劇場公開日 2015年4月17日

「狂気の二人」セッション グダールさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5狂気の二人

2016年8月20日
iPhoneアプリから投稿

鬼のように怖いハラスメント教師と、音楽を出世のための道具としか捉えていないドラマーの物語。

「苦しいことを乗り越えれば希望はある」とかいう、甘ちゃんな物語ではない。そこに、この映画の奥深さがあるのだと思う。
ハラスメント教師は明らかに狂っているし、その生徒であるドラマーも明らかに狂っている。
それをこの映画は、完全に否定してもいるし完全に肯定してもいる。

結末を通じて、この映画は結論を完全に観客に委ねる。

だからこそ、この映画を通じて賛否両論、喧々諤々の議論が繰り広げられるのだ。

「この映画はハラスメントを肯定している!」
「いや、この映画はハラスメントを否定している!」
こんな議論が生まれている時点で、この映画の目論見は達成されている。

最高で最低の映画だ!

グダール