劇場公開日 2015年4月17日

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「おもしろい。 このプロットで進めるなら、主奏者争いの3人の太鼓の達...」セッション 蛇足軒瞬平太さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5おもしろい。 このプロットで進めるなら、主奏者争いの3人の太鼓の達...

2017年4月25日
PCから投稿

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おもしろい。

このプロットで進めるなら、主奏者争いの3人の太鼓の達人の葛藤に繋がる特徴差異を、最低限セリフで説明でもやっておけばストレスはたまらない映画の技術の問題。

太鼓の技術が気になる人は、映画のウソの代表例【『猿の惑星』は猿が英語を話してる時点で地球】問題を考えてみよう。
140字でまとめると以上。

補足すると、
○ドラムの技術に関する問題
○シナリオの問題
○フィクションの映画に乗れる乗れないという問題。
それぞれを区別するとわかりやすい。

■ドラムの技術の問題。
この物語はなんちゃってドラムを許さない物語であるということ。

3人のドラマーが主奏者争いをする、あるいは先生のシゴキは技術上達の為、微妙な判断を繰返す。
米国一の主奏者は世界一と言っている以上、その技術は披露すべき。
選択肢としては
①本物の技術者が芝居をする
②役者が技術を習う。
どちらの選択肢も100点を取るのは困難。

■シナリオの問題
ドラムの技術の差が大命題の物語を展開をするのであれば、
技術の差を観客のストレスが溜まらないように表現しないといけない。
その為には
①類似作品のように腕立て伏せやランニングのようなトレーニング、
血のにじむような練習(本作ではその部分もよくわからない。)
で技術を見せないで済む展開のシナリオにする。
②セリフ、モノローグ等で説明する。
が順当な選択肢。

■映画に乗れる乗れない問題
本作は技術的な説明もしないが、ラストも技術ではなく、
眼には眼を、歯には歯を、シンバルにはシンバルを。
血で血を洗うDEADorALIVEで魅せるぜ~という映画だ。
技術を観客にみせる、あるいは説明するのではなく、
ハートで勝負だ~~~~!最高じゃないか~!これがセッションじゃ~~~!
このあたりが賛否を呼ぶ理由だ。

蛇足軒瞬平太