「動悸が止まらない」セッション おかゆさんの映画レビュー(感想・評価)
動悸が止まらない
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個人的にはシビル・ウォーに並ぶかそれ以上か。
見終わった後、今もしばらく続く、何かに追われるような焦燥感、ぐったりした疲労はどうだ。
ポシェットを胸前でギュッと抱えながら、イーッと引きつった顔でスクリーンを見続けていた。
初めてだった阿佐ヶ谷のミニシアターで鑑賞。背もたれが小さい、音の迫力がいまいちと、予告編のときに湧いた小さな不満は、あっという間にどこかに消えた。そんなことも感じたと、今やっと思い出した。
血だらけで舞台に立つまで追い詰められた狂気、そんなこと経験ないから分からんが、この作品上は分かる。そこまで矛盾のない展開。
再起の舞台に上げて密告の復讐を遂げる狂気、クソだクソだクソだ。ああ、自分は絶望した息子を抱きしめてやれる父親にならないと…と本気で思った。そこから始まる9分19秒(とプロモーションに書いてあった時間はこのことなのだろう)。
このメンタル、なに!?
でも一度は狂気のレッスンをやり遂げ、血だらけで登壇した男なのだから、こうするのは当然だった。これを引き出すためのフレッチャーのプレッシャーだったか?いや、クソだ、狂ってる。
パワハラはいかん。見てて、部下の顔が何人か思い浮かんだ。いいところを見ないと。見えてる才能にクローズアップしないと。部下は自分の手駒じゃない。この映画を思い出そう。いいものを見た。
もう一回みたい。ニコルはかわいかった。昔の彼女の前でカッコつけたくなる幼稚さ。わかる。ずっこけフラレたのが最後の狂気へのアクセント。この演出もすごい。
もう二、三回は見たい。
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