セッションのレビュー・感想・評価
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ジャズ映画ぢゃないからね
隣に座っていたカップル。エンドロール終了後に、売れないミュージシャン風ヒモ男のほうが大批判を繰り広げていました(笑)。そりゃそうだろね、キミには辛い映画だったでしょうね。
音楽関係者やジャズファンは観に来ないでね、だってこの映画はジャズ映画ぢゃありませんから!
怒りが才能を育てる
マイケル・パウエルに捧ぐ
僕はこの映画、たいへん面白かったです!
僕はこの映画を見て、マイケル・パウエルの古典「赤い靴」を思い出しました。お若い方には「赤い靴」をリブートした「ブラックスワン」を上げた方が分かり易いかもしれません。
「赤い靴」も「セッション」も、芸に猛進する師と弟子の話です。
弟子を支配下に置こうとする師匠、それに翻弄される弟子。芸術の明るい面よりも、芸に取り憑かれた怖さを強く感じます。
ちなみにパウエルは、その怖さを掘り下げた「血を吸うカメラ」という傑作スリラーも生み出しています。「血を吸うカメラ」は、観客には受けましたが批評家筋からは不道徳だと批判されました。理性では受け入れがたい、自我の発露を描いていたからだと思います。
「セッション」も、善悪や愛憎では計れない自我の発露を描いています。音楽家はこうあるべきだという固定概念も揺るがしています。
そこに拒否反応を示す人がいても当然だと思います。かつて、パウエルを批判した人がいたように、いつの時代も受け入れられない人はいるのです。受け入れがたい領域を描いたからこそ、映画としての虚構の面白さがあると思います。
マイケル・パウエルは、ヒッチコックをはじめ、スコセッシ、ポランスキー、デパルマ、アロノフスキーなどの作品に影響を与えてきましたが、「セッション」もその影響下の一つと言えます。本作が「赤い靴」のように後世に残る傑作かは、僕には判断つきません。でも、そこを目指した若き監督の野心作と言えるのではないでしょうか。
確かに情報社会は生きにくい、しかし、バイオレンスだけでは何も生まれない。
連休前に見ておきたいと思った映画「セッション」。
今月のキネマ旬報の批評欄、珍しく3人とも満票、10個つけたいというコメントまであり、昨日いそぎ日比谷に出かけた。
予約なしでも空いているだろう、安易にシネマズに行ってみると、切符売り場は大勢の人だかり。
おかしいなと思いつつ、よく見ると客は老人ばかり、 平日の昼間の上映だからあたり前かもしれない。
しかし、人気は併映の「寄生獣」と見込んだが、なんと行列は「セッション」だった。
映画は音楽大学でジャズ・ドラムスを学ぶ学生とJ・K・シモンズ演じる熱血教師の話。
話は単純で、ただただバイオレンスな暴力教師が新入生をしごきまくる映画だ。
評者の一人は「ドラムスで映画が成立することに感服。」と書いていたが、納得するのはこのコメントのみ、ひどい映画だ。
チャーリ・パーカがまだ新人のころ、セッション仲間のドラマーにシンバルを投げつけられたという逸話を下敷きに、シモンズ先生(だめだ役名も忘れた)が徹底した暴力でアンドリュウー(しごかれたドラマー、シモンズと対照的なやさしい顔立ち)と関わる。
批評家の満票に背き、ひどい映画だと言いきる素人がネタバレを書き散らすのは礼儀を失するので控えるが、根性を鍛えるのは大学の仕事ではない。
学識にしろ技術にしろ、教師に可能なのは学生の納得や得心に関わることだけ。
答えは一つではないのだから、叩き込めば理解されると考えるのは教師のうぬぼれ。
教師に可能なのは、どこまでも学生個々人が持つ想像力に関わることだ。
頭ごなしの、パーカーやマルサリスの逸話を傘にしたバイオレンスだけで何が可能なのだろうか。
学生が血塗れになってバチをふるうのは運動能力のためではなく、自分自身の想像力の問題だ。
もっとも、この映画、若い人には必要なことなのかもしれない。
人生のはじめの頃、何も考えず、何もあてにせず、ただただ遮二無二ドラムを叩きまくったという経験は、ボクにはないだけに、何か貴重な体験がテーマとなっているような気がする。
しかし、その体験を共有させたいという企みだけなら、老人はともかく若者は引く、いや引いて当たり前だ。
まして「ラストシーンに舌をまいた」のは批評諸子だが、ボクは嘘だろうと仰け反った。
これでは安っぽい予定調和の押し付けだ、どこにドラマ(ドラマーではない)があるのだ。
今の時代、自分自身を見つめることは難しい、どうしても、まわりばかりが気になり、羨んだり、蔑んだりしてしまう。
確かに情報社会は生きにくい、しかし、バイオレンスだけでは何も生まれない。
とにかく、予想の上をいく。
好き嫌いは真っ二つに別れる
賛否は分かれるようですが
劇中にあるような特訓で、優れたジャズやチャーリー・パーカーのような天才が生まれるわけではないので、そういう意味ではジャズを誤解させてしまう映画かもしれません。
しかし、ラストのセッションは、ジャズの魅力を十分感じさせるものではないでしょうか。
ジャズという音楽に関わる人達にとっては、全ての点で納得することは難しいでしょうが、映画としては優れた作品だと思います。
劇場で見ることができて、良かったと思いました。
スクリーンに釘付け
熱い映画でした
なんなのこれ凄すぎ
かっこよくて、勇気をくれる
ある意味、怖い映画。
えげつない…
全く異質の根性モノ
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