セッションのレビュー・感想・評価
全910件中、821~840件目を表示
狂っているだけでは音楽にはならなかった
前評判の高さから期待をして観に行きました。Buddy Richの曲を好んで聴いていたので、耳でも楽しめる映画でした。
しかし、ストーリーの方がいまいち私には合いませんでした。J.K.シモンズ演じる教授の熱烈さや狂気というのはビシバシ伝わってくるのですが、マイルズ•テラー演じる学生が、シモンズに感化されて変化していく様子にあまり劇的なものが見られず、彼から狂気的な音楽への情熱のようなものが伝わって来なかったです。
ラストシーンでも、復讐の応酬から2人が徐々に理解しあって高まってゆくという流れは観ていて分かるのですが、何かが足りないのです。狂気や熱は伝わるのですが、音楽への愛(?)というのが描かれていない為か、ただ激しいだけの映画に思えてしまいました。
『セッション』と同じように、音楽に没入していく、狂っていく、というような映画でしたら『4分間のピアニスト』という素晴らしいドイツ映画があります。こちらも厳格な教師と生徒という関係の中でストーリーが展開していくのですが、ラストシーンの息もできないような圧倒される感覚は『4分間のピアニスト』の方が凄かったです。
圧倒的!
出だしから圧倒されたままエンディングを迎え、鑑賞後はかなりグッタリした。
役者の演技、緊張感あふれる演出(役者にクローズアップを多用したカメラワーク、演奏シーンのカット割り等)が素晴らしくて、終始引き込まれた。
常人にとっては「たかが」と思われることが、その道を極めようとする者には生死を賭けるほどのことであり、それは当事者にしかわからない。
天才たち(それに見合った努力が出来る者を含む)の言動を、自分のような凡人は憧れと嫉妬と諦めの心境でただ眺めるしかないのかも知れない。
密告のくだりが個人的には分かりにくいと感じて、一緒に観た人と擦り合わせたところ、自分の読み違えだったようで、悔しかった。。。(もっと修行が必要だ。)
観終わった後久々にゾクっと身震いきたぁ~~
鬼気迫るJKシモンズが今夜、夢に出てきそうな衝撃
鬼気迫る演技で。
言葉で表現できない
卓越してた
J・K・シモンズの演技が評価されているけども、主人公も含めてキャストは良かったと思う。
ただ、それだけでなくストーリーも良かった。
とてつもない逆境をねじ伏せるほどの圧倒的な努力と決意ってものをみせてくれる映画。"普通の"努力家だったら、最後にハメられた場面でそのまま去るのみで一生戻ってこれなくなるとこだったと思うけど、そこをゴリ押しして自分で主導権を握ってしまうなんて考えられない。そういう理不尽な状況は世間ではよくあるので、「敗者はただ去るのみ」というのが正しいとは限らないことを教えられた気がした。
長生きよりも、名を残して早世
マイルズ・テラーとJ・K・シモンズの好演によるところも大きいのだろうが、終始流れているぴりっとした真剣な雰囲気に釘付けになる。
最も恐ろしい言葉は「グッド・ジョブ」だとして、現状で満足させないように、あえて厳しい指導をするテレンス・フレッチャー。
その様が逐一自分の仕事と重なり、共感と考えさせられることの連続だった。
敵が多くなることを自覚しつつ、育てるためと割り切る指導者側の苦悩も垣間見えるようだった。
最後のステージでの、マイルズ・テラーの密告に端を発する互いの復讐のやり合いも面白かった。
ただ、その後の止まらないドラムがやや冗長かつ分からないのが、唯一残念。
ニコルとのやり取りも、もうひとつあっても良かったかもしれない。
最後の9分にむかう映画。
この映画は最後の9分間に全てが詰まってるといっても過言ではないと思います。
それほどに濃い9分間です。
最後への盛り上がりかたが半端なく、息をのんで釘付けになりました。そして期待を上回るラストに感動しました。
フレッチャーがアンドリューの「合図を出す。」と聞いた時にうなずくシーンは感動し、ドラムソロでは鳥肌が立ちました。
そして何と言ってもフレッチャーの演技です。すごかったです、アカデミー賞獲得もうなずけます。
この映画があまり劇場でやってないことが不思議でなりません。
絶対見るべきだと思います!
ぼく野球人
まるで格闘技!
見ごたえたっぷり。
理路整然とはいかないか
「なんか、はっきりとした言葉で感想が出来ないな」これが見終わった後の素直な感想です。ラスト10分(長さは適当)の音で闘う場面は確かに熱量半端ないし、暗転のタイミングも初監督では思い切ったものだった。でも、でもである。それ以上の何かがあるのかと言われたら「どうだっけ?よく考えたらそんなになかったかもね」と言いたくなるのが本作。一番の引っかかり、もしくは矛盾点と感じたのはラストの舞台へあがる動機だ。基本構図として、音楽狂い、芸術狂いの「音楽の為」なら暴力でもイジメ、パワハラ、何でもする独裁者的講師と誰からか認められたいトップジャズドラマーを目指す主人公の激しい邂逅、緊張、対立、挫折、対決、共有を描いているんだけども、この肝になる音楽講師が理路整然としてない。体罰とかパワハラ、イジメとかは別にいいんだけど(実体験組としてはふーん位の描写だと思う)、ラストの場面前で挫折した主人公を自身が指揮するプロ楽団に誘うんだけども、その動機が復讐なんだよね。音楽狂いが音楽を復讐のアイテムに使っちゃいけないでしょ。こうなってくると音楽狂いでも何でもなく、ただの権力をもったイヤなヤツでしかない。こうなると、主人公を見いだした動機すらも怪しくなってきて判然としなくなってくる。そして、音楽狂いじゃなくて音楽好き程度なヤツって考えるとラスト2人の「音の闘い」も薄味になってくる。ただ、考察に足る映画だし、誰かと話したくなる伝えたくなる映画だということは間違いない。
全910件中、821~840件目を表示