「ある程度音楽の素養が必要かも」セッション でゑさんの映画レビュー(感想・評価)
ある程度音楽の素養が必要かも
ジャズを本気で勉強した事がある人には
結構納得出来る映画かもしれません。
特にビッグバンドジャズをやっていた事がある人なら尚更。
勿論ある程度の誇張もありますけど
それは映画だから仕方ない。
スポ根だの揶揄されてますけど実際そう言う面は確かにある。
何故なら自分にも程度は違えども確かに有りましたから。
もっとも主人公のようにやると間違いなく腱鞘炎になりますから
ああいう風に練習してはダメですけど。
監督さんは大分バディ・リッチがお好きなようで練習しているところとか
ソロを叩いているところでは何だかバディとシンクロしました。
あれだけ苦労してた200の倍テン400も後半のソロでキメてます。
それがわかる人ならこ、これは…となること必至です。
最後に思ったのがジャズって針のむしろのような状態を跳ね返してこそって瞬間は
確かにあるんです。
自分が絶体絶命になった時自分の演奏で周りを黙らせてしまうって瞬間は確かにあるんですよね。
映画の最初はなんだかトスカニーニの練習風景を見てるようで
全然ジャズじゃないじゃんとも思いましたけど
あの丁々発止と言うか
ギスギスした感じは確かにセッションの一面ではありました。
でも確かに分かりづらい。
音楽の映画は「戦場のピアニスト」もそうでしたけど
理解できる人じゃないと分からない面はあります。
あと余談ですけど
アメリカにおけるジャズの現在も何となくわかります。
ウィントン・マルサリスを頂点としたヒエラルキーがあるのがわかります。
その点は疑問が残る余地があります。
最後に実際にジャズを真剣に勉強した事がある人でなければ
分からないようなところがあるので
その点で1点引かせて頂きました。