「ハゲの活力ハンパなし。」セッション ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
ハゲの活力ハンパなし。
空飛ぶハゲにドラムのハゲ(誉めてます)と、ハゲの活力がハンパない。
数々の賞を総なめにしたおっさん(好きです)ハゲ、J・K・シモンズ。
いや~いいわ、このホラー(爆)、スリラーだし、スポ根にもなってる。
あまり見たことない恐ろしさにド嵌りした人も多いんではないかしら。
今じゃこんなシゴキをやろうもんなら、DV!モラハラ!で訴えられて
(まぁ今作の場合、訴えられても仕方ないが)家族は一丸となって子供を
その選択から遠ざけようとするわね。だって殺されちゃうかも?だもん。
しかしそこへ喰らいついて離れないピラニアのような弟子をこの師匠は
心から欲しているんだよね。たぶん自身が叶えられなかった夢を弟子に
見出そうとしてるんだけど、それが狂気を帯びて常軌逸脱、果ては鬱病
になってしまう弟子が続出、っていうちゃんと巧い教え方が出来ない人。
でもこの鬼に目をつけられたってことは、育てる才能があった訳でしょ。
主人公ニーマンだって相当の食わせ者だと最初からちゃんと描かれてる。
あの家族(親類)に囲まれてたら、そりゃ上昇志向も高まるってものだし。
結局この師弟はよく似ているから理解も衝突も生まれる。一度は辞めた
ニーマンが意気揚々とまた加わるところなんかホラやっぱり!てな感じ。
自分から好きになっといて彼女に別れ話をきり出すニーマンを見た時、
(思わずソーシャルネットワークか?なんて思ったけど)コイツ何様!?
と思ったけど、その何様感が師匠フレッチャーとソックリで。たかが
音楽院の一教師がどれだけの権力を握ってる?と私なんかは思っちゃう。
(つまり音楽が分からないニーマン父と同類ね)でもニーマンには、もう
やっぱりドラムしかないわけで。それを教えたのも鬼ハゲ野郎ときてる。
切っても切れない間柄の二人は、最後の最後でまた対決!するんだけど、
この裏切りが何を齎したか…ここが最高潮興奮度MAX。でもこの作品、
最初から最後までずっと周囲の楽団員が迷惑かけられっぱなしなのね^^;
(緊張感と高揚感と戦慄。映画もテンポは大事です。ふぁっきんてんぽー!)