転こんでしまうのだから、このような無様な男(自分に近しい男)に対して、どのように感ずればいいのか。
それも、この出来事は昭和から平成に変わるときのこと。
巷では「24時間、戦えますか」なるCMも喧(かまびす)しかったころのこと。
そんなぁ、24時間なんて戦えないよ・・・
と判ったのは、後の事。
このときの、イケイケドンドンをいいことに、男たちは知らず知らずに逃げていた。
そう、思う。
そして、この映画のキーワードは「戦え、鷲田完治」。
つまり、逃げるな、男。
カッコいい見てくれの佐藤浩市が演じているから様になるが、基本的には「逃げている男」の映画。
逃げるな、男。
結構、重く圧し掛かってきましたよ。
でも、映画はちょっとだけ猶予を与えてくれる。
最後、主人公は釧路から東京に向かうのだけれど、それを鉄道で行こうとする。
その時間は長い。
主人公は決意してその鉄路の上にあるけれど、観客(の男ども)はまだ列車に乗らない。
さて、乗る決意はあるのかどうか。
猶予は与えられたようだ。
テーマが重たいけど
半分寝てしまった・・・
「起終点駅」を観て・・
原作は直木賞作家の桜木紫乃の短編小説。舞台は道東の釧路。時代背景は平成26年の現代。65歳の弁護士は、30年前のある事件が今の生き方に繋がっている。
映画では、佐藤浩市が主演である。
ここからはネタバレになるかも・・
学生時代に別れた彼女と、34歳で旭川地裁の裁判官をしていた頃に再会する。
彼女と昔の仲に戻り逢瀬を続ける彼は、妻と4歳になる子供と別れることを決心する。
そして彼女と一緒に駅のプラットホームに立つが、彼女はホームに入る列車に飛び込んでしまう。
ここから彼の国選弁護しか引き受けない釧路での弁護士生活が始まる。
作品のストーリーは、覚醒剤所持で執行猶予中の若い女と関わっていく。
映画では小説よりも全体的にやわらかい暖かい感じがした。
息子の結婚式の招待状に戸惑う様子もよく表れていると思った。
小説では結婚式に欠席するが、映画では自ら漬け込んだイクラを持参して、東京の結婚式に向かう。
映画での息子の手紙に「僕のお父さんはひとりだけですから」と書かれた内容にジーンとした(涙)
静かでゆるやかな感動
いい映画
ほっこりとします。
昔の日本映画のような作品
確かに行間を読む作品ではあるが、これは懐かしい日本映画の感覚もある作品。
昔なら〈高倉健〉さんがやってそうな雰囲気がある。
最近、白髪頭で見るようになった〈佐藤浩市〉が渋い。
白髪頭になったら随分と役者の貫禄があって黒髪よりも白髪にした方が良いと思えるくらいにスクリーンでかなり映えていた。
こういう頑固だけど優しい役が合うね。
ヒロインの〈本田翼〉は、ぶっちゃけ下手。頑張ってはいるが、難しい役だったかなと思う。でも今作で悪い印象かというと、そうでもなく、今作、心の闇の部分を描いていて、まあまあ重いんですが、この子が明るいと重い雰囲気を少し和らげているので悪くない配役だと思ったかな。
ほとんど2人芝居で中村獅童は「いるか?」と思ったが、脇役も好演。
あと、今作、食べ物が凄くうまそうなんですよね。
まず、北海道が舞台で、イクラが出てきてる時点でヤバいが、ザンギという唐揚げが寒い雰囲気の中に暖かみがあり、めちゃくちゃ上手そうなんだな…
しかも、ただ美味しそうなだけでなくストーリーにも絡んでいく。
最後は静かに熱くなり、静かに感動した。
とにかくテンポはゆっくりで地味ではありますが、良い作品でした。
感動しました
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